校長室からお届けします

にっこり 校長室だより「自立の丘」№10 令和5年6月27日発行

◆ 可愛い子には旅を・・・  ~ 宿泊学習記 ~
 6月22日から1泊2日で福島県西郷村の国立那須甲子青少年自然の家に5・6年生17名が行ってきました。引率は私の他,教諭2名と養護教諭との4名です。
 1日目,あいにくの雨のために阿武隈川源流を訪ねるハイキングは中止となりました。そこで,雨天時のプログラムとして用意していた,白河だるまの絵付けを行ないました。こういう創作活動は子どもたちの才能が発揮されます。だるまの命は「顔」だということがよく分かりました。思わず「イイね」と言ってしまう個性豊かな顔が揃いました。
 絵付けはハイキングに比べて短時間で済むので,急遽「なすかしココどこ」という室内オリエンテ-リング(地図を片手にチェックポイントを探し出すゲーム)をやることになりました。この自然の家は,施設内を全て回るには1時間以上かかる程に極めて広いのです。雨が降っても施設内で楽しめるように造られています。
 夕食後は,真っ暗な部屋の中でキャンドルを囲んでの楽しいひとときを過ごし,大浴場でさっぱりと汗を流し就寝しました。
 2日目,雨が上がったので予定どおりの野外炊飯です。羽釜でご飯を炊きながら,カレーも作らなければなりません。薪に火をつける事から始めますので結構大変です。子どもたちは役割を分担し,協力して実にスムーズに美味しい昼食を作りあげました。もちろん先生達の力添えはありましたが,合格点のカレーライスでした。大変なのは片付けですが,食器や鍋をピカピカにして,宿泊室の掃除と合わせて「掃除パーフェクト」の賞状が学校に届きました。
 家庭を離れて「自分のことは自分でする」という経験は,自立へ向けて子どもを成長させます。今回の集団宿泊活動は「子どもには厳しい社会の経験を積ませた方が自立できるようになる」という諺(ことわざ)「かわいい子には旅をさせよ」通りでした。この諺を英語で表すと,「Spare the rod,and spoil the child.」(ムチを惜しむと子どもがダメになる)とも言います。体罰をして躾をせよという意味ではなく,古今東西「子どもの成長のためには苦労体験を積ませなさい」という事でしょう。教育活動が社会人としての自立への一助になれば,学校としても嬉しい限りです。

◆ 家族で利用できる自然の家
 我が家では20年位前,息子と娘が小学生の間,毎年「なすかし」に泊って自然体験することを夏休みの恒例行事にしていました。森の中で迷子になりかけて何とか生還したことや協力して野外炊飯をしたこと,虫取りをしたこと等もあって,家族の絆が深まりました。「なすかし」を30歳を過ぎた息子達が「家族の思い出ベストワン」の場所に挙げてくれていることに喜んでいます。
 県内には国立那須甲子青少年の家・磐梯青少年交流の家(2名以上利用可)と県立郡山・会津・いわき海浜自然の家(5名以上利用可)の5施設があり,いずれも食費程度で宿泊できます。家族の絆を深める思い出づくりにオススメです。