校長室からお届けします

にっこり 校長室だより「自立の丘」№45 令和6年11月7日発行

◆ 走ることって素晴らしい
 持久走やマラソンは辛いものですが,実は素晴らしい効果がたくさんあります。子どもたちが少しでも前向きになるように全校集会で話をしました。

 今,どの学年も持久走の練習に取り組んでいますね。素晴らしいことです。でも,中には「長い距離を走ったり,長い時間走るのは,辛いなあ」とか「いやだなあ」とか思っている人がいるんじゃないかな。でも,走ることは,良いことにもつながるので頑張ってほしいと思っています。どんな良いことがあるのでしょうか。

 実は,みんなのおじいちゃんやおばあちゃんの世代の人は,足の速い人を「まるで韋駄天のような人だね」とか「韋駄天のように走るね」とか言ったりします。実は,韋駄天とは,お寺を守る神様の一人なんです。大昔,仏様の大切なものを足の速い鬼が盗んで逃げようとしたところを,鬼よりも速く走って捕まえて,大切なものを取り戻したと言われています。そこで,韋駄天は泥棒が来ないようにしてくれる神様になり,足が速い人のお手本になったというわけです。そして,もう一つ素晴らしいことがあって,子どもが病気にならないようにしてくれる神様でもあると言うんです。これには思い当たることがあります。走ることは,みんなの肺や心臓を強くしてくれます。走ると息が苦しくなったり,胸のドキドキが速くなったりするでしょう。これは,息をするための肺や足に力を送るための心臓が強くなっていくために必要なことです。だから,健康な体になるので,病気になりにくい体になるんです。足が速いことと関係があるんですね。

 韋駄天という神様と関係がないことでも走ることの良さがあります。子どもが走ると背が伸びるんです。子どもの体中の骨は,走ったときのジャンプの揺れがスイッチとなって骨が伸びるんだそうです。だから,3歳から5歳くらいの小さい子は,自分で走ろうと思わないでも,脳が早く育ちたいと思っていて,体が勝手に動いて走ってしまうそうです。子どものうちがチャンスですよ。走ると健康になるし,背も伸びるかもしれない。だから神様に関係があるというように感じて,昔の人は韋駄天を大切に考えたのかもしれませんね。

 持久走は走らなければ絶対に速くなりません。走れば必ず速くなります。そして練習をやり遂げたり,走りきった時の何とも言えない,良い気持ち「達成感」を感じることが出来ません。弱い自分に打ち勝つことが出来るのも持久走の良いところです。残りの練習を本気でやって少しでも自分の記録を縮めましょう。そして同時に,「自ら身体をつくる子ども」,つまり自分から身体を鍛えてつくる沢石の子どもになりましょう。