学校日誌

了解 月が赤っぽく見え,葉が緑で,海が青い理由(再掲) 7/29

6月,半月よりやや月齢の経ったオレンジ色の月が見られました。先月はスーパームーンで赤銅色の月食が見られる予定でしたね。

なぜ,月が赤やオレンジに見えるのか・・・

これは,月まで届く太陽の可視光線(色が人間の目に見える光)が影響しています。

太陽から月に届くまでに波長の短い光(特に青色)は地球の大気を超えられず途絶えてしまいます。(空が青く見える理由。青の波長は,大気に拡散され青く見えるということ。)しかし,太陽と月の間のちりが少なく,赤の光の波長を遮らない場合,月が赤銅色(しゃくどうしょく)に輝くのです。(月食の色の場合)

通常の月の色が見る時々によって変化するのは、「光の散乱」が起こっているからです。
月が地平線に近い位置にあると、光は大気中の長い距離を進まなければなりません。そのため、散乱しやすい青や緑の光は目に入らず赤系の光だけが目に入り、月の色はオレンジや赤色に見えます。(夕日も同じ原理)また、月の高度が少し高くなると、赤と青の中間である緑色の光が散乱せずに届き、赤と緑の光が届くため、光の合成により黄色に見えます。そして、十分に高度が高くなると、光が通る大気の層の距離が短くなり、今まで届いていなかった他の光も目に入ってきます。光は全ての色を合成すると白く見えるので、高い高度にある月の色は白く見えるのです!

月の高度により,水平線に近いと赤やオレンジ,高いと白く,中間では赤+緑=黄色(光の足し算)になるということですね。

 

可視光線は虹の7色「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」に波の長さで分けられます。これを波長と言います。

波長は,光を電磁波の波で表わした時の谷間から山を越えてさらに谷間までの長さ(単位nmナノメートル)のことで

色は、その波長で分けられます。

出典 photonホームページ

各色の波長は以下の通りです。

赤   625~780nm ,橙 590~625nm,黄   565~590nm,緑   500~565nm,青   485~500nm,藍   450~485nm
紫   380~450nmです。

赤ほど谷間から谷間までの長さが長く,紫は短くなります。

この波の長さで人間の目に見える光の色が決まります。赤よりも波長が長く,目に見えない光を「赤外線」紫よりも波長が短く,目に見えない光を「紫外線」といいますね。太陽を直にみてはいけないと言う理由は,この目に見えない波長の光によって網膜が損傷する可能性があるからです。

赤外線は主にリモコンや暖房器具などに,紫外線は消毒などに使われ,特に紫外線は体に長時間浴びるとよくないものです。日焼けの原因も紫外線です。(肌がメラニン色素を出し黒くなることで,人体を紫外線の害から守るため。生体防御反応)

 

では,何故「葉っぱが緑に見えるのか」です。

葉には光を吸収して光合成をするための「葉緑体」という器官があり、その中に「葉緑素(クロロフィル)」という色素があります。その色素は、太陽光に含まれる赤色光と青色光を吸収し、残った緑色光は吸収されずに反射されます。つまり、人間の目には、光合成で使われずに反射された緑が植物の色として見えているのです。光合成で吸収されない緑色の光だけを反射しているからです。

「海が青い理由」ですが,

 太陽の光が海に当たると青以外の色の光は海水に吸収されますが、青い光だけは吸収されずにそのまま海中深くまで進んで行きます。
 海中まで進んだ青い光は海底の砂に反射して海面まで上がってきて、私たちの目に入るということです。

 

ものによって可視光線を吸収したり反射したり,あるいは拡散したりすることにより発色するということです。

色の不思議も奥が深いですね。

夏休みの自由研究にいかがでしょうか?例えば,青白い月の理由,夕焼けが赤い理由など。身の回りの自然の色には何か波長が関わっているようですね。理科の匂いがします。