校長室からお届けします

2023年4月の記事一覧

にっこり 校長室だより「自立の丘」№3 令和5年4月25日発行

◆ 大谷翔平選手の人気の秘密
 ベースボール・メジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手がアメリカ合衆国と日本の両国で絶賛されています。それは,投打二刀流としての活躍ばかりでなく,ファンへの誠実な接し方,チームメートやスタッフへの温かい心遣い,グラウンドのゴミをさり気なく拾う行為などから優(すぐ)れた人間性に多くの人が魅了されるからでしょう。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝戦直前にチームメイトを鼓舞した名言も記憶に新しいところです。私の妻は「どうしたら,あんな子が育つのだろう?」などと母親目線で応援しているほどです。子どもたちが,そんな大谷選手の人間性に近づけたら良いなと思って,全校集会で次のような話をしました。

           夢や目標を実現するためには ・・・ 

                      三春町立沢石小学校長 安生 昌弘

 アメリカのメジャーリーグで,多くの人に無理だよと言われた,ピッチャーとバッターでの「二刀流」で大活躍中の大谷翔平選手は,『メジャーリーグで優勝して世界一になる』という自分の大きな夢を叶えるために早くからいくつかの目標を決めて実際に頑張ってきたそうです。まずは,高校1年生の時,「日本の立派なプロ野球のピッチャーになる」という大きな目標を立て,そのために必要な小さな目標を8つ立てました。その8目標毎に8つの計画を立てました。そして,合計64個の計画を考えて3年間取り組みました。もちろん,ピッチャーとしての実力を付けるための計画がほとんどですが,中には「それってプロ野球選手になることに関係あるの?」という計画があります。例えば,「あいさつをする」,「本を読む」,そして「ゴミ拾いをする」なんていう計画もあります。「ゴミ拾いをする」であることに気が付きました。大谷翔平選手が,メジャーリーグの試合中にグラウンドのゴミを拾ってユニフォームのポケットに入れているところをテレビで見ました。つまり,10年以上ゴミ拾いをし続けているのかも知れません。

 夢を叶えたり,目標を達成したりするためには,「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てることが大事なんです。計画を立てなければ,どんな人でも,何もしないまま,ボーっとして過ごしてしまいがちです。同じく有名な元野球選手のイチロー選手も『小さいことを積み重ねるのが,とんでもないところへ行く,ただひとつの道だ』と言っています。小さな計画をたくさんやり遂げると大きな夢をかなえることや高い目標を達成することになるのです。

 学校の目標も実は同じようにつくられています。沢石小学校では,みんなが卒業までに「何でもよく分かり,どんなことでも独りで出来る子ども」になること,『自立』を最高の目標として,3つの目標を決めています。「自ら学び続ける子ども」(知育)「自らつながり合う子ども」(徳育)「自ら身体をつくる子ども」(体育)です。学習だけでなく,学校や家庭でのいろいろなことが『自立』できることにつながっていきます。

 これから「やってみよう」とか「続けてみよう」ということを多く決めて実行しましょう。学校での計画に加えて,家庭での計画,例えば土曜日や日曜日に掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。そうすれば,自分の夢や目標にちょっと関係ないことかなと思っても,大谷選手のように,ちゃんと関係してくるかも知れません。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った多くの計画を立て,続けることを期待しています。続けることは難しいことですが,最も大切なことなんです。

0