校長室からお届けします

2023年12月の記事一覧

にっこり 校長室だより「自立の丘」№22 令和5年12月22日発行

◆ 冬休みは“進んで勉強”と“礼儀正しさ”のチャンス!
 冬休みを迎え,年明けから今年度の終盤となります。22日の全校集会で冬休み中の目標について以下のような話をしました。

冬休みのチャンスを活かそう

 今日は冬休み前の授業が終わる,締めくくりの日ですね。冬休みは夏休みと違って,「1年間で勉強することの大部分が終わっている」とか「年末やお正月がある」とかいうことから皆にとって2つの『チャンス』があるのです。

 実は,4月から先生方は指導する時に,学習でも運動でもみんなが「自分から進んで何でも頑張る子どもにしよう」という事を心掛けてきました。先生方に指導されたことで思い当たる人もいるんじゃありませんか。

 まずは、一つ目のチャンスです。4月から始まった各学年の学習は,3ヶ月分くらいを残して今日までに終わりました。4月から今まで学習したことを振り返ってみて全部を身に付けている人はそうは,いないでしょう。ですから,「復習」と言って,もう一度学習し直す内容がたくさんあります。そして,分かる・出来る学習と分からない・出来ない学習は人によって違いますから,自分で学習する中身を考えて勉強しなければなりません。宿題があると勉強するけど,ないと勉強しない人がいるでしょう。だから,やる気にならないと「復習」(学習のし直し)は,することができないのです。特に今年から1月の終わり頃にちょっと難しい問題の「沢石小 算数コンクール」を行います。自分のよく身に付いていない算数の内容について力を入れて復習をしないと問題を解くことができないかも知れません。冬休み中に“自分から進んでの勉強”に挑戦しましょう。

 次は二つ目のチャンスです。普段会えない親戚や知り合いの年上の人に会ったら,礼儀正しくあいさつをするチャンスがあるし,何かしてもらったら,「ありがとう」と言うチャンスがあります。また,大晦日12月31日に家族に「1年間,色々ありがとうございました。」なんて言うと,びっくりされるかも知れませんよ。家族に対しても「親しき仲にも礼儀あり」という言葉のように礼儀正しさが時には必要なんです。冬休み中にたくさん“礼儀正しい”言葉づかいやあいさつ,そして行動を心掛けましょう。

 今年の冬休みは,普通の年より2日間長い17日間ありますが,ボーっとしていると,あっという間に終わってしまいます。ボーっとしていて誰かに叱られないように,自分から進んで取り組む勉強,そして意識して礼儀正しく話したり行動したりすることに頑張ってほしいと思います。事故や怪我,健康に気を付けた生活を送って,来年の1月9日(火曜日)に元気に登校し,登校途中に会う大人の方や先生方に「おはよう」の代わりに「新年おめでとうございます」とあいさつができると素晴らしいと思います。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№21 令和5年12月7日発行

◆ クリスマスのプレゼント
 子どもにとって,クリスマスは一番楽しいイベントなのではないでしょうか。ゲームソフトをお願いしているという声も聞こえてきたような気がします。昨日の全校集会でプレゼントについての話をしました。

本当に良いプレゼントとは…

 アメリカ合衆国の小説家,オー・ヘンリーが書いた物語です。

 ニューヨークという大きな街に,ある貧しい夫婦がおりました。ジムという夫とデラという妻です。毎日の食事をしていくのが精一杯で自分たちの楽しみに使うお金などはありませんでした。クリスマスが近づいてきました。アメリカではクリスマスに自分の大切な人に贈り物をすることをとても大事にします。ジムとデラも相手に秘密で,何とかお金を手に入れて相手の喜ぶ贈り物を買おうとします。

  妻のデラは考えました。夫のジムはたった一つの宝物である,金の懐中時計を大切にしている。それは,おじいさんからお父さん,そしてジムへと受け継がれた宝物だけれど,つるす金の鎖がなかったのです。金の懐中時計に金の鎖をつけることができたら,ジムはどんなに喜ぶだろう。そう考えたデラは,自分のものでたった一つ価値のあるもの,自慢の美しい長い髪の毛を,かつらを作って売るようなお店でバッサリと切って売ってしまったのでした。自慢の長く美しい髪はなくなってしまったけれど,ジムはきっと喜んでくれるだろうと思いました。

 その頃,夫のジムもデラの喜ぶ贈り物を考えていました。デラのたった一つの自慢は長い美しい髪でした。その髪をとかす,櫛(くし)をデラはほしがっていました。長く美しい髪をすてきな櫛でとかし,もっと美しくできたなら,デラはどんなに喜ぶだろう。そう考えたジムは,自分のものでたった一つ価値あるもの,金の懐中時計を売ってしまいました。大切な金の懐中時計はなくなってしまったけれど,デラはきっと喜んでくれるだろうと思いました。

 こうして二人の贈り物,「金の鎖」と髪をとかす「櫛」は,それぞれ意味のないものになってしまいました。みんなは,この夫婦を「愚か者だな」「馬鹿だな」と思いますか。このお話の題名は,実は「賢者(賢い人)の贈り物」とつけられています。愚か者ではなく賢い人だというのです。このお話から教えられるのは,「かしこい」とは人の気持ちを思いやりながらよく考えたり,自分がどうしたいかではなく,どうすることが一番よいのかを考えたりすることだということです。そうすれば結果は関係ないのじゃないかということです。その証拠に実は,この二人,少しも悲しまないんです。お互いが自分のことをよーく思いやってくれたんだなあと幸せな気持ちになる位なんです。優しい気持ちをプレゼントできたから,もらったからということです。プレゼントって,モノを贈り合っているようで,本当は気持ちを贈り合っているんですね。

  さて,多くの皆はXmasにプレゼントをもらうんじゃないかな? 中にはゲーム機やゲームソフト,ネットゲーム課金用のプリペイドカードなんてものをお願いするつもりの人はいませんか。ゲームは皆の頭の中から勉強したことを吸い取ってしまうので,自分の子どものことを思いやる,お家の方はプレゼントしてくれないかも知れません。そんな時は,今日の「賢者の贈り物」の話を思い出しましょう。賢い皆なら分かると思いますが,本当に良い贈り物とは相手のことを思いやった心を込めたモノだからですね。また,プレゼントは玩具ではない場合やプレゼントその物がない家庭もあるでしょう。家庭それぞれ違うXmasだと思いますが,家族のことを思いやりながら,家族でゆっくり過ごす夜になると良いなあと願っています。

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