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2023年8月の記事一覧

にっこり 校長室だより「自立の丘」№13 令和5年8月28日発行

◆ 1学期の再スタート(本校は2学期制をとっています)
 長いと思っていた夏休みもお子さんにとってはアッと言う間に終わった感じではないでしょうか。教師も夏休み中に色々やろうかなと考えるのですが,思い通りにならない夏休みに終わってしまうことが多いようです。私などは,そんな夏休みを40回近く,小学生の頃からを加えると55回も繰り返しています。人間って進歩しないなあと感じます。もし,お子さんが充実した夏休みを送れなかったとしても悲観することはないと思います。ですから,心機一転の切り替えも大事なので,夏休み後の初日に以下のような話をしました。

“はじまりの会”の話 ~ 努力することで人は輝く ~

 昨日で長い35日間の夏休みが終わり,今日は,また授業が始まる日です。夏休みに3つのチャンスを生かすように話しましたが,どうでしたか。『学習』『挑戦』『家庭の仕事』の3つのチャンスでした。夏休みで付けた力を生かして自分をぐんと伸ばすのが,これからですから,がんばっていきましょう。

 私は今朝,学校に来る時,田んぼを見かけました。登校班で登校する人の中には歩いてくる途中に田んぼがある人もいるんじゃないかな。夏休みの間に稲がずいぶんと大きく成長したことに気づきましたか。

 春に田植えをした頃には薄い黄緑色で,あんなに小さく細かった稲が,とても濃い緑色で太くて何本もに増えて大きくなっていました。実は夏休み中に目立たないような小さな花を咲かせ実である米ができ始めているんです。これから秋に向かって稲は花だったところにたくさんのお米を実らせていきます。楽しみですね。

 でも,不思議じゃありませんか。あんなに濁った泥の中に生えていて泥の中の栄養を吸い上げているのに,真っ白で輝くような艶(つや)のある,おいしいお米が出来るのですよ。私は不思議でたまりませんでした。でも,夏休み中にあの田んぼの稲を見ているうちに思い付きました。それは人間の努力というがんばりとその人が力を伸ばした輝く姿との関係です。がんばっている姿は,人から見ているとかっこ悪く,濁った泥水のように見えるかも知れません。でも,そのかっこ悪い姿の中で努力して力を伸ばすから,光り輝くような自分になれるのではないかということです。稲の姿とこれから実るお米から,努力とがんばることの大切さを教えられたように感じました。光り輝くような活躍をする人は,実は人に見られないところで頑張っているものなんですね。出来ないことを「出来ない」というのを恥ずかしがってはいけないし,出来ないことを頑張って出来るようにしようとしている人を「かっこわるいなあ」などとバカにしてはいけません。

 今日から夏休みで止まっていた授業が始まります。1学期の始業式にみんなは自分のめあてを立てたはずです。でも,それが自分にとって良いめあてとなった人ばかりではないと思います。いつの間にか忘れてしまった人もいるかも知れません。そこで,自分の学校生活のめあてを確かめたり,見直したりして下さい。その時,1学期の終わり10月6日にどんな自分になっていることが素敵なのかを考えて,めあてを見直すことが大事です。力いっぱいに根から栄養や水を吸い上げて米を実らせていく稲に負けないよう,光り輝く沢石の子どもになるため,今日からの1学期の残り30日間をがんばり通す,めあてという頑張る心のパワーを,44人の全校生が持って欲しいと思います。

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