校長室からお届けします

2024年1月の記事一覧

にっこり 校長室だより「自立の丘」№25 令和6年1月29日発行

◆ 初の全校算数コンクール終わる!
 学校には,スポーツフェスタ,持久走やなわとび記録会などの運動面で表彰する機会があるものの,学習面で表彰する機会はあまりありませんでした。そこで,算数コンクールを創設して学習での頑張りも表彰することとしました。先週の金曜日に各学年ともA3判2枚の結構難しい問題に全校生が取り組みました。「難しいなあ」という声もあったようですが,普段出会わない問題にワクワクした子が居てくれたら良いなあと思っています。来月7日の全校集会で成績優秀者を表彰します。副賞として,特製の“沢石小学校エクセレント鉛筆”を贈呈する予定です。

◆ なぜ勉強しなければいけないの?
 「なぜ勉強しなければいけないの?」とお子さんに訊(き)かれた事はありませんか。昭和の時代なら「良い学校へ進学して給料の高い会社に就職するためだよ」で子どもは納得したかも知れませんが,ユーチューバーが子どもの就(つ)きたい職業ランキングに入る現在では難しいでしょう。また,保護者の皆様も「中学や高校の数学なんて日常生活に必要ないのに…」などと感じた事があるのではないでしょうか。実際,日常生活に困らないためであれば,小学5年生位までの学習内容で十分です。しかしながら,実は理数系教科の難しい内容は論理的に考える力を付けるために学習します。その力を使って文系教科の内容を正確に理解していくのです。今でもThe文系の私は算数・数学科で学んだ論理的思考を使って,本を読んだり文章を書いたり話したりしています。
 しかしながら,子どもに「考える力を付けるために勉強するんだよ」と言っても,よく理解できないでしょう。テレビでおなじみの齋藤 孝教授(明治大学『声に出して読みたい日本語』著者)によると,こんな風に言うと良いとの事です。「勉強って地味なことをコツコツやらなくちゃいけないでしょ。大人になると仕事でもっと地味で答えが簡単に出ないことをコツコツやらなくちゃならないんだよ。だから,その練習なのさ」と。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№24 令和6年1月18日発行

◆ 今は考える力を蓄えるとき!
 冬の寒い時期は,森の木々と同じように春に向かって生きる力を蓄えるときだと思います。子どもの生きる力は「考える力」ですので,全校集会で,こんな話をしました。

失敗に学ぶ知恵

 みんなは『イソップ童話』を知っていますか。ヨーロッパに古くから伝わるお話を集めたもので,「アリとキリギリス」とか「ウサギとカメ」とか「オオカミと少年」など,たくさんのお話がその中に入っています。その中の一つに「北風と太陽」というお話があります。

 冬のある日,広い草原の一本道を一人の旅人が歩いておりました。それを見て,北風は太陽に言いました。「あの旅人の上着をどちらが先に取り去ることが出来るか競争しよう」

 北風は力(ちから)いっぱい風を吹きつけました。しかし,旅人は寒さに震え,上着で体をギューッとくるみました。そこで,北風はもっと強く吹きつけました。しかし,旅人は身を守るように上着をさらにきつく巻きつけました。2回とも失敗です。

 今度は,雲の合間から太陽が現れました。そして,旅人を燦々(さんさん)と照らしました。旅人は体が温かくなって気持ちよくなり汗も出てきて,上着を脱ぎました。太陽は,旅人の上着を取り去ることに成功しました。

 北風は,なぜ2回も失敗をしたのに,太陽は1回で成功することが出来たのでしょうか。何となく分かりますね。北風は1回目の失敗を反省することなく同じように繰り返してしまったから2回目も失敗したのですね。それに対して太陽は北風の失敗を見て考えて,北風と違う方法で成功することが出来たのですよね。太陽には,考える力があったのです。勉強することばかりでなく,失敗したことを無駄にしないで次に活かしていくことも「学ぶ」と言います。つまり,失敗に学んでいくと,考える力が付いて「自立」つまり,何でも自分で出来るようになるのです。

 みんなが毎日やっている授業も自分の学習も同じです。間違いや失敗をして良いのです。授業や学習の中で間違うことや失敗することは恥ずかしいことではありません。それを無駄にせずに次に活かして行くことが「学ぶ」ということなのですから……。

 また,普段の生活でのことも同じです。いけないことを言ったり,やったりして,家の人や先生に叱られたことがある人もいるでしょう。誰でも言葉や行動の失敗をします。失敗したことを無駄にせず活かしていくことも「学ぶ」ことになります。

 本当に恥ずかしいのは,間違うことや失敗することではなく,学ばずに同じ間違いや失敗を繰り返してしまうことなのです。間違いや失敗を恐れずにチャレンジしてダメだったら,まず反省することが大事です。そして次に,間違いや失敗を生かして学んでいくのです。「反省できる人だけが,より良い人になれる」と言われるのは,そのためです。さらに,授業や生活で間違いや失敗をすると,それは周りの友達が「北風と太陽」の太陽のように失敗を見て学ぶことへとつながります。自分の間違いや失敗が周りの友達の学びに役立つのです。授業や学校生活が行われる教室は,そんな素晴らしい場所なのです。授業や生活での間違いや失敗は,自分だけでなく,みんなの「学ぶ」ためのチャンスです。授業や学習,そして学校生活の中でたくさんの間違いや失敗に学んで,どんどん考える力を付けて「自立」出来るようになりましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№23 令和6年1月10日発行

◆ 一年の計は元旦にあり!
 冬休みが終わり,卒業や進級に向けての学校生活が昨日,再スタートしました。能登半島地震に対して,私達ができることについて話をした後,以下のような話をしました。

はじまりの会の話

  今日は令和6年,最初の学校の日です。みんなは学年が1つ上に上がる年のスタートの日です。特に6年生は卒業をして中学校へと進学する年になりました。いよいよという感じですね。今日は1月9日ですが,昨日までに家族から「あなたの今年の計画や目標は何かな。」と訊ねられた人はいますか。実は日本には古くから『一年の計は元旦にあり』といって「その年1年間の計画は元日の朝に決めると良い」ということわざがあります。これは本当は「計画は早いうちに立てて,すぐ取り組むことが大切なんだよ」という私たちの生き方へのアドバイスなのです。

 アメリカのメジャーリーグで大人気の野球選手と言えば,大谷翔平選手ですね。去年の4月に全校集会で話しましたが,大谷選手は64個の計画を考えて,高校の3年間,部活動に取り組みました。その結果,今では,あんな大選手になったんですよね。「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てなければ,人は何もしないままに,ボーっとして過ごしてしまうのです。そうなってしまわないように,日本人は『一年の計は元旦にあり』ということわざで注意をするように言い伝えてきました。小さな計画をたくさんやり遂げると,関係ないようでも,いつか大きな夢をかなえることに必ずつながります。

 学校での2学期のめあてとは別に「これからやってみよう」とか「続けてみよう」ということを決めて家族に話しましょう。土曜日や日曜日に家で掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。そうすれば,きっと家族はみんなを応援してくれるし,何よりも怠けそうになる自分を自分の心が励ましてくれるようになります。まだ1月ですから間に合います。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った計画を立てることを期待しています。

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