2024年9月の記事一覧
校長室だより「自立の丘」№42 令和6年9月24日発行
◆ 男女混合4×100mリレー初制覇
以前は市町村ごとに行われていた「陸上競技大会」が,田村地区3市町の6年生が一堂に会して実施されるようになって5回目を迎えました。今年は,田村地区内に川内小中学園を含めて15校から462名が田村市陸上競技場に集い,9月20日に開催されました。
陸上競技は基本的に個人競技です。7名の6年生はとても頑張り,大人数の他校に臆することなく,銀メダルや入賞を獲得するなど,大活躍でした。特に唯一の団体種目である男女混合4×100mリレーは初めての優勝を獲得しました。リレーはチームワークが大切で,オリンピックチームでもバトンパスの失敗をしてしまう位の難しさです。沢石小チームはレースを常に支配して貫禄の1位という様子でした。小さな学校の大きな力を田村地区内に示してくれました。
でも,最もうれしかったことは,7名全員の「一生懸命さ」が常に見られたことです。今話題の大谷翔平選手が少年野球の監督である父親から励まされたことの一つが「一生懸命走る」とのことです。この「一生懸命さ」が子どもたちの未来を開くことにつながるだろうと幸せな気持ちになった陸上競技大会でした。
◆ 最後の鼓笛隊にぜひ地域の方も…
昭和41年(1966年)に鼓笛隊の楽器を購入して始まったと思われる沢石小鼓笛隊の最後の演奏が,10月26日(土)のスポーツ・フェスタ(運動会)で行われます。例年は開会式前に演奏していましたが,今年は最後なので多くの地域の方にも聴いていただきたく,来場しやすい10時頃に特別種目として全校生36名で演奏します。ご来場の上,大きな拍手を賜れば幸甚に存じます。 |
校長室だより「自立の丘」№41 令和6年9月12日発行
◆ 読書のススメ ~読書は頭と心の栄養~
本を読むと,とても素敵な効果がもたらされます。読書に適した秋を迎えるので,全校集会で次のように話をしました。
私の友達のY君の話をします。Y君は山あいの小さな町に生まれました。小学校も1学年1クラスの小さな学校でした。その学校の図書室も沢石小学校と同じ位の広さです。沢石小の図書室には,物語が約2,000冊位ありますが,当時の図書室には物語が多かったので,Y君の学校の図書室には3,000冊位は有ったことでしょう。 Y君が3年生になった4月,お母さんから「たくさん本を読むと立派な大人になれるよ」と言われていたことを思い出し,自分だけのこんなめあてを立てたそうです。「卒業までに図書室の物語を全部読もう」と。そして,図書室で放課後に本を読んだり,借りていって家で読んだりしてとうとう卒業までの4年間に全部読んでしまったそうです。4年間で3,000冊,1年間では750冊読んだことになりますから,毎日2冊位ずつ読み続けたことになりますね。私は驚きました。すごいなあと感心しました。 Y君は,その後,郡山市の一番有名で成績が良くないと入れない高等学校に進み,大学を卒業して先生になりました。今は,ある学校の校長先生になっています。そのY校長先生は言っていました。「本をたくさん読むようになってから勉強も分かるようになったんだよ」と。確かにY先生はとても物知りで話をしていると,とてもためになる話が多いです。でもそれよりも私が感じるのは,Y先生の優しさや思いやりのある人柄です。それに惹かれて多くの友達や仲間がいます。私もY先生が大好きで,いつも会って話したくなります。本には登場人物の心の中の事も出てきますから,きっと本を読むことで,知らず知らずに優しさや思いやりも学んだんじゃないのかなと思います。つまり,本を読むことは勉強が分かることにも,思いやりのある人になることにも,つながっていくんだと思います。 読書は「勉強が分かりやすく」もなる,「人にやさしくできるようになって友達が増える」という,頭と心の栄養みたいなものなのです。みんなも学校での読みかけの本「マイブック」を常に近くに置き,月曜日と金曜日には,学校で朝読み,家では本をたくさん借りて夕読みをしましょう。1・2年生が音読をすることも夕読みの1つです。教科書以外を音読しても良いのですよ。学校が休みの日は昼間に本を読む昼読みをしましょう。ゲームをするのは時間がもったいないです。大学の研究によると,テレビやゲームは,みんなの頭や心の栄養を吸い取ってしまうそうです。だから,せっかく本を読んでも,テレビやゲームをすると頭や心が空っぽになってしまいます。テレビやゲームをすることをやめて,本を読むことで頭と心を成長させ,みんなが立派で魅力的な大人に成長して欲しいと願っています。 |
校長室だより「自立の丘」№40 令和6年9月6日発行
◆ 芸術の秋第1弾 “狂言”公演
文化庁主催「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業」による,大蔵流「狂言」公演が昨日,本校体育館で行われました。中郷・中妻・御木沢小の高学年児童もいっしょに鑑賞しました。また,数名の保護者や地域住民の方にも鑑賞いただきました。
大蔵基誠(もとなり)氏が率いる4名の能楽師狂言方による,狂言の定番「附子(ぶす)」と「柿山伏」(小6国語の教科書に掲載)が体育館のステージに作られた能舞台上で上演されました。少し難しい言葉遣いであるにもかかわらず,子どもたちは前もって説明を受けたように言い方や所作によって何となく面白さを理解していました。ほほ笑んだり,少し笑いながら楽しく古典芸能の世界を堪能していたようです。
後半は,子どもたちの狂言体験教室でした。「菌(くさびら)」という演目の中で,庭に突然生えてくる,たくさんのキノコ役を13名の子が体験しました。正しい座り方や立ち上がり方,お辞儀の仕方も教えていただきました。子どもたちの鑑賞態度も褒めていただき,大変楽しいひとときとなりました。
◆ 理科自由研究は学ぶ力を高める
2002年に京都市立堀川高校で起きた『堀川の奇跡』という出来事をご存じでしょうか。堀川高校で「探究科」という教科を新しく設置したところ,すぐに国公立大学現役合格者数が前年の6名から106名に急増したという出来事です。以来20年以上,毎年30人以上を京都大学に現役合格させ続けていますので,間違いなく「探究科」での学習が生徒の学力を引き上げていると言えるのではないでしょうか。探究科は,夏休みの理科自由研究と同じように自分でテーマを決めて1年間をかけて自主的に調査研究を進めていく教科です。自分から進んで学び続ける気持ちが重要なのです。
小学校の理科自由研究は「進んで学び続ける気持ち」の素地を身に付けるのに相応(ふさわ)しいと考えて,子どもたちに奨励しました。その結果,子どもたちは期待以上の頑張りを見せてくれました。全校児童の7割にも及ぶ25名が自由研究に取り組んでくれたのです。これは驚くべきことで,私にとっても初めてのことです。自由研究は,保護者の皆様のご協力が不可欠の学習だと承知しております。子どもたちを誇りに思うと共に,皆様に深く感謝申し上げます。将来の研究者も期待しています。