校長室からお届けします

2024年10月の記事一覧

にっこり 校長室だより「自立の丘」№44 令和6年10月18日発行

◆ 再スタートは大チャンス  ~ 期分けの式の話 ~
 人は誰でも物事に慣れてくるとスムーズにできるようになる反面,やる気が少なくなるものです。2学期の始まりをきっかけに,もう一度,学年スタートの頃の気持ちを思い出させたいです。

 みんなは,4月に入学したり新しい学年になったりして,やる気満々でスタートしましたよね。でも,だんだん疲れてきたり,同じことを繰り返したりして,やる気や元気が足りなくなっている人はいませんか。こういうことは,スポーツの世界でもよくあって,シ-ズンの後ろ半分の時期になると,活躍が少なくなる選手が多いんです。でも,最近,最後まで大活躍をして,すごい記録を残している野球選手がいますね。そう,アメリカ合衆国メジャー・リーグの大谷翔平選手です。
 大谷選手が他の選手と違うところの一つに,睡眠時間の多さがあるそうです。何と,毎日10時間くらい眠っているのだそうです。だから,毎日の試合の疲れを次の日に残さずに最後まで活躍できるのだなあと分かりました。
 睡眠は,身体の疲れを取って,病気にならないようにする,たった一つの方法です。私も「ちょっと疲れたなあ」と思ったときがあっても睡眠時間7時間のそれまでの生活を続けていて病気になっちゃたことがありました。でも,治った後に,ちょっと疲れたなとか,調子悪いなとか感じたときに午後9時に寝て10時間くらい眠るようにしたら,次の日には元気になっていて,病気になることも殆どなくなりました。また,病気の時に薬を飲むと思いますが,たくさん眠らないと薬がなかなか効かないんです。
 さらに,睡眠は私たちの脳にとっても大切な役目を果たしています。私たちの脳は,心臓と同じで毎日24時間働き続けています。心臓は一生動き続けることができるのですが,脳は,その人が10日間くらい眠らないと限界を迎えて働くことができなくなり,意識を失ってしまうそうです。ですから,脳を休憩させるためにも充分に眠ることが大切なんです。10時間くらい眠っている大谷選手の脳はしっかり休憩しているので,次の日の試合の時に,考える力も集中力もフルパワーなのかも知れませんね。
 来週からの残り半分の学校生活を何となく過ごさないで,身体も心も元気で頑張るために,自分の眠る時間を見直しましょう。早めに眠るように変えると,きっと良いことがあると思いますよ。また,やる気や元気が出てくると,なりたい自分に少しでも近づくために自分の何かを変えようとして,新しい一歩を踏み出そうとする気持ちが生まれるものです。沢石小36名全員の素敵な残り半分の学校生活になることを期待してます。
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にっこり 校長室だより「自立の丘」№43 令和6年10月10日発行

◆ もうすぐスポーツ・フェスタ
 健康な身体をつくると共に運動に親しもうとする気持ちを高めるために行うスポーツ・フェスタですが,友達との絆を深めて欲しいと願い,子ども達に次のような話をしました。

 今から5年前に私の従兄の息子さんS君が結婚式を挙げました。とても心温まる結婚披露宴が行われ,私も参加していました。披露宴の最後にお婿さんS君のお父さんである,私の従兄がお礼の言葉を話し始めました。その中に,こんな話がありました。

 息子のSは小学校の時から,ずっと大きくなるまで賞状をもらうような「賞」という物を何ももらったことがない子どもでした。小学校の運動会でもそうで,足が遅くて3等賞までに一度も入ったことがありませんでした。でも一度だけ大チャンスがあったんです。  

 小学校最後の6年生の運動会のことでした。その時は個人競走が障害物競走で,跳び箱を越えたり,大きなネットをくぐったり,平均台を渡ったりする種目でした。息子のSの順番がやってきました。スタートすると,やっぱり一番最後を走って行きます。ところが,前を走っていた多くの子ども達がネットをくぐる時に引っかかってしまい,引っかかった子によって出来たネットの隙間をSがスッと抜けて,あっという間に2位になりました。後は前を行く1位の子だけです。生まれて初めての賞かも知れない。私たち家族は大声で応援しました。1位の子が最後の平均台を渡り始めました。ところが渡り終えるところで何と転んでしまったのです。すぐには起きられないようでした。もう一本の平均台を渡り終えたSが1位になりました。もうあと少し走ればゴールです。家族が『やったぞ。生まれて初めての1等賞だ』と思った瞬間,Sは何を思ったか,くるっと後ろを向くと転んだ子の所へ戻り,起こしてあげているではありませんか。その間にみんなゴールしたので,結局転んだ子と二人で一番最後に仲良くゴールしました。

 息子のSは賞を獲れませんでしたが,私たち家族は1等賞目前で友達の所へ戻った息子から1等賞をもらったような気持ちになりました。優しい息子を誇りに思えたからです。今日の素敵なお嫁さんとの結婚式は,それ以来2回目の1等賞をもらったような気持ちです。

 この話を初めて聞いた隣のお嫁さんは感激して,涙を流しながら聞いていました。優しい人は優しい人と惹かれ合って結婚するんだなあと思いました。

 スポーツ・フェスタは,その練習の中や当日のスポーツ・フェスタで,体を鍛えて健康になるばかりでなく,友達と協力しながら,いろいろやり遂げていく途中で友達と絆を結び「つながり合う」ことに,ぴったりの行事です。6年生は最後の,1年生は初めてのスポーツ・フェスタで健康な「身体をつくり」,そして友達と固く「つながり合う」ことを目指して頑張りましょう。そして,勝ち負けだけでなく,友達の素敵だなとか頑張ってるなとか,そんな姿が見えたときには,大きな声で応援をして下さい。

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