校長室からお届けします

校長室だより「自立の丘」

にっこり 校長室だより「自立の丘」№29 令和6年3月7日発行

◆ 素敵なフレンドお別れ会
 沢石小は全校生で6つのたてわり班「フレンドグループ」(1班7~8名)を編制して様々な活動を行なっています。活動の中で,上級生が下級生の面倒を見たり,下級生が上級生を見習ったりする姿が見られるので,“フレンド(友達)”というより,私には“きょうだい”のように感じられる程です。
 昨日の3校時は「フレンドお別れ会」でした。以前の「6年生を送る会」にあたります。フレンド班対抗のゲームや全校生でのクイズを楽しんだ後,フレンド班の下級生から6年生へのプレゼントがありました。心のこもったブック型のメッセージ集です。ちょっと見せてもらうと,実に丁寧な文字で書かれたメッセージが写真などと共に貼り付けてありました。6年生は,お返しに一人一人に手紙のプレゼントを渡していました。全校生が大事そうに互いのプレゼントを持つ姿に,今年1年間のフレンド活動の成果を見る思いでした。
 最後には,現代っ子らしく,下級生がYOASOBI(よあそび)の『ハルカ』,6年生が卒業式に歌う『僕ら また』(ソギョン)を贈り合って,楽しいひとときを閉じました。


◆ アート&クラシック
 先週末に三春交流館「まほらホール」で行なわれた,石田智子さん(福聚寺)のファイバーアートとコラボレーションした“プリマベーラ コンサート”(プリマベーラとはイタリア語で「春」の意味)に行ってきました。日本フィルハーモニー交響楽団に所属する3人によるフルート,ヴァイオリン,チェロでの演奏でしたが,名曲から馴染みの楽曲までの20曲余りで2時間を超える素晴らしいコンサートでした。ステージの背景にはファイバーアート(紙縒り等を素材とした芸術)があり,そのシルエットが独特の雰囲気を醸し出していました。
 演奏家の一人,チェロの山田智樹さんは三春中出身とのことで,それも嬉しいことでしたが,私は入場整理券を手に入れる際に感心したことがありました。コンサートを知ったのが直前だったので,12月配付の整理券は無くなっているだろうと思っていました。しかし,都合が付かなくなった方々が返却されたので,私は入場することが出来ました。無料である整理券を聴きたい方のために返却する町民の方の思いやりに感動すら覚えました。子ども達を素敵な三春町民に成長させたいと決意を新たに出来たコンサートでもありました。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№28 令和6年2月29日発行

◆ 鼓笛隊移杖式
 昨日の5校時開始前の昼休み後半に卒業してゆく6年生から5年生に鼓笛隊の指揮杖(じよう)(指揮者の棒)をバトンタッチする儀式を行ないました。11月末に新しいパートの希望調査,12月にオーディション,12月11日から10時の遊び時間や昼休みを削って2ヶ月以上練習を積み重ねてきました。
 最初に6年生と演奏に必須の楽器を加えた鼓笛演奏が行なわれました。スポーツフェスタから4ヶ月以上のブランクがありながらも,さすが素晴らしい演奏でした。その後は,いよいよ新鼓笛隊です。6年生には及ばないものの,真剣に演奏する姿は感動的な光景でした。遊ぶ時間を削って練習してきた成果は,どの曲にも表れていました。来年度の鼓笛隊活動が楽しみになるほど頼もしい姿でした。

◆ 鼓笛隊活動は令和6年度で終了
 10年前くらいから多くの学校では,鼓笛隊活動が行なわれなくなっています。それは,
以下のような問題点があったからです。
 ① 短い演奏発表のために膨大な練習時間(先生達にとっては指導時間)を要した。
 ② 正規の教育活動ではないのに,授業をつぶしたり,子どもたちの遊び時間を
   削ったり,先生達の休憩時間を奪ったりしていた。(「遊び時間」は小学生の心の
   発達に極めて重要な時間と言われています。)
 ③ 自分が本当にやりたい鼓笛パートを担うことができなかったり,オーディションの
   結果を受け入れられない子どもや保護者の方がいた。
 ④ 学年に相応(ふさわ)しい楽曲よりも難しい楽曲練習のために音楽自体を嫌いになって
   しまう子どもがいた。
 本校でも,鼓笛隊活動について昨年5月から鼓笛隊活動の終了について話し合いを重ねてきました。その結果,先週に全教職員の合意が形成され,令和6年度のスポーツフェスタ(10月26日・土)での演奏を最後に鼓笛隊活動を終了することにしました。子どもたちには昨日の移杖式終了時に話をいたしました。10月26日は是非,大きな拍手をしてあげてほしいと思っています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№27 令和6年2月8日発行

◆ 人には叱ってくれる誰かが欲しいもの
 人は誰でも弱い面を持っています。だから,叱ってくれる誰かが近くにいると正しく成長できます。その誰かが「もう一人の自分」だったら,こんなに頼もしい事はありませんよね。映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が話題のようですが,鬼太郎の父“目玉親父”とは少し違う「目玉おやじ」の話を全校集会で子どもたちにしました。

目玉おやじは何時(いつ)も見ている

 みんなは,今,自分の中にもう一人の自分がいることを知っていますか。「自分」には,何かを「する自分」と,それを「見ている自分」がいるんです。こんな絵(下図)のようにです。この「目玉おやじ」みたいな「見ている自分」は,自分のやることをすべて見ているのです。ゲゲゲの鬼太郎の目玉親父も実は鬼太郎のお父さん妖怪で,死んじゃったのだけれども息子の鬼太郎のことが心配で仕方ないので,見守るために目玉の姿で鬼太郎と一緒にいるのだそうです。

 みんなの中にいる「目玉おやじ」は,「おまえ,あの時,ずるいことしたよな。」とか,「おまえ,あの時,全力じゃなかったよな。楽をしたよな。」とか,「おまえ,あの時,悪いことだと分かっていたのに,他の人に付き合ってやっちゃったよな。」などと見ているのです。他の人には分からなくても,いつも厳しい目,正しい目で見ているのです。絶対ごまかせないんです。それが自分の中にいる「目玉おやじ」なのです。

 誰でもズルいことやサボったことはあるでしょう。それで「しめしめ,誰にも気づかれずにうまくいった!」と思ったことがあったかも知れないですね。でも,それを知っていて,覚えている人がいるんです。それが,もう一人の自分「目玉おやじ」です。その証拠に,ほら,今だって,みんなは,そのズルいことを自分では覚えているでしょ。

 もちろん「目玉おやじ」が覚えているのは悪いことばかりじゃないんです。自分が頑張ったことや出来なかったけれど努力したことを見ていてくれます。自分の「目玉おやじ」に「うん,おまえもなかなか良くやっているなあ」と認めてもらえます。これが大切なことで,それを「自信がついた」と言うんです。「目玉おやじ」に認めてもらえれば,「目玉おやじ」は自分自身に大きな力を与えてくれます。でも,ズルいことや楽なことだけをして,うまくやろうなんてすると,大きな力で,そのじゃまをするものです。「おまえなんか失敗してしまえ。だって,あんなにズルかったり,サボったりしたじゃないか。」ってね。つまり,目玉おやじは何時(いつ)も見ているんです。

 みんなは,自分の目玉おやじに,認めて,ほめてもらえるような生活を送っていきましょう。人に気づいてもらえなくても,人からほめられなくても,「目玉おやじ」だけは知っていてくれて,大きな力を与えてくれます。自分の力で自分から頑張ることで光り輝くステキなみんなになってほしいと思っています。そんな生き方をするみんなを,私も先生方も何時(いつ)でも,そして何時(いつ)までも応援しています。

 ※ この話は社会教育家 平 光雄氏の「テレビ寺子屋」での講話を基に作成したものです。

 

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№26 令和6年2月5日発行

◆ 漢字のオススメ勉強法
 先週木曜日に沢石小学校完全漢字検定(3月1日実施)のお知らせをしました。漢字に苦手意識を持つ子どもほど,漢字の勉強をおろそかにしがちです。でもそれは自分に合った覚え方や練習方法ができていないから。漢字は何回も紙に書いて練習するものだという「思い込み」を持っている人が多いですが,漢字を覚えるためにひたすら紙に何回も書いて練習するのは「ウサギ跳び」トレーニングのようなもので,あまりオススメできない勉強法です。以下は現在オススメの勉強法です。
1. 声に出しながら書く
 漢字は読み方から覚えるのがコツ。読み方を覚えてから書く練習をすると,効率よく覚えることができます。さらに,家で学習する際には漢字の読みを声に出しながら書くのもよいでしょう。特に,聴覚からの情報に強い子どもにおすすめです。また,漢字自体の意味や成り立ちを知り,イメージしたり言葉で表したりすることでも覚えやすくなります。上学年は,すでに習っている漢字の組み合わせで語呂合わせをしたり,部首の意味を学んだりするのもおすすめ。「木の上に立って見るのが親」「糸に従うのは縦」「石で皮を破る」など,イメージしやすい覚え方を探し,声に出しながら書いてみましょう。聴覚より視覚からの情報が入りやすい子どもには,見た目で記憶していく方法がおすすめ。たとえば,漢字を輪郭で覚えるという方法。山という漢字なら,山の絵と合わせて覚えるというように,形で記憶するということです。声に出すよりも,こちらの方が得意な子どももいますから,いろいろ試してみてください。
2.へんやつくりを色分けしてみる
 漢字を分解してへんやつくりを色分けする方法もあります。きへんは緑,さんずいは青というように分けて書いてみると,意外とすんなり覚えられることも。回数をこなすのではなく,
一回一回を丁寧に行うことがコツです。
3.意味を考えながら覚える
 漢字の成り立ち,使い方,形や意味が似ている文字など,覚えたい漢字について膨らませていく方法もあります。意味を考えながら覚えれば,単なる作業ではなくなり,楽しみながら学習できるでしょう。好きなマンガ,テレビ,遊びなど,子どもが興味のあることに絡(から)めてあげるのも良い方法です。楽しいことであれば自然と頭に入ってくるはず。生活や遊びなどいろんなことにつなげてみてください。
4.自分でテストを作って解いてみる(今回の完全漢字検定は,この方法を手助けしました)
 漢字を覚えるために,家庭でテストを行うのもおすすめ。このとき,自分でテストを作るのがポイントです。保護者の方が用意するのではなく,子どもが自分で作って自分で解くようにします。いらない紙に文章や単語をひらがなで書き,その横に漢字を書いていくだけで立派なテストになります。自分でテストを作れば,文章や熟語を考える作業ができ,漢字の意味を覚えられます。解くときは,漢字を覚えているかの確認ができます。答え合わせまで自分で行い,わからなかった漢字を集中して復習すれば,効率良く学習を進められます。
5.たくさん書くことにこだわらない
 一つの漢字を繰り返し書いているだけでは単なる作業になってしまい,覚えることにはつながりにくいです。子どもがよくやりがちな1画目を10個,2画目を10個……というような書き方では,覚えるまでにさらに時間がかかってしまいます。書く回数が多ければ覚えられるわけではありません。少ない回数で無理なく覚えるのが効率の良い方法です。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№25 令和6年1月29日発行

◆ 初の全校算数コンクール終わる!
 学校には,スポーツフェスタ,持久走やなわとび記録会などの運動面で表彰する機会があるものの,学習面で表彰する機会はあまりありませんでした。そこで,算数コンクールを創設して学習での頑張りも表彰することとしました。先週の金曜日に各学年ともA3判2枚の結構難しい問題に全校生が取り組みました。「難しいなあ」という声もあったようですが,普段出会わない問題にワクワクした子が居てくれたら良いなあと思っています。来月7日の全校集会で成績優秀者を表彰します。副賞として,特製の“沢石小学校エクセレント鉛筆”を贈呈する予定です。

◆ なぜ勉強しなければいけないの?
 「なぜ勉強しなければいけないの?」とお子さんに訊(き)かれた事はありませんか。昭和の時代なら「良い学校へ進学して給料の高い会社に就職するためだよ」で子どもは納得したかも知れませんが,ユーチューバーが子どもの就(つ)きたい職業ランキングに入る現在では難しいでしょう。また,保護者の皆様も「中学や高校の数学なんて日常生活に必要ないのに…」などと感じた事があるのではないでしょうか。実際,日常生活に困らないためであれば,小学5年生位までの学習内容で十分です。しかしながら,実は理数系教科の難しい内容は論理的に考える力を付けるために学習します。その力を使って文系教科の内容を正確に理解していくのです。今でもThe文系の私は算数・数学科で学んだ論理的思考を使って,本を読んだり文章を書いたり話したりしています。
 しかしながら,子どもに「考える力を付けるために勉強するんだよ」と言っても,よく理解できないでしょう。テレビでおなじみの齋藤 孝教授(明治大学『声に出して読みたい日本語』著者)によると,こんな風に言うと良いとの事です。「勉強って地味なことをコツコツやらなくちゃいけないでしょ。大人になると仕事でもっと地味で答えが簡単に出ないことをコツコツやらなくちゃならないんだよ。だから,その練習なのさ」と。

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