校長室からお届けします

校長室だより「自立の丘」

にっこり 校長室だより「自立の丘」№33 令和6年4月25日発行

◆ 夢や目標を実現するためには・・・
 夢や目標を持つことができても,考えてばかりいては虚(むな)しい空想に終わってしまいます。まずは,行動することが大事だと思い,全校集会で次のような話をしました。

 アメリカのメジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手は,『メジャーリーグで優勝して世界一になる』という自分の大きな夢を叶えるために早くからいくつかの目標を決めて実際に頑張ってきたそうです。

 まずは,高校1年生の時,「日本の立派なプロ野球のピッチャーになる」という大きな目標を立て,そのために必要な小さな目標を8つ立てました。その8目標毎に8つの計画を立てました。そして,合計64個の計画を考えて3年間取り組みました。もちろん,ピッチャーとしての実力を付けるための計画がほとんどですが,中には「それってプロ野球選手になることに関係あるの?」という計画があります。例えば,「あいさつをする」,「本を読む」,「モノを大切にする」なんてものまであります。そして,最近はたくさんのお金を信頼していた人に盗まれるということがありました。それでも,何事もなかったように活躍していることがすごいと思いませんか。調べて見ると,64個の計画の中に「ピンチに強い人になる」というものがありました。思うとそんな風になれるのだなと感心しますし,勇気を貰ったように感じました。

 夢を叶えたり,目標を達成したりするためには,「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てることが大事なんです。計画を立てなければ,どんな人でも,何もしないまま,ボーっとして過ごしてしまいがちです。学校にも目標があります。沢石小学校では,みんなが卒業までに「何でもよく分かり,どんなことでも独りで出来る子ども」になること,『自立』を最高の目標として,3つの目標を決めています。「自ら学び続ける子ども」(知育)「自らつながり合う子ども」(徳育)「自ら身体をつくる子ども」(体育)です。学習だけでなく,学校や家庭でのいろいろなことが『自立』できることにつながっていきます。

 「これからやってみよう」とか「続けてみよう」ということを多く決めて実行しましょう。学校での計画に加えて,家庭での計画,例えば土曜日や日曜日に食事の後片付けを手伝おうでも良いし,トイレを掃除しても良いし,1日30分間,本を読むでも良いです。そうすれば,自分の夢や目標にちょっと関係ないことかなと思っても,大谷選手のように,ちゃんと関係してくるかも知れません。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った多くの計画を立て,続けることを期待しています。続けることは大切で,しかも難しいことなのです。でも,まずは一歩目を踏み出しましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№32 令和6年4月15日発行

◆ 満開の滝桜に会える幸せ
 滝桜見学は2年目にして,絶好のタイミングとなりました。先週の金曜日,全校生36名は,満開の見頃を迎えた滝桜に会うことができました。花曇りの天気とはいえ,風がなかったので,充分に滝桜の慈愛に満ちた圧倒的な存在感を満喫することが出来たようです。
 開花期間だけで十数万人の見物客を集める一本桜は他には無いでしょう。そのため,車の渋滞が発生するので,かえって町民の方は,見頃の観桜ができないと耳にします。校歌の1番に「仲良く開く桜(の花)のように 心がそろう」とあります。今回,満開の滝桜を間近に見ることができた36名の全校生には,樹齢1000年を超える滝桜の花が咲きそろう姿を永く覚えていてほしいと思います。
◆ 登校することは当たり前?
 今年度は,学校が月曜日に始まったので,学校の第1週めは5日間でした。滝桜見学があったからかも知れませんが,その5日間は全校生全員が休まずに登校できました。これは当たり前ではなく,素晴らしいことです。実は,令和5年度に全員が休まず登校できたのは,授業日205日のうち38日,連続全員出席の最長は3日間で1回だけでした。インフルエンザが流行した昨年12月は1日も無かったほどです。ですから,全ての教室に全員が揃った1週間は,うれしい限りなのです。週明けの今日は月曜日です。大人でも仕事に出かけるのが辛い時もあるように,「登校」というハードルは高いものです。子どもたちも疲れが出たのか,5人が欠席でした。
 子どもの誰もが当たり前に登校するわけではないと思います。かぜ等を引いていなくても,気持ちを奮い立たせて,登校している子もいるでしょう。身体が元気なだけでなく,心も元気でないと登校できないものです。そこで,沢石小では「子どもたち同士が協力して問題を解決する授業」を『楽しい授業』と捉え,それによって,自分も友達も学校も大好きになるようにしたいと考えています。子どもの心が元気になるような『楽しい授業』を目指して,先生達は工夫を重ねています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№31 令和6年4月10日発行

◆ 滝桜の開花と共にスタートしました
 沢石小学校の新しい年度が,ちょうど三春滝桜の開花と共に始まりました。どの学年の子ども達も,進級したことによる「やる気」に満ちている様子が校長室にまで伝わってきて嬉(うれ)しい限りです。一方,最近では自己肯定感と言って,「自分自身を好きだ」という感情が少ない子どもがいると問題になっています。一昨日の始業式で,次のような話をしました。

1学期始業式の話

 先生達は,みんなに次の三つを大好きになってほしいと思っています。

 一つ目は,「自分 大好き」です。皆さんは自分のことが好きですか。「もっと速く走れたらいいのに…」とか「もっと勉強ができたらいいのに…」といったように,苦手なことや失敗をすると,自分のことが嫌になってしまうかも知れません。苦手なこと,出来ないことがあることも含めて自分を好きになってください。自分のことが大好きになると,色々な事に挑戦してみようと気持ちが前向きになってきます。そして,自分自身を大切にしようと思うようになります。

 二つ目は,「友達 大好き」です。自分を大切にできる人は,友達のことも大切にするようになります。時にはケンカをすることもあるでしょうが,友達を大切にすることで,自分が困ったときに助けてもらったり,反対に自分が友達のことを助けてあげたり出来ます。得意,不得意は人によって様々ですが,そうやってお互いがお互いを認め,支え合うことで,独りでは難しいことにも沢山挑戦できるようになります。

 最後の三つ目は,「学校,沢石地区 大好き」です。学校やこの沢石地区のことを大好きになってください。学校のことが好きになると,心も身体も伸び伸びと元気になります。みんなが,いつも元気に楽しく,安心して学校に来られるように,先生達だけでなく地域の方々も見守ってくれています。皆さんは地域の方々に守られ,育てられています。そんな学校や沢石地区のことをどんどん好きになってほしいと思います。

 たくさんの「大好き」で,一人一人が新しい一年を楽しく元気に過ごし,素敵な大人に向かって成長していってほしいと思います。一緒に頑張りましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№30 令和6年3月14日発行

◆ 3.11を契機にして“命”について考える
 今週月曜日は,東日本大震災から13回目の3月11日でした。小学生全員が震災後生まれとなった今,能登半島地震に思いを致しながら,命の大切さについて考えてほしいと思い全校集会で話をしました。

奇跡の命 ~ 命のバトン ~

  一昨日の3月11日で東日本大震災から13年経ちました。とても大きな地震があって,岩手県,宮城県,そして福島県で2万人以上といいますから,三春町の人ぜんぶより多い人が,海の水が押し寄せる津波で溺れて亡くなりました。今年の1月1日には能登半島で大きな地震があり,240人以上の人が崩れた建物の下敷きになって押しつぶされて亡くなりました。その中には,小学生や中学生の子どももいました。今日は,命についての話をしたいと思います。

 みんなは,誰でもお父さんとお母さんとの間に生まれました。そして,お父さんは,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれ,お母さんも,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれました。だから,一人の子どもである,みんなは,4人のおじいちゃんやおばあちゃんが居てくれたので,今,ここに居ることになりますよね。

 もう少し,昔まで考えてみます。曾おじいちゃんや曾おばあちゃんまで考えると,みんなには,それぞれ4人のおじいちゃん,おばあちゃんの2倍の8人の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんがいるわけです。1代前のお父さんとお母さんが2人,2代前のおじいちゃんとおばあちゃんが4人,3代前の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんが8人なんだね。その上,4代前になると,もうそれはご先祖様と言えますね。もう分かってますね。そう16人です。みんな一人一人は,4代前のご先祖様16人全員が自分たちの子どもが生まれるまで元気で生きていないと,みんなは今,沢石小に居ないんです。実は,4代前のご先祖様16人の頃は,日本に大きな戦争があった昭和の時代で,300万人と言いますから,当時の日本国民の30人に1人以上の兵隊さんや普通の人々が死んでしまったのです。そんな厳しい時代を生き抜いたご先祖様の命を引き継いでいるのが,みんなです。命のバトンを奇跡的に引き継いでいるリレーみたいです。

 その厳しい戦争の前の大正時代と言われる5代前になると32人のご先祖様になりますが,まだずっと続いています。ずっとずっと昔になって,20代前になると,一人のあなたのご先祖様は何人になると思いますか。何と1,048,756人(百四万八千七百五十六人)になるんです。すごい人数ですよね。その中のたった一人でも居なかったら,あなたは,ここに居ないんです。20代前というのは戦国時代と言って,日本中のお侍が刀や槍,火縄銃などで戦争をしていた時代です。その時代を生き抜いた,ご先祖様の命をみんなは受け継いでいるんです。奇跡的なことですよね。

 そんな“奇跡の命”を持っている,みんなは,どうしなくちゃいけないと思いますか。大切に大切にしなくちゃならないのです。自分の命も他の人の命もです。自分の命を大切にするっていうのは,事故に遭わないように生活すること,他の人の命を大切にするっていうのは,いじめをしたりせずに思いやりを持って優しくすることだと思います。お互いの命を大切にして,みんなも大人になったら,奇跡の命をバトンのように未来に渡していってほしいと願っています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№29 令和6年3月7日発行

◆ 素敵なフレンドお別れ会
 沢石小は全校生で6つのたてわり班「フレンドグループ」(1班7~8名)を編制して様々な活動を行なっています。活動の中で,上級生が下級生の面倒を見たり,下級生が上級生を見習ったりする姿が見られるので,“フレンド(友達)”というより,私には“きょうだい”のように感じられる程です。
 昨日の3校時は「フレンドお別れ会」でした。以前の「6年生を送る会」にあたります。フレンド班対抗のゲームや全校生でのクイズを楽しんだ後,フレンド班の下級生から6年生へのプレゼントがありました。心のこもったブック型のメッセージ集です。ちょっと見せてもらうと,実に丁寧な文字で書かれたメッセージが写真などと共に貼り付けてありました。6年生は,お返しに一人一人に手紙のプレゼントを渡していました。全校生が大事そうに互いのプレゼントを持つ姿に,今年1年間のフレンド活動の成果を見る思いでした。
 最後には,現代っ子らしく,下級生がYOASOBI(よあそび)の『ハルカ』,6年生が卒業式に歌う『僕ら また』(ソギョン)を贈り合って,楽しいひとときを閉じました。


◆ アート&クラシック
 先週末に三春交流館「まほらホール」で行なわれた,石田智子さん(福聚寺)のファイバーアートとコラボレーションした“プリマベーラ コンサート”(プリマベーラとはイタリア語で「春」の意味)に行ってきました。日本フィルハーモニー交響楽団に所属する3人によるフルート,ヴァイオリン,チェロでの演奏でしたが,名曲から馴染みの楽曲までの20曲余りで2時間を超える素晴らしいコンサートでした。ステージの背景にはファイバーアート(紙縒り等を素材とした芸術)があり,そのシルエットが独特の雰囲気を醸し出していました。
 演奏家の一人,チェロの山田智樹さんは三春中出身とのことで,それも嬉しいことでしたが,私は入場整理券を手に入れる際に感心したことがありました。コンサートを知ったのが直前だったので,12月配付の整理券は無くなっているだろうと思っていました。しかし,都合が付かなくなった方々が返却されたので,私は入場することが出来ました。無料である整理券を聴きたい方のために返却する町民の方の思いやりに感動すら覚えました。子ども達を素敵な三春町民に成長させたいと決意を新たに出来たコンサートでもありました。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№28 令和6年2月29日発行

◆ 鼓笛隊移杖式
 昨日の5校時開始前の昼休み後半に卒業してゆく6年生から5年生に鼓笛隊の指揮杖(じよう)(指揮者の棒)をバトンタッチする儀式を行ないました。11月末に新しいパートの希望調査,12月にオーディション,12月11日から10時の遊び時間や昼休みを削って2ヶ月以上練習を積み重ねてきました。
 最初に6年生と演奏に必須の楽器を加えた鼓笛演奏が行なわれました。スポーツフェスタから4ヶ月以上のブランクがありながらも,さすが素晴らしい演奏でした。その後は,いよいよ新鼓笛隊です。6年生には及ばないものの,真剣に演奏する姿は感動的な光景でした。遊ぶ時間を削って練習してきた成果は,どの曲にも表れていました。来年度の鼓笛隊活動が楽しみになるほど頼もしい姿でした。

◆ 鼓笛隊活動は令和6年度で終了
 10年前くらいから多くの学校では,鼓笛隊活動が行なわれなくなっています。それは,
以下のような問題点があったからです。
 ① 短い演奏発表のために膨大な練習時間(先生達にとっては指導時間)を要した。
 ② 正規の教育活動ではないのに,授業をつぶしたり,子どもたちの遊び時間を
   削ったり,先生達の休憩時間を奪ったりしていた。(「遊び時間」は小学生の心の
   発達に極めて重要な時間と言われています。)
 ③ 自分が本当にやりたい鼓笛パートを担うことができなかったり,オーディションの
   結果を受け入れられない子どもや保護者の方がいた。
 ④ 学年に相応(ふさわ)しい楽曲よりも難しい楽曲練習のために音楽自体を嫌いになって
   しまう子どもがいた。
 本校でも,鼓笛隊活動について昨年5月から鼓笛隊活動の終了について話し合いを重ねてきました。その結果,先週に全教職員の合意が形成され,令和6年度のスポーツフェスタ(10月26日・土)での演奏を最後に鼓笛隊活動を終了することにしました。子どもたちには昨日の移杖式終了時に話をいたしました。10月26日は是非,大きな拍手をしてあげてほしいと思っています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№27 令和6年2月8日発行

◆ 人には叱ってくれる誰かが欲しいもの
 人は誰でも弱い面を持っています。だから,叱ってくれる誰かが近くにいると正しく成長できます。その誰かが「もう一人の自分」だったら,こんなに頼もしい事はありませんよね。映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が話題のようですが,鬼太郎の父“目玉親父”とは少し違う「目玉おやじ」の話を全校集会で子どもたちにしました。

目玉おやじは何時(いつ)も見ている

 みんなは,今,自分の中にもう一人の自分がいることを知っていますか。「自分」には,何かを「する自分」と,それを「見ている自分」がいるんです。こんな絵(下図)のようにです。この「目玉おやじ」みたいな「見ている自分」は,自分のやることをすべて見ているのです。ゲゲゲの鬼太郎の目玉親父も実は鬼太郎のお父さん妖怪で,死んじゃったのだけれども息子の鬼太郎のことが心配で仕方ないので,見守るために目玉の姿で鬼太郎と一緒にいるのだそうです。

 みんなの中にいる「目玉おやじ」は,「おまえ,あの時,ずるいことしたよな。」とか,「おまえ,あの時,全力じゃなかったよな。楽をしたよな。」とか,「おまえ,あの時,悪いことだと分かっていたのに,他の人に付き合ってやっちゃったよな。」などと見ているのです。他の人には分からなくても,いつも厳しい目,正しい目で見ているのです。絶対ごまかせないんです。それが自分の中にいる「目玉おやじ」なのです。

 誰でもズルいことやサボったことはあるでしょう。それで「しめしめ,誰にも気づかれずにうまくいった!」と思ったことがあったかも知れないですね。でも,それを知っていて,覚えている人がいるんです。それが,もう一人の自分「目玉おやじ」です。その証拠に,ほら,今だって,みんなは,そのズルいことを自分では覚えているでしょ。

 もちろん「目玉おやじ」が覚えているのは悪いことばかりじゃないんです。自分が頑張ったことや出来なかったけれど努力したことを見ていてくれます。自分の「目玉おやじ」に「うん,おまえもなかなか良くやっているなあ」と認めてもらえます。これが大切なことで,それを「自信がついた」と言うんです。「目玉おやじ」に認めてもらえれば,「目玉おやじ」は自分自身に大きな力を与えてくれます。でも,ズルいことや楽なことだけをして,うまくやろうなんてすると,大きな力で,そのじゃまをするものです。「おまえなんか失敗してしまえ。だって,あんなにズルかったり,サボったりしたじゃないか。」ってね。つまり,目玉おやじは何時(いつ)も見ているんです。

 みんなは,自分の目玉おやじに,認めて,ほめてもらえるような生活を送っていきましょう。人に気づいてもらえなくても,人からほめられなくても,「目玉おやじ」だけは知っていてくれて,大きな力を与えてくれます。自分の力で自分から頑張ることで光り輝くステキなみんなになってほしいと思っています。そんな生き方をするみんなを,私も先生方も何時(いつ)でも,そして何時(いつ)までも応援しています。

 ※ この話は社会教育家 平 光雄氏の「テレビ寺子屋」での講話を基に作成したものです。

 

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№26 令和6年2月5日発行

◆ 漢字のオススメ勉強法
 先週木曜日に沢石小学校完全漢字検定(3月1日実施)のお知らせをしました。漢字に苦手意識を持つ子どもほど,漢字の勉強をおろそかにしがちです。でもそれは自分に合った覚え方や練習方法ができていないから。漢字は何回も紙に書いて練習するものだという「思い込み」を持っている人が多いですが,漢字を覚えるためにひたすら紙に何回も書いて練習するのは「ウサギ跳び」トレーニングのようなもので,あまりオススメできない勉強法です。以下は現在オススメの勉強法です。
1. 声に出しながら書く
 漢字は読み方から覚えるのがコツ。読み方を覚えてから書く練習をすると,効率よく覚えることができます。さらに,家で学習する際には漢字の読みを声に出しながら書くのもよいでしょう。特に,聴覚からの情報に強い子どもにおすすめです。また,漢字自体の意味や成り立ちを知り,イメージしたり言葉で表したりすることでも覚えやすくなります。上学年は,すでに習っている漢字の組み合わせで語呂合わせをしたり,部首の意味を学んだりするのもおすすめ。「木の上に立って見るのが親」「糸に従うのは縦」「石で皮を破る」など,イメージしやすい覚え方を探し,声に出しながら書いてみましょう。聴覚より視覚からの情報が入りやすい子どもには,見た目で記憶していく方法がおすすめ。たとえば,漢字を輪郭で覚えるという方法。山という漢字なら,山の絵と合わせて覚えるというように,形で記憶するということです。声に出すよりも,こちらの方が得意な子どももいますから,いろいろ試してみてください。
2.へんやつくりを色分けしてみる
 漢字を分解してへんやつくりを色分けする方法もあります。きへんは緑,さんずいは青というように分けて書いてみると,意外とすんなり覚えられることも。回数をこなすのではなく,
一回一回を丁寧に行うことがコツです。
3.意味を考えながら覚える
 漢字の成り立ち,使い方,形や意味が似ている文字など,覚えたい漢字について膨らませていく方法もあります。意味を考えながら覚えれば,単なる作業ではなくなり,楽しみながら学習できるでしょう。好きなマンガ,テレビ,遊びなど,子どもが興味のあることに絡(から)めてあげるのも良い方法です。楽しいことであれば自然と頭に入ってくるはず。生活や遊びなどいろんなことにつなげてみてください。
4.自分でテストを作って解いてみる(今回の完全漢字検定は,この方法を手助けしました)
 漢字を覚えるために,家庭でテストを行うのもおすすめ。このとき,自分でテストを作るのがポイントです。保護者の方が用意するのではなく,子どもが自分で作って自分で解くようにします。いらない紙に文章や単語をひらがなで書き,その横に漢字を書いていくだけで立派なテストになります。自分でテストを作れば,文章や熟語を考える作業ができ,漢字の意味を覚えられます。解くときは,漢字を覚えているかの確認ができます。答え合わせまで自分で行い,わからなかった漢字を集中して復習すれば,効率良く学習を進められます。
5.たくさん書くことにこだわらない
 一つの漢字を繰り返し書いているだけでは単なる作業になってしまい,覚えることにはつながりにくいです。子どもがよくやりがちな1画目を10個,2画目を10個……というような書き方では,覚えるまでにさらに時間がかかってしまいます。書く回数が多ければ覚えられるわけではありません。少ない回数で無理なく覚えるのが効率の良い方法です。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№25 令和6年1月29日発行

◆ 初の全校算数コンクール終わる!
 学校には,スポーツフェスタ,持久走やなわとび記録会などの運動面で表彰する機会があるものの,学習面で表彰する機会はあまりありませんでした。そこで,算数コンクールを創設して学習での頑張りも表彰することとしました。先週の金曜日に各学年ともA3判2枚の結構難しい問題に全校生が取り組みました。「難しいなあ」という声もあったようですが,普段出会わない問題にワクワクした子が居てくれたら良いなあと思っています。来月7日の全校集会で成績優秀者を表彰します。副賞として,特製の“沢石小学校エクセレント鉛筆”を贈呈する予定です。

◆ なぜ勉強しなければいけないの?
 「なぜ勉強しなければいけないの?」とお子さんに訊(き)かれた事はありませんか。昭和の時代なら「良い学校へ進学して給料の高い会社に就職するためだよ」で子どもは納得したかも知れませんが,ユーチューバーが子どもの就(つ)きたい職業ランキングに入る現在では難しいでしょう。また,保護者の皆様も「中学や高校の数学なんて日常生活に必要ないのに…」などと感じた事があるのではないでしょうか。実際,日常生活に困らないためであれば,小学5年生位までの学習内容で十分です。しかしながら,実は理数系教科の難しい内容は論理的に考える力を付けるために学習します。その力を使って文系教科の内容を正確に理解していくのです。今でもThe文系の私は算数・数学科で学んだ論理的思考を使って,本を読んだり文章を書いたり話したりしています。
 しかしながら,子どもに「考える力を付けるために勉強するんだよ」と言っても,よく理解できないでしょう。テレビでおなじみの齋藤 孝教授(明治大学『声に出して読みたい日本語』著者)によると,こんな風に言うと良いとの事です。「勉強って地味なことをコツコツやらなくちゃいけないでしょ。大人になると仕事でもっと地味で答えが簡単に出ないことをコツコツやらなくちゃならないんだよ。だから,その練習なのさ」と。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№24 令和6年1月18日発行

◆ 今は考える力を蓄えるとき!
 冬の寒い時期は,森の木々と同じように春に向かって生きる力を蓄えるときだと思います。子どもの生きる力は「考える力」ですので,全校集会で,こんな話をしました。

失敗に学ぶ知恵

 みんなは『イソップ童話』を知っていますか。ヨーロッパに古くから伝わるお話を集めたもので,「アリとキリギリス」とか「ウサギとカメ」とか「オオカミと少年」など,たくさんのお話がその中に入っています。その中の一つに「北風と太陽」というお話があります。

 冬のある日,広い草原の一本道を一人の旅人が歩いておりました。それを見て,北風は太陽に言いました。「あの旅人の上着をどちらが先に取り去ることが出来るか競争しよう」

 北風は力(ちから)いっぱい風を吹きつけました。しかし,旅人は寒さに震え,上着で体をギューッとくるみました。そこで,北風はもっと強く吹きつけました。しかし,旅人は身を守るように上着をさらにきつく巻きつけました。2回とも失敗です。

 今度は,雲の合間から太陽が現れました。そして,旅人を燦々(さんさん)と照らしました。旅人は体が温かくなって気持ちよくなり汗も出てきて,上着を脱ぎました。太陽は,旅人の上着を取り去ることに成功しました。

 北風は,なぜ2回も失敗をしたのに,太陽は1回で成功することが出来たのでしょうか。何となく分かりますね。北風は1回目の失敗を反省することなく同じように繰り返してしまったから2回目も失敗したのですね。それに対して太陽は北風の失敗を見て考えて,北風と違う方法で成功することが出来たのですよね。太陽には,考える力があったのです。勉強することばかりでなく,失敗したことを無駄にしないで次に活かしていくことも「学ぶ」と言います。つまり,失敗に学んでいくと,考える力が付いて「自立」つまり,何でも自分で出来るようになるのです。

 みんなが毎日やっている授業も自分の学習も同じです。間違いや失敗をして良いのです。授業や学習の中で間違うことや失敗することは恥ずかしいことではありません。それを無駄にせずに次に活かして行くことが「学ぶ」ということなのですから……。

 また,普段の生活でのことも同じです。いけないことを言ったり,やったりして,家の人や先生に叱られたことがある人もいるでしょう。誰でも言葉や行動の失敗をします。失敗したことを無駄にせず活かしていくことも「学ぶ」ことになります。

 本当に恥ずかしいのは,間違うことや失敗することではなく,学ばずに同じ間違いや失敗を繰り返してしまうことなのです。間違いや失敗を恐れずにチャレンジしてダメだったら,まず反省することが大事です。そして次に,間違いや失敗を生かして学んでいくのです。「反省できる人だけが,より良い人になれる」と言われるのは,そのためです。さらに,授業や生活で間違いや失敗をすると,それは周りの友達が「北風と太陽」の太陽のように失敗を見て学ぶことへとつながります。自分の間違いや失敗が周りの友達の学びに役立つのです。授業や学校生活が行われる教室は,そんな素晴らしい場所なのです。授業や生活での間違いや失敗は,自分だけでなく,みんなの「学ぶ」ためのチャンスです。授業や学習,そして学校生活の中でたくさんの間違いや失敗に学んで,どんどん考える力を付けて「自立」出来るようになりましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№23 令和6年1月10日発行

◆ 一年の計は元旦にあり!
 冬休みが終わり,卒業や進級に向けての学校生活が昨日,再スタートしました。能登半島地震に対して,私達ができることについて話をした後,以下のような話をしました。

はじまりの会の話

  今日は令和6年,最初の学校の日です。みんなは学年が1つ上に上がる年のスタートの日です。特に6年生は卒業をして中学校へと進学する年になりました。いよいよという感じですね。今日は1月9日ですが,昨日までに家族から「あなたの今年の計画や目標は何かな。」と訊ねられた人はいますか。実は日本には古くから『一年の計は元旦にあり』といって「その年1年間の計画は元日の朝に決めると良い」ということわざがあります。これは本当は「計画は早いうちに立てて,すぐ取り組むことが大切なんだよ」という私たちの生き方へのアドバイスなのです。

 アメリカのメジャーリーグで大人気の野球選手と言えば,大谷翔平選手ですね。去年の4月に全校集会で話しましたが,大谷選手は64個の計画を考えて,高校の3年間,部活動に取り組みました。その結果,今では,あんな大選手になったんですよね。「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てなければ,人は何もしないままに,ボーっとして過ごしてしまうのです。そうなってしまわないように,日本人は『一年の計は元旦にあり』ということわざで注意をするように言い伝えてきました。小さな計画をたくさんやり遂げると,関係ないようでも,いつか大きな夢をかなえることに必ずつながります。

 学校での2学期のめあてとは別に「これからやってみよう」とか「続けてみよう」ということを決めて家族に話しましょう。土曜日や日曜日に家で掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。そうすれば,きっと家族はみんなを応援してくれるし,何よりも怠けそうになる自分を自分の心が励ましてくれるようになります。まだ1月ですから間に合います。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った計画を立てることを期待しています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№22 令和5年12月22日発行

◆ 冬休みは“進んで勉強”と“礼儀正しさ”のチャンス!
 冬休みを迎え,年明けから今年度の終盤となります。22日の全校集会で冬休み中の目標について以下のような話をしました。

冬休みのチャンスを活かそう

 今日は冬休み前の授業が終わる,締めくくりの日ですね。冬休みは夏休みと違って,「1年間で勉強することの大部分が終わっている」とか「年末やお正月がある」とかいうことから皆にとって2つの『チャンス』があるのです。

 実は,4月から先生方は指導する時に,学習でも運動でもみんなが「自分から進んで何でも頑張る子どもにしよう」という事を心掛けてきました。先生方に指導されたことで思い当たる人もいるんじゃありませんか。

 まずは、一つ目のチャンスです。4月から始まった各学年の学習は,3ヶ月分くらいを残して今日までに終わりました。4月から今まで学習したことを振り返ってみて全部を身に付けている人はそうは,いないでしょう。ですから,「復習」と言って,もう一度学習し直す内容がたくさんあります。そして,分かる・出来る学習と分からない・出来ない学習は人によって違いますから,自分で学習する中身を考えて勉強しなければなりません。宿題があると勉強するけど,ないと勉強しない人がいるでしょう。だから,やる気にならないと「復習」(学習のし直し)は,することができないのです。特に今年から1月の終わり頃にちょっと難しい問題の「沢石小 算数コンクール」を行います。自分のよく身に付いていない算数の内容について力を入れて復習をしないと問題を解くことができないかも知れません。冬休み中に“自分から進んでの勉強”に挑戦しましょう。

 次は二つ目のチャンスです。普段会えない親戚や知り合いの年上の人に会ったら,礼儀正しくあいさつをするチャンスがあるし,何かしてもらったら,「ありがとう」と言うチャンスがあります。また,大晦日12月31日に家族に「1年間,色々ありがとうございました。」なんて言うと,びっくりされるかも知れませんよ。家族に対しても「親しき仲にも礼儀あり」という言葉のように礼儀正しさが時には必要なんです。冬休み中にたくさん“礼儀正しい”言葉づかいやあいさつ,そして行動を心掛けましょう。

 今年の冬休みは,普通の年より2日間長い17日間ありますが,ボーっとしていると,あっという間に終わってしまいます。ボーっとしていて誰かに叱られないように,自分から進んで取り組む勉強,そして意識して礼儀正しく話したり行動したりすることに頑張ってほしいと思います。事故や怪我,健康に気を付けた生活を送って,来年の1月9日(火曜日)に元気に登校し,登校途中に会う大人の方や先生方に「おはよう」の代わりに「新年おめでとうございます」とあいさつができると素晴らしいと思います。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№21 令和5年12月7日発行

◆ クリスマスのプレゼント
 子どもにとって,クリスマスは一番楽しいイベントなのではないでしょうか。ゲームソフトをお願いしているという声も聞こえてきたような気がします。昨日の全校集会でプレゼントについての話をしました。

本当に良いプレゼントとは…

 アメリカ合衆国の小説家,オー・ヘンリーが書いた物語です。

 ニューヨークという大きな街に,ある貧しい夫婦がおりました。ジムという夫とデラという妻です。毎日の食事をしていくのが精一杯で自分たちの楽しみに使うお金などはありませんでした。クリスマスが近づいてきました。アメリカではクリスマスに自分の大切な人に贈り物をすることをとても大事にします。ジムとデラも相手に秘密で,何とかお金を手に入れて相手の喜ぶ贈り物を買おうとします。

  妻のデラは考えました。夫のジムはたった一つの宝物である,金の懐中時計を大切にしている。それは,おじいさんからお父さん,そしてジムへと受け継がれた宝物だけれど,つるす金の鎖がなかったのです。金の懐中時計に金の鎖をつけることができたら,ジムはどんなに喜ぶだろう。そう考えたデラは,自分のものでたった一つ価値のあるもの,自慢の美しい長い髪の毛を,かつらを作って売るようなお店でバッサリと切って売ってしまったのでした。自慢の長く美しい髪はなくなってしまったけれど,ジムはきっと喜んでくれるだろうと思いました。

 その頃,夫のジムもデラの喜ぶ贈り物を考えていました。デラのたった一つの自慢は長い美しい髪でした。その髪をとかす,櫛(くし)をデラはほしがっていました。長く美しい髪をすてきな櫛でとかし,もっと美しくできたなら,デラはどんなに喜ぶだろう。そう考えたジムは,自分のものでたった一つ価値あるもの,金の懐中時計を売ってしまいました。大切な金の懐中時計はなくなってしまったけれど,デラはきっと喜んでくれるだろうと思いました。

 こうして二人の贈り物,「金の鎖」と髪をとかす「櫛」は,それぞれ意味のないものになってしまいました。みんなは,この夫婦を「愚か者だな」「馬鹿だな」と思いますか。このお話の題名は,実は「賢者(賢い人)の贈り物」とつけられています。愚か者ではなく賢い人だというのです。このお話から教えられるのは,「かしこい」とは人の気持ちを思いやりながらよく考えたり,自分がどうしたいかではなく,どうすることが一番よいのかを考えたりすることだということです。そうすれば結果は関係ないのじゃないかということです。その証拠に実は,この二人,少しも悲しまないんです。お互いが自分のことをよーく思いやってくれたんだなあと幸せな気持ちになる位なんです。優しい気持ちをプレゼントできたから,もらったからということです。プレゼントって,モノを贈り合っているようで,本当は気持ちを贈り合っているんですね。

  さて,多くの皆はXmasにプレゼントをもらうんじゃないかな? 中にはゲーム機やゲームソフト,ネットゲーム課金用のプリペイドカードなんてものをお願いするつもりの人はいませんか。ゲームは皆の頭の中から勉強したことを吸い取ってしまうので,自分の子どものことを思いやる,お家の方はプレゼントしてくれないかも知れません。そんな時は,今日の「賢者の贈り物」の話を思い出しましょう。賢い皆なら分かると思いますが,本当に良い贈り物とは相手のことを思いやった心を込めたモノだからですね。また,プレゼントは玩具ではない場合やプレゼントその物がない家庭もあるでしょう。家庭それぞれ違うXmasだと思いますが,家族のことを思いやりながら,家族でゆっくり過ごす夜になると良いなあと願っています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№20 令和5年11月15日発行

◆ 七五三の祝いに“家族”を想う
 最近,ある神社を訪れる機会がありました。秋晴れの素晴らしい日であった上に日柄も良かったのか,多くの七五三参りの家族連れを見かけました。その時,最近聞いたこんな話を思い出しました。

 アメリカ合衆国の,ある病院にナンシーという3歳の女の子が入院してきました。身長と体重は1歳児の標準体型ほど。全身が干(ひ)からびたような痛々しい姿で,言葉を話すことも出来ませんでした。そして身体の機能的な問題を抱えていないのに,入院から3ヶ月を過ぎても全く成長が見られなかったのです。
 実はナンシーの入院以来,両親は一度も面会に来ていませんでした。病院からの呼び出しにも応じる気配はありません。何とか親に会わなければと考えた医師は,自宅を訪ねることにしました。
 ナンシーの両親は,エリートコースの中でも最高といわれるハーバード大学の経営大学院に在籍しており,二人とも論文の執筆に追われる毎日を送っていました。医師が自宅を訪ねた際も,居間に通されたかと思ったら,執筆が一(いち)段(だん)落(らく)するまで待たされるという有(あり)様(さま)でした。
 医師が待ちきれなくなった頃,ようやく書斎から出て来た母親は,こんな事を言いました。
「この論文が通れば,世界中のどこでもエリートとして受け入れられます。だから論文が通った後で子供をつくりたかったのです。ナンシーは間違って生まれてきてしまった……。今は面倒を見る暇がないので,もうちょっと預かっていて下さい。」
 医師は黙ってその家を後にしました。
 病院に戻った医師は,陽当たりが良く,人の行き交う廊下にナンシーをベッドごと移動させると,頭上にこんな貼り紙をしました。

― 私はナンシーです。
 あなたがここを通るとき,もしあなたが急いでいるならば「ナンシー」と呼んでほほ笑みかけて下さい。 もしあなたに少しの時間があるならば,立ち止まって「ナンシー」と呼びかけ,私を抱き上げ,あやして下さい。 もしあなたに充分なゆとりがあるならば「ナンシー」と呼んで私を抱き上げ,ほおずりをして,あなたの胸と腕の温かさを私に伝えて下さい。そして私と会話をして下さい。―

 この貼り紙を見た医師や看護師は,皆が足を止めて,ほほ笑みながらナンシーの名前を呼び,抱いたりあやしたりするようになりました。
 こうして1週間が過ぎた頃,ナンシーはほほ笑むようになりました。そして,3ヶ月が経つ頃には,正常な3歳児の体重に近づき,言葉も急速に覚え始めたのです。

 七五三祝いの年令まで健やかに成長するには,食べ物の栄養だけでなく,愛情という心の栄養も必要なのだろうと思います。子どもたちが今の姿まで成長しているのは,間違いなく周囲の大人の温かい愛情を充分に注がれてきたからなのだろうと感じた秋晴れの一日でした。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№19 令和5年11月2日発行

◆ 自分を高める達成感
 子どもたちは,スポーツ・フェスタで,みんな良く頑張りました。達成感を感じた子も多かったと思います。残念ながら思うように頑張れなかったなあと思う子には,持久走記録会で力を尽くしてほしいと思い,昨日の全校集会で次のような話をしました。

苦しい持久走の先にあるものは …

 今,持久走の練習に取り組んでいますね。でも,中には「長い距離を走ったり,長い時間走るのは,辛いなあ」とか「いやだなあ」とか思っている人がいるんじゃないかな。実は私も持久走が苦手だったので,そんな人の気持ちは分かります。練習の最中は,いつも「歩きたいなあ」「止めたいなあ」と思ってばかりいました。でも,あることを通して,持久走に前向きになりました。
 私が,小学校の先生になるための試験を受けた頃は,テスト問題だけでなく,先生は,体育の授業をするのだからと持久走1500mの試験もありました。1500mは沢石小の外側のトラック7周半です。それを7分間以内に走らないと不合格という試験だったと思います。しかも,夏の一番暑い気温30度以上にもなる午後に走るのです。
 先生になるための試験の1か月まえの6月に,その当時住んでいた家の近くの川沿いの道を1500m,試しに走ってみました。大学4年生だったので,高校を卒業してから3年以上長い距離を本気で走ったことがなく,自信が無かったからです。恥ずかしいので,辺りが暗くなった夕方に走りました。思った以上に苦しかったです。息ができないほどゼイゼイするし,足は思うように前に出ません。やっとのことで1500mを走りきって,倒れ込むように時計を見ると,タイムは10分間以上かかっていました。ショックで,また倒れ込みそうになりました。「これじゃあ,先生になれないぞ」と思って,それから毎日,夕方に持久走の練習をすることにしました。
 早速,次の日から練習を始めましたが,もともと持久走が苦手だったので,気が乗りませんでした。でも,陸上競技のマラソンは42.195㎞走ります。42,195mですから,1,500mは,その30分の1ぐらいです。そう思って頑張ることにしました。第1日目,苦しさは同じでしたが,ほんの少しだけ,タイムが短くなりました。わずかに速くなったのです。それから毎日,タイムを計(はか)りながら練習すると少しずつですが,必ずタイムが短くなっていきます。そして,1ヶ月間毎日走った結果,試験の3日前には,7分間より30秒位速く走れるようになりました。これで,安心して試験を受けられるようになりましたが,何より目標を達成できた喜び「達成感」で一杯になったことを覚えています。
 持久走は,いろいろな運動の中で,特に練習すれば練習するだけ上達する運動だと言われています。例えば,短い距離の100m走は,どんなに頑張って練習しても,もともと足の速い人を抜かすことは出来ないことが多いものです。しかし,持久走は違います。優勝している多くの人は練習を積み重ねた人ばかりです。2004年アテネオリンピックで金メダルを取り,翌年出した日本記録を未だに破られていない,野口みずき選手は「(練習で)走った距離は(私を)裏切らない」と言っています。つまり「練習で走れば走るほど,その距離は必ず自分を速くしてくれるものだ」ということです。
 持久走は嫌だなあと練習を避けている人は居ませんか。走らなければ絶対に速くなりません。走れば必ず速くなります。そして練習をやり遂げたり,走りきった時の何とも言えない,良い気持ち「達成感」を感じることが出来ません。弱い自分に打ち勝つことが出来るのも持久走の良いところです。残りの練習を本気でやって1秒でも自分の記録を縮めましょう。そして同時に,「自ら身体をつくる子ども」,つまり自分から身体を鍛えてつくる沢石の子どもになりましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№18 令和5年10月10日発行

  2学期のスタートです
 三春町の学校は長期休業前でも先生が学期末事務に忙殺されずに子ども達とじっくり向き合うことができるよう2学期制を実施しています。隣の田村市の学校も同様です。1学期終業式と2学期始業式を合わせて「期分けの式」として次のような話をしました。

節目によって力を伸ばそう

◆期分けの式のように,一つの事が終わって,何かがまた始まる時のことを“節目”と言います。ある植物にも節目と呼ばれる部分があるので,その話をします。どんな植物でしょうね。

◆みんなは,これが何という植物か,よく知っていますね。そうです。竹です。では,竹の所々にある区切りのような部分は何て言うのでしょうか。節あるいは節目と言います。学校の周りにはたくさんの木がありますが,ケヤキや桜などの木は,竹のように中が空洞になっていませんし,その途中に節目はありません。どうして竹には節目があるのでしょうか。

◆竹の節目の数は竹が小さいときのタケノコの時から決まっていて,孟宗竹という太く背が高くなる竹では大体60個位あるそうです。この孟宗竹は,何と1日に80cm~100cmと言いますから1年生の背の高さ位も伸びることがあり,2ヶ月ぐらいの間に20m,つまり沢石小学校体育館の2倍以上の高さに成長します。凄い高さで,凄い速さですね。どうしてそんなに伸びるかというと,60個位の節目全部に成長点といって根から吸い上げた養分を伸びる力に変える所があるからなのです。竹以外の植物は,先の方の1箇所にだけ成長点がありますが,竹はどの節目にも成長点があり,60カ所の節目が一気にどんどん成長するので,ぐんぐん伸びるんです。竹は,節目があることによって早く大きく成長する訳です。

◆竹の節目には,成長の他にも大事な働きがあります。竹の中は写真のように空洞です。ですから,とても弱くて,強い風が吹いたり,雪が積もったりすると,すぐに折れてしまいそうですね。ところが,竹は滅多に折れません。それは,節目がたくさんあることで,しなやかなのに節の内側で強くなっているからです。竹は,節目によって強くもなっているのです。

◆竹の節目は,自分の体を成長させたり強く丈夫にしたりするので,竹にとって,とても大事なんですね。今日のように1学期と2学期が,かわる日も節目になります。今まで失敗したことや上手く出来なかったことが,ある人にとっては,この節目は自分を大きく成長させる,また,強くて丈夫な自分にかえるチャンスです。あまり失敗をしないで頑張ってきた人も,自分をさらに高めるチャンスです。節目は,新しい自分をつくり出すチャンスなんです。自分の目標をもう一度見直して,しっかり目標を立てましょう。みんなの学校生活や家庭生活は,上手くいかなかったら,節目を活かして何度でもやり直すことが出来ます。節目は自分で勝手に作っても良いのです。失敗したことや上手く出来なかったことをいつまでも残念に思っていないで節目を活かして,何度でも何度でも再スタートしましょう。沢石小44名全員が節目のチャンスを活かすことを期待しています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№17 令和5年10月5日発行

◆スポーツ・フェスタ せまる!
 子どもたちは,来週に迫ったスポーツ・フェスタの練習に取り組んでいます。全員が力を出し切り,楽しかったと思えるフェスタ,小さな感動が生まれるようなフェスタになることを願っています。全校集会で次のような話をしました。

スポーツ・フェスタで心も逞しくしよう

 沢石小ではスポーツ・フェスタの前の形である運動会が,少なくても昭和35年,今から63年前には始まっていたようです。その頃は,沢石小には今の10倍の400人位の児童が居て,沢石中の200人位の生徒と一緒に600人位で,沢石中の校庭で運動会をやっていました。それ以来ずっと行われてきた学校行事なのです。このことは,運動会,スポーツ・フェスタが,どれだけみんなにとって大切なものであるかを示しています。どうしてスポーツ・フェスタをそんなに長く続けて来たのでしょうか。もう勘のいい人は気づいていますね。そうです,私たち沢石小の目標の三番目「自ら身体をつくる子ども」に関係がありますね。身体を丈夫に逞しくするためなんです。
 スポーツ・フェスタが近づくと,私は,ある学校の学年で一番足の速い,とある5年生の男の子のことを思い出します。その子の学校では学年毎に児童代表のスポーツ・フェスタ実行委員がフェスタの種目を話し合って決めていました。実行委員会ではこんな種目を考えて準備に取りかかりました。個人競走のチャンスレースです。
 その種目とは,まずスタートしてカードを拾います。そのカードに書いてある色,赤・青・緑のどれか一つの色のドッジボールを探してゴールするというものです。ところが,その男の子には生まれつき,目に問題がありました。色の見分けがつきにくいという問題です。カードに書いてある字で探すべきボールの色が分かっても,どのボールがその色なのか分かりにくいのです。その子の目の問題を知っている先生達は迷いました。「実行委員の意見は大切にしたい。でもフェスタでその子に悲しい思いはさせたくない。競技を変えるか。それとも,どうにかしてその子に手助けをしようか。」と…。
 次の日,その子のお母さんから電話がありました。「先生,息子から聞きました。3色のボールを探すチャンスレースは予定通りやって下さい。息子は,これからも色の分かりにくい自分の目と共に生きていかなければなりません。自分で問題を解決するように話しておきますから…。」と。5年生のチャンスレースは予定通り行なわれることになりました。
 フェスタ当日になりました。6年生担任の私は準備係で5年生チャンスレースのドッジボールの近くにいました。その子がスタートしカードを拾い,ちょっと迷いながらボールを選びました。そして,どうしたことか,ゴールではなくて係の私の方へまっすぐ走ってきます。そして私にこう聞くのです。「先生,このボールの色は緑ですよね。」私が「そうだよ。」と答えると,にこっと微笑んでゴールに向かいました。私の所に回り道をしたので2着でした。でも,とても嬉しそうでした。私は「たくましいなあ」と思いました。走る姿にではなく,私に聞きに来るという自分で行動する姿を見て,そう感じたのです。
 スポーツ・フェスタは,その練習の中や当日の演技や競技の中で,体を鍛えたり進んで考えて行動したりするのにぴったりの行事です。自分にいろいろな問題があってもそれを乗り越えていけるような体だけではなく自分の強い気持ちや心をつくることも「たくましく」なることだと感じますよね。スポーツ・フェスタは,みんな自身の体も心もたくましくなるためにある行事ですから,フェスタの競技,演技,係や応援の活動,そして練習や準備に体の力と頭の力の両方を振り絞りましょう。

 

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№16 令和5年9月27日発行

◆ 一人一人に適した教育を!
 全国人権作文コンテスト入賞作品に小学校の特別支援学級について書かれた作文がありました。沢石小には,ゆっくりとした学びを支援する『ならなし1組』と気持ちを落ち着かせてじっくりと学ぶ事を支援する『ならなし2組』があります。一人一人に適した教育に力を入れて,全員の“自立”を実現したいと思っています。

 【日本新聞協会長賞】  実を結んだ さくらんぼの木
                       愛知県一宮市立中部中1年 豊島 湊
 ぼくが小学校に入学した時,家の庭にさくらんぼの木を1本植えた。ぼくの住む一宮市は毎年小学1年生にお祝いで入学記念樹をくれるからだ。庭のさくらんぼの木は,毎年花は咲くけれど,実がなることは一度もなかった。・・・(以下省略)

法務省ホームページ参照  https://www.moj.go.jp/JINKEN/pdf/08.pdf

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№15 令和5年9月21日発行

◆ 全国や県規模で見る沢石小の学力
 9月6日に6年生には今年4月に行われた全国学力テストの個人票を配付しました。
22日の学級懇談会時には4~6年生に,ふくしま学力テストの個人票を配付します。個人ごとの結果は,その通りですが,学年毎の平均正答率では,どういう状況なのかをお知らせします。全国や県平均を100とした場合の本校児童の正答率を数字で表しました。100より大きくなると正答率が高く,問題をよく解けていたということになります。
 なお,県独自のふくしま学力テストは前学年からの学力の伸びが,5・6年生については「レベル」によって分かるようになっています。

全国学力テスト 6年 全国平均比 6年 福島県平均費
国語科 ***(紙媒体で通知) ***(紙媒体で通知)
算数科 ***(紙媒体で通知) ***(紙媒体で通知)
ふくしま学力テスト 4年 県平均比 5年 県平均比 6年 県平均比
国語科 ***(紙媒体通知) ***(紙媒体通知) ***(紙媒体通知)
算数科 ***(紙媒体通知) ***(紙媒体通知) ***(紙媒体通知)

 全国学力テストの算数科は福島県が過去初めての全国最下位でしたが,沢石小の6年生は好成績でした。しかし,まだ伸びしろはありますので,学力向上が図れる指導や効果的な家庭学習の指導に力を尽くしていきます。

◆ 身近になる中学受験
 現在,福島県には2つの県立中学校があります。会津学鳳中学校とふたば未来学園中学校で,共に高校との中高一貫校です。そして,令和7年度に県立安積中学校・高等学校(仮称)が開校しますので,6年度の冬には中学入試(募集定員60名)が始まります。現在の5年生が6年生の年です。入試ですから結構難しい問題が出題されますが,是非チャレンジして欲しいと思います。
 試験は適性検査という各教科の総合的学力を測るペーパーテストと文章の読解力や表現力を測るペーパーテストを1時間ずつ。そして集団面接を行います。裏面(紙媒体のみ)に昨年度の適性検査の一部を掲載しましたので解いてみて下さい。県立中学校が求める学力が理解できます。なお,掲載したのは検査Ⅰの6分の1に当たるので10分程度で解く分量になっています。入試問題なので,6~7割程度正解すると合格できるのではないかと思います。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№14 令和5年9月7日発行

◆ 人間の体は“水”でできている
 今年ほど熱中症を心配した年はなかったかと思いますが,同時に飲料水の大切さにも気付かされました。熱中症の恐ろしさの一つは脱水症状ですが,世界には熱中症以外による脱水症状で命を失う子どもがたくさんいることにも思いを到らせたいと考えました。そこで,全校集会で以下のような話をしました。

魔法の水 ORS(Oral Rehydration Solution)とは何?

◆これは魔法の水と呼ばれているORSという飲み物ですが,飲んでみたいと思う人はいますか?(ここで校長手作りのORS<経口補水液>を飲んでもらいました。)感想を聞いてみましょう。おやおや,美味しくないと言っていますね。でも,このORSを必要とする人がいるのですが,どんな人だと思いますか。実は,開発途上国の子ども達に必要なのです。開発途上国とは,人々が生活するための「インフラ」と呼ばれる,道路・鉄道・水道・電気・ガス・学校などがきちんと整っていない国々のことで,地球上ではアフリカやアジアに多くあります。

◆それでは,どうしてアフリカやアジアの子ども達はORSを必要としているのでしょうね。実は,このORSを飲むと体の外に出ていってしまった水分を補うことが出来て,体力を回復させることが出来るからなのです。日本では,もっと美味しくしたORSを熱中症から快復する時に飲んでいます。それは,スポーツドリンクやOS-1等です。

◆現在,世界中で毎年,およそ660万人の5歳より小さい子ども達が病気や戦争,食べ物が足りないことで亡くなっています。毎日,1万8千人の小さい子どもが亡くなっていることになります。1万8千人というと三春町の総人口(約1万7千人)と同じくらいになります。こうしていても,世界のどこかで,1秒間に5人もの小さい子ども達が亡くなっているのです。一番多くの子ども達が亡くなっているのが,アフリカやアジアの開発途上国なのです。

◆アフリカやアジアの子ども達が病気で亡くなっていく一番の原因は何だと思いますか。それは何とお腹を壊す「下痢」なのです。下痢で毎年およそ60万人ほどの子ども達が亡くなっているのです。わずか10日間で三春町の総人口と同じくらいの子ども達が下痢が原因で亡くなってしまうんです。下痢で体の外に水分が出ていってしまって,脱水症状というのになって亡くなってしまうんです。

◆ここで,脱水症状から命を守ってくれるのが,さっきのORSです。私が特別に作ってきた飲み物だったのです。この命を救う魔法の水のようなORS1リットルは日本で作るといくら位だと思いますか。わずか10円です。水道の水に砂糖と食塩を入れて作りました。なぜ,こんなに安くて簡単に作れるORSがあるのに1年に60万人もの子ども達が下痢で亡くなっているのでしょうか。開発途上国には,飲んで良い安全な水がとても少ないのです。日本では水道の蛇口から,きれいな水がいつも出てきます。しかし,開発途上国では川や池の水,あまりきれいではない井戸の水を利用しています。その水の中には下痢を起こしやすい,ばい菌が多く生きています。また,ばい菌が多いので,簡単にはORSを作ることが出来ないのです。

◆日本に住んでいる私たちに出来る事がありそうな気がしますね。ユニセフという世界の国々が力を合わせて創っている集まりが,開発途上国の水道やきれいな井戸を作ること,ORSを送ってあげることなどをしています。機会があれば,ユニセフへ寄附することも,私たちに出来る事の一つかも知れませんね。大人になったらたくさんの寄附を考えて下さい。その他にも,普段の生活で水や食べ物を無駄にしないこととか,ニュースや新聞で世界のことに関心を持つとか,みんなが出来ることは色々ありそうですね。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№13 令和5年8月28日発行

◆ 1学期の再スタート(本校は2学期制をとっています)
 長いと思っていた夏休みもお子さんにとってはアッと言う間に終わった感じではないでしょうか。教師も夏休み中に色々やろうかなと考えるのですが,思い通りにならない夏休みに終わってしまうことが多いようです。私などは,そんな夏休みを40回近く,小学生の頃からを加えると55回も繰り返しています。人間って進歩しないなあと感じます。もし,お子さんが充実した夏休みを送れなかったとしても悲観することはないと思います。ですから,心機一転の切り替えも大事なので,夏休み後の初日に以下のような話をしました。

“はじまりの会”の話 ~ 努力することで人は輝く ~

 昨日で長い35日間の夏休みが終わり,今日は,また授業が始まる日です。夏休みに3つのチャンスを生かすように話しましたが,どうでしたか。『学習』『挑戦』『家庭の仕事』の3つのチャンスでした。夏休みで付けた力を生かして自分をぐんと伸ばすのが,これからですから,がんばっていきましょう。

 私は今朝,学校に来る時,田んぼを見かけました。登校班で登校する人の中には歩いてくる途中に田んぼがある人もいるんじゃないかな。夏休みの間に稲がずいぶんと大きく成長したことに気づきましたか。

 春に田植えをした頃には薄い黄緑色で,あんなに小さく細かった稲が,とても濃い緑色で太くて何本もに増えて大きくなっていました。実は夏休み中に目立たないような小さな花を咲かせ実である米ができ始めているんです。これから秋に向かって稲は花だったところにたくさんのお米を実らせていきます。楽しみですね。

 でも,不思議じゃありませんか。あんなに濁った泥の中に生えていて泥の中の栄養を吸い上げているのに,真っ白で輝くような艶(つや)のある,おいしいお米が出来るのですよ。私は不思議でたまりませんでした。でも,夏休み中にあの田んぼの稲を見ているうちに思い付きました。それは人間の努力というがんばりとその人が力を伸ばした輝く姿との関係です。がんばっている姿は,人から見ているとかっこ悪く,濁った泥水のように見えるかも知れません。でも,そのかっこ悪い姿の中で努力して力を伸ばすから,光り輝くような自分になれるのではないかということです。稲の姿とこれから実るお米から,努力とがんばることの大切さを教えられたように感じました。光り輝くような活躍をする人は,実は人に見られないところで頑張っているものなんですね。出来ないことを「出来ない」というのを恥ずかしがってはいけないし,出来ないことを頑張って出来るようにしようとしている人を「かっこわるいなあ」などとバカにしてはいけません。

 今日から夏休みで止まっていた授業が始まります。1学期の始業式にみんなは自分のめあてを立てたはずです。でも,それが自分にとって良いめあてとなった人ばかりではないと思います。いつの間にか忘れてしまった人もいるかも知れません。そこで,自分の学校生活のめあてを確かめたり,見直したりして下さい。その時,1学期の終わり10月6日にどんな自分になっていることが素敵なのかを考えて,めあてを見直すことが大事です。力いっぱいに根から栄養や水を吸い上げて米を実らせていく稲に負けないよう,光り輝く沢石の子どもになるため,今日からの1学期の残り30日間をがんばり通す,めあてという頑張る心のパワーを,44人の全校生が持って欲しいと思います。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№12 令和5年7月20日発行

◆ 成長の夏休みに
 いよいよ夏休みです。子どもが家庭で過ごす時間が多くなりますし,昼食の心配もあるので,ちょっと気の重い親御さんも居られるかも知れませんね。しかし,学校の授業ででは身に付けられない学力,例えば“進んで学習する力”“疑問を解き明かす力”“計画的に続ける力”などを身に付けるチャンスです。以下のような話をしました。

 夏休みのチャンスを活かそう

 明日から長い夏休みが始まります。やる気のある人が何かを積み重ねると,夏休みには,きっとすごい事ができるような気がしますよね。夏休みは,みんなにとって『チャンス』なのです。
 まず第一には,学校の授業はお休みですから,新しい学習が進められるという事はありません。よく身に付いていない学習をやり直したり,学習した事を確かめたりすれば,休み明けの学習をすらすら出来るようになります。つまり,学習がちょっと皆より遅れたなと感じている人は追い付く『チャンス』です。
 第二には,長い夏休みにしか出来ない学習に取り組む事が出来ます。長い時間をかけて生き物や草花をじっくり観察したり,疑問に思ったことを実験したりして理科の自由研究に挑戦する事や普段よりも長い作文に取り組む事,いつもより厚い本を読む事,読書感想文に挑戦する事などです。つまり,普段「やらされているなあ」と感じている学習に対して挑戦して見返してやる『チャンス』です。
 第三には,家族のためになる家庭の仕事を,学校がある日よりも多くする事ができます。そうすると,家族に喜んでもらう事ができ,家庭を幸せにする役割を果たす事ができます。つまり,お手伝いではなく家庭の仕事の一つを任せてもらう「家事の分担」をするのです。学級で配る『夏休みの生活』というプリントにも「お手伝いをしましょう」ではなくて,「仕事を決めて毎日続けよう」となっているはずです。食器の片づけでもお風呂掃除でも良いので心を込めてやりましょう。仕事の事を英語でJobと言いますが,家の人にGood Job(いい仕事してますねえ)と言われるかも知れませんよ。つまり,家族に認めてもらえる『チャンス』です。
 私は小学校4年生の時の夏休みの自由研究で,アサガオの花が咲く瞬間を連続写真で撮ってやるぞと挑戦しました。朝6時に起きました。もうアサガオは咲いていました。次の日は5時に起きました。アサガオは咲いていました。次の日は4時に起きました。それでもアサガオは咲いていました。でも,完全には開いていませんでした。アサガオとの早起き競争になりました。寝坊したり見ている間に居眠りしてしまったりと失敗もあったので10日以上経ったある朝,3時半に起きて見ていると,4時前の暗いうちに,あのドリルのような蕾(つぼみ)が微(かす)かに動き始め,翼を広げるように微かな「シュッ」という音と共に花が開いたのです。とても感動しました。シャッターを押すのも忘れるほどでした。アサガオの花が咲く時に音がするなんて,どの図鑑にも載っていませんでした。もしかすると私の気のせいだったのかも知れません。しかし,アサガオの花の咲く瞬間を見た時の胸のドキドキが今も忘れられません。そして,何より大人になっても夏休みに挑戦した自由研究をこうして覚えているのです。自分で考えて挑戦し苦労して体験した事なので,自分の身に付いたのだと思います。
 さあ,明日からの夏休み,チャンスを生かすかどうかは自分次第です。3つのチャンス「学習」「挑戦」「家庭の仕事(Job)」を是非生かして下さい。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№11 令和5年7月6日発行

◆ もうすぐ夏休み  ~ 夏休みならではの学習を ~
 7月21日から35日間の夏休みに入ります。普段の宿題では中々身に付けられない学力を高めさせたいと願っています。それは“探究力”(問題を解き明かしていく力)と“主体性”(進んで学習しようとする態度)です。そして,それに打って付けなのが“理科自由研究”です。
 我が家の息子や娘は,二人とも6年間“理科自由研究”に取り組みました。1・2年生の頃は親が手伝いましたが,学年が進むに従って,徐々に自分で出来るようになり,高学年の頃には,親は見守るだけになりました。何回かは素敵な賞も頂き,幸せだったと感じています。
 親としては,進んで学習する気持ちを育てたいという願いもありましたが,やり遂げた達成感や自信が良い思い出となり,子供達の人生を応援してくれたら良いとも考えていました。それは確かめようのない事ですが,それぞれ6冊ある研究作品のその後の行方が教えてくれました。子供達は家を出る時,自分の部屋の荷物を整理して引っ越して行ったのですが,6冊の作品は,それぞれの部屋の寂しくなった棚に“大事そうに”揃えて置いてありました。

    夏休みは思い出づくりのチャンス ~ 理科自由研究のすすめ ~   
 6年生の私は,夏休みが,もうすぐというある日「理科の自由研究に何をやろうかなあ。」と,ぼんやり家の正面に見える山,片曽根山を見ていました。「小学生最後の夏休みだから,あの山みたいに,でっかいことに挑戦したいなあ。」と,ふと思いました。そして,こんなことを思いつきました。「よし,あの山にある花や草などの植物を全種類採集して押し花標本を作ってやるぞ」と。今,考えると,その頃に現在人気のNHK朝ドラ『らんまん』のモデルとなった牧野富太郎博士の伝記を読んでいたからかも知れません。日本中を植物採集して歩き回り,日本で初めての植物図鑑を創った,すごい博士です。
 夏休みが始まると,行ける日は毎日のように山に出掛けて,籠に入るだけのたくさんの植物を根っこごと採ってきて,新聞紙に挟んで重石をのせ,押し花標本を作っていきました。同時に植物の名前を植物図鑑で調べました。何日か経つとすぐに山の全種類の植物採集をすることは,到底無理で如何に大変な事なのかに気付きました。採っても採っても,まだ採っていない植物が,それこそ山のようにあるのです。驚きました。「山の全種類の植物」としていた自由研究の目標を「夏休み中に出来るだけ」と変えざるを得ませんでした。
 今まで「草」と一言で呼んでいた植物が,実際は,たくさん有りすぎて,標本に出来たのは,50種類位でした。でっかい挑戦は成功しませんでしたが,それでもいろいろ分かりました。植物には,とてもたくさんの種類があること,植物の一つ一つに素敵な名前や面白い名前があること,山の上の方にしかない植物があること,毒のある植物もいくつか身近にあることなどです。例えば,家の近くにあったタケニグサという植物は切ると茎から黄色い汁が出るのですが,それが毒だったんです。私はタケニグサを押し花標本にする時に切ったので黄色い汁に触ってしまいました。口に入れなかったので助かりました。だから,タケニグサは今でも一目で分かります。いろいろ分かった事と一緒に「自由研究を一生懸命やったなあ」という良い思い出が出来ました。
 当たり前だと思っていることや不思議だと思ったことを実際にやって確かめてみる事に自分から挑戦できる学習。それが夏休みの理科自由研究なんです。自分で考えて自分で研究を進めていくので,夏休み中に1ヶ月以上学び続けることが出来ます。私達の目標の一番目「自ら学び続ける子ども」にぴったりです。完全にやり遂げることが出来なくても,私のように自由研究が夏休みの一番の良い思い出になることもあります。先生方やお家の方と相談したり,科学に関する本を読んだりして,今のうちに計画を立ててください。自分の心を励ましてくれるような良い思い出の1つを手に入れるためにも,自由研究にぜひ取り組んでほしいと思っています。
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にっこり 校長室だより「自立の丘」№10 令和5年6月27日発行

◆ 可愛い子には旅を・・・  ~ 宿泊学習記 ~
 6月22日から1泊2日で福島県西郷村の国立那須甲子青少年自然の家に5・6年生17名が行ってきました。引率は私の他,教諭2名と養護教諭との4名です。
 1日目,あいにくの雨のために阿武隈川源流を訪ねるハイキングは中止となりました。そこで,雨天時のプログラムとして用意していた,白河だるまの絵付けを行ないました。こういう創作活動は子どもたちの才能が発揮されます。だるまの命は「顔」だということがよく分かりました。思わず「イイね」と言ってしまう個性豊かな顔が揃いました。
 絵付けはハイキングに比べて短時間で済むので,急遽「なすかしココどこ」という室内オリエンテ-リング(地図を片手にチェックポイントを探し出すゲーム)をやることになりました。この自然の家は,施設内を全て回るには1時間以上かかる程に極めて広いのです。雨が降っても施設内で楽しめるように造られています。
 夕食後は,真っ暗な部屋の中でキャンドルを囲んでの楽しいひとときを過ごし,大浴場でさっぱりと汗を流し就寝しました。
 2日目,雨が上がったので予定どおりの野外炊飯です。羽釜でご飯を炊きながら,カレーも作らなければなりません。薪に火をつける事から始めますので結構大変です。子どもたちは役割を分担し,協力して実にスムーズに美味しい昼食を作りあげました。もちろん先生達の力添えはありましたが,合格点のカレーライスでした。大変なのは片付けですが,食器や鍋をピカピカにして,宿泊室の掃除と合わせて「掃除パーフェクト」の賞状が学校に届きました。
 家庭を離れて「自分のことは自分でする」という経験は,自立へ向けて子どもを成長させます。今回の集団宿泊活動は「子どもには厳しい社会の経験を積ませた方が自立できるようになる」という諺(ことわざ)「かわいい子には旅をさせよ」通りでした。この諺を英語で表すと,「Spare the rod,and spoil the child.」(ムチを惜しむと子どもがダメになる)とも言います。体罰をして躾をせよという意味ではなく,古今東西「子どもの成長のためには苦労体験を積ませなさい」という事でしょう。教育活動が社会人としての自立への一助になれば,学校としても嬉しい限りです。

◆ 家族で利用できる自然の家
 我が家では20年位前,息子と娘が小学生の間,毎年「なすかし」に泊って自然体験することを夏休みの恒例行事にしていました。森の中で迷子になりかけて何とか生還したことや協力して野外炊飯をしたこと,虫取りをしたこと等もあって,家族の絆が深まりました。「なすかし」を30歳を過ぎた息子達が「家族の思い出ベストワン」の場所に挙げてくれていることに喜んでいます。
 県内には国立那須甲子青少年の家・磐梯青少年交流の家(2名以上利用可)と県立郡山・会津・いわき海浜自然の家(5名以上利用可)の5施設があり,いずれも食費程度で宿泊できます。家族の絆を深める思い出づくりにオススメです。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№9 令和5年6月16日発行

◆ 責任について考える
 全国中学生人権作文コンテストに小学生時代に友達にケガをさせてしまったエピソードをモチーフにした作文がありました。子どもの「責任」について考えさせられる作文でした。

 【内閣総理大臣賞】  被害者と加害者 それぞれの立場
                        佐賀県武雄青陵中1年 平木洵太
 さだまさし氏の曲に「償(つぐな)い」という有名な作品がある。私が小学生の頃、母が聞かせてくれた話だ。それは,私が過(あやま)って友人に怪我をさせたことがきっかけだった。遊びの中の事故で、決して故意ではなかったが、友人は目のすぐ横を負傷してしまった。……(以下省略)

 法務省ホームページ参照 https://www.moj.go.jp/content/001129613.pdf

 【参考】

♫ 償い(つぐない)  さだ まさし 詩・曲

月末になると ゆうちゃんは薄い給料袋の封も切らずに 必ず横町の角にある郵便局へ とび込んでゆくのだった 仲間はそんな彼をみて みんな貯金が趣味のしみったれた奴だと 飲んだ勢いで嘲笑(あざわら)っても ゆうちゃんはニコニコ笑うばかり 僕だけが知っているのだ 彼はここへ来る前にたった一度だけ たった一度だけ 哀しい誤ちを犯してしまったのだ 配達帰りの雨の夜 横断歩道の人影に ブレーキが間にあわなかった 彼はその日とても疲れてた 人殺し あんたを許さないと 彼をののしった被害者の奥さんの涙の足元で 彼はひたすら大声で泣きながら ただ頭を床にこすりつけるだけだった それから彼は人が変わった 何もかも忘れて働いて働いて 償いきれるはずもないが せめてもと 毎月あの人に仕送りをしている 

今日ゆうちゃんが僕の部屋へ泣きながら走り込んで来た しゃくりあげながら 彼は一通の手紙を抱きしめていた それは事件から数えてようやく七年目に 初めて あの奥さんから 初めて彼宛に届いた便り「ありがとう あなたの優しい気持ちは とてもよくわかりました だから どうぞ送金はやめて下さい あなたの文字を見る度に 主人を思い出して辛(つら)いのです あなたの気持ちはわかるけど それより どうかもう あなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい」 手紙の中身はどうでもよかった それよりも償いきれるはずもない あの人から返事が来たのが ありがたくて ありがたくて ありがたくて ありがたくて

神様って 思わず僕は叫んでいた 彼は許されたと思っていいのですか 来月も郵便局へ通うはずのやさしい人を許してくれて ありがとう
人間て哀しいね だってみんなやさしい それが傷つけあって かばいあって
何だか もらい泣きの涙が とまらなくて とまらなくて  とまらなくて  

 子どもは誰でも友達とケンカをすることがあります。ケンカをすることで社会性を身に付けていくとも言えますが、それが暴力に至り相手に怪我をさせると取り返しのつかないことにもなります。特に「目」は人体で唯一,体外に露出している内臓とも言える脆弱な器官です。カッとしたとしても相手の顔に手がいくようなことは避けなければなりません。
 最近はテレビや格闘型ゲームの影響なのか暴力的になる子どもが増えているように感じます。学校では暴力を振るいそうになる子には深呼吸や数を数えさせて怒りの感情をコントロールできるよう指導したり,じっくり話を聞いてあげたりしています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№8 令和5年6月9日発行

◆ プールの季節到来
 3年振りにコロナウイルス感染症に,さほど神経質にならなくて済みそうな水泳授業の時期がやってきました。1年間,眠りについていたプールを市川さん,渡辺さんのお二人の町外部作業員さん,そして児童と先生達が力を合わせて掃除して美しく,よみがえらせました。人手の少ない状況を劇的に変えたのが,地区の佐久間様から借用した高圧洗浄機でした。頑固な汚れをすっかり落とすことが出来ました。感謝申し上げます。
 学校は簡易水道のため,なかなかプールが満水になりませんが,なるべく早く水泳授業を開始したいと思います。7月20日のプール納めまで水泳に適した日は限られてくると思います。体調を整えて,なるべく多くプールに入って泳げるようになったり,水泳の技能を高めて欲しいと思っています。

かっぱ(河童)を目指そう (6/7 プール開きの話)

 今日は待ちに待ったプール開きです。よかったね。でも私は,小学校5年生になるまで泳げなかったので,それまで水泳の授業は楽しくありませんでした。小学校にプールがなくて,遠くの町営プールまで行って,年に何回かしか水泳の授業がなかったからだと自分は悪くないと言い訳をしていました。でも,みんなはプールが学校にあって幸せですね。どうして泳げなかったかは後で泳げるようになった時,分かりました。水は怖くなかったし,水中で目を開けることも平気でした。体を水に浮かせることも出来ましたが,少し泳ぐとすぐに立ってしまうんです。そういう人は居ませんか。実は息継ぎが出来なかったんです。口や鼻を水から出して息継ぎをしているつもりでも空気を吸えていなかったんです。それが水中で息をたくさん吐けなかったからだと気付いてから,すぐに息継ぎを覚えて泳げるようになりました。

 ところで,水泳の授業は,なぜ行うのでしょうか。みんなの目標「学び・つながり・つくる」の3つめ「つくる」ですよね。「自ら身体をつくる子ども」のためです。体育として体を丈夫にするためですが,命を守ることにもつながります。間違って池や川,海に落ちてしまった時,泳いで岸や船に戻って来れなくても何分間か泳いで浮いていることができると助けてもらえる可能性がグッと高くなります。将来,自分の命を守ってくれることにもつながる大切な授業ですので頑張って取り組みましょう。

 泳ぎの得意な伝説上の生き物に「かっぱ」がいます。河童を目指すような気持ちで泳ぎの練習をしてください。でも,「河童の川流れ」という諺もあります。「泳ぎの得意な河童も油断すると川に流されてしまうことがある」,つまり「あることの専門家でも油断すると失敗するよ」というアドバイスです。水泳で言うと「溺れること」です。気を付け過ぎるぐらい気を付けて水泳の授業を楽しんで欲しいと思います。私も水泳の息継ぎができるようになってからは泳げるようになり,水泳の授業が楽しくなりました。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№7 令和5年5月31日発行

◆ 沢石の子,大活躍
 5月25日に行なわれた第4回田村地区小学校陸上競技大会(田村地区・川内村全15校,約400名参加)において沢石の子達が大活躍しました。6年生全員の10人が出場しましたが,次のような好成績でした。
 ① 男子4×100mリレー(渡邉T・佐久間B・渡辺H・佐久間I・佐久間D)第2位(58秒23)
 ② 男女混成4×100mリレー(渡辺K・佐久間N・佐久間R・佐久間Y・井堀H)第2位(1分01秒9)
 ③ 男子100m…佐久間I 第1位(13秒54) 佐久間B 第4位(14秒49)
 ④ 女子100m…佐久間 N 第5位(15秒96)
 ⑤ 女子800m…佐久間Y 第2位(2分34秒03…大会新記録)
 ⑥ 男子走り幅跳び…渡辺H 第7位(3m47)
 優勝あり,大会新記録あり,入賞多数そして何と言っても6年生全員の10人が3位までに贈られるメダルを手にしたことが喜ばしい限りでした。ふと,20年近く前に私の娘が田村市陸上大会で女子リレーの補欠として優勝メダルを手にしたことを思い出しました。「この娘は運を持ってるな」とその時は感じましたが,今は「神様が練習を見てくれていたのだろうな」と思っています。練習をよく頑張ったね,みんな。そして練習を見てくれた先生達に感謝です。
 また,5・6年生の希望者8名が参加した27日の全国小学生陸上競技交流大会(通称日清カップ)福島県大会田村予選でも8名全員が県大会への出場権を獲得するという好成績でした。力を伸ばして7月2日の県大会に臨んで欲しいです。

◆ PTA奉仕作業に大感謝
 日曜日に歴代PTA会長・副会長会の皆様にもご協力頂き,草刈り・草取り作業をして頂きました。お陰で気持ちの良い教育環境に整えられました。ケガ等の報告は受けていませんが,もし何かあったのであれば,PTA安全互助会傷害保険に加入しておりますので,学校まで連絡いただけると幸いです。誠に有り難うございました。
 また,学校入口付近の道路沿い法面をまちづくり協会の皆様や富沢六楽会及び富沢長寿会の皆様に草刈りをしていただきました。学校では手の届かない場所ですので,大変助かります。この場を借りて御礼申し上げます。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№6 令和5年5月23日発行

◆ 銀河鉄道の父
 役所広司さんが宮沢賢治の父親役を演じる映画『銀河鉄道の父』が話題です。当然,宮沢賢治の生涯も描かれるのですが,父親が主人公なので父親の視点で描かれた家族の物語でした。一番の理解者であり,彼女に読み聞かせようと童話を創作していたと言っても過言ではない二歳下の妹トシが亡くなってしまった後,賢治は創作意欲を失います。特に印象的だったのが,そんな賢治に父親が「わだしが一番の読者になるから書げ」と話しかけるシーンです。「親だけは最後まで子どもの応援者である」とはっきり分かった時の子どものうれしさに思いを馳せました。世間に認められなくても,多くの傑作を書き続けられた秘密の一端が分かったような気がしました。

◆ 宮沢賢治の考え方に学ぶ
 宮沢賢治は自身の死後,ようやく世間に認められて多くの童話が出版された作家ですが,全て人としての生き方への示唆に富んだ作品ばかりです。私が好きな童話としては,虔十(けんじゅう)という若者の植えた700本の杉苗が,自身の死後20年を経て,暑い日に子ども達の涼しい木陰の遊び場所になり,そこに若者の名前が付けられる『虔十公園林』。また,冷害による孤児であった若者が犠牲となって火山を爆発により噴火させ,気候を変えて東北地方の冷害を防ぐ『グスコーブドリの伝記』等があります。いずれも「個人が社会全体のためになる生き方をする」という賢治の思いを感じさせます。
 賢治は著作の中で『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』と述べています。実は昨年から9年間の福島県教育施策の最上位目標が『個人と社会の well-being(幸福)の実現』となっています。県内全ての公立小中高校は,それに向かって学校改革を進めているのです。21世紀の学校教育の目標が20世紀初頭に賢治によって語られていたことに感服します。子どもたちにも『自分も友達も社会も幸せになる」という考え方を育みたいと思います。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№5 令和5年5月18日発行

◆ あいさつは心の扉を開く
 沢石小の子どもたちのあいさつは,大変素晴らしく,朝は“こども守り隊”の方々に「おはようございます。ありがとうございます。」と,そして職員室の窓に向かって「おはようございます。」と,あいさつをしています。でも,中には俯(うつむ)いてしまう子や聞き取れない位のあいさつの子もいます。あいさつをすると相手の心の扉を開き,親しくなれるきっかけを作ってくれます。社会人の習慣として重視し,「あいさつがきちんと出来る者を雇用する」と話す経営者もいる程です。子ども達のあいさつをさらに良くしたいと考えて,全校集会で次のような話をしました。

あいさつで心の絆を結び,つなり合おう

三春町立沢石小学校長 安生昌弘

 ある小学校で私が2年生の担任をしていた時のことです。ある5月の朝,まだ小学生が誰も登校していない早い時間に,私は2年生の教室に向かって歩いていました。すると黄色い帽子をかぶった一人の1年生の男の子が,2年生教室の向こうの1年生教室に入っていくところでした。登校1番乗りです。遠くにいる私には気づいていないようでした。すると,その子は元気の良いかわいい声で「おはようございます」とあいさつしながら1年教室に入っていきました。「1年生の担任の先生が教室にいらっしゃるんだな」と思いました。私は1年生の担任の先生に話があったので,2年生教室を通り過ぎて,さっき男の子が入っていった1年生教室へ行ってみました。すると,どうでしょう。その男の子がいるだけで,後は先生も誰もいません。「A君,おはよう。今,あいさつして教室に入って行ったよね。誰にあいさつしたの?」と聞いてみました。するとA君は,ちょっと考えてから,「『教室に』かなあ。」と言うのです。「毎朝,あいさつするの?」「うん,毎朝だよ。」「偉いねえ。」「ありがとうございます。」 誰もいない教室で話をしました。

 私は素晴らしいなあと思いました。A君は毎朝,誰かにではなく教室にあいさつしているのです。教室を大事に思っている気持ちが伝わってきました。もしかすると,先生か友達か誰かが教室にいても良いようにと,あいさつしているのかも知れません。だから,みんなを大切に思っている気持ちも伝わってきます。私は,A君と仲良くなれたような気がしました。直接あいさつを交わしたわけではないのにです。あいさつは,その人の気持ちを相手や周りの人に伝え,心と心がつながります。つまり,あいさつは学校の教育目標の二つ目「つながり合う子ども」になることに大切なのですね。それを1年生のA君に教えてもらったような気がしました。

「あいさつ」という言葉を活かして「あいさつ運動」というものがあります。「おはよう」「こんにちは」「さようなら」等のあいさつを「あ:明るく,い:いつでも,さ:先に,つ:続けて」しましょうという取組です。あいさつがもう一歩だなという人は,気持ちが良くなるような明るい声で,どんな時でも,相手より先にあいさつをしましょう。また,気持ちの良いあいさつが出来ている人は,あいさつの後に,言葉を続けてみましょう。例えば,交通安全見守りをしてくださっている方に「おはようございます。いつも早い時間にありがとうございます。」とか,沢石地区で会った方に「こんにちは。今日は暑いですね。」とかです。これが「つ:続けて」ということなんです。あいさつで人と人との心のつながりが出来ていきます。「あいさつ運動」で,もっともっとあいさつが溢れる沢石小学校や沢石地区,三春町にしていきましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№4 令和5年5月1日発行

◆ 頑張る沢石の子
 5・6年生の子どもたちは,今,田村地区陸上競技大会に向けて練習に頑張っています。例年であれば,9月に開催される大会ですが,会場の田村市陸上競技場が競技ルール改正に伴う長期改修工事に6月から入るため,今年は5月25日(木)に開催されます。6年生10名が参加しますが,同じ学級の5年生7名も来年のために練習に参加し,頑張っています。上級生に倣(なら)って学び育つという複式学級の良さが出ています。
 4月末から,登校後に体育館での基礎練習,体育の授業や放課後に出場種目毎の練習というサイクルで練習を積み上げています。大会では,10人それぞれの自己ベストを出して,悔いの残らない練習や大会にしてほしいなあと願っています。なお,県小学校陸上競技交流大会田村予選は5月27日(土)に同じ会場で開催される予定です。

◆ 子どもたちは優しい
 学校の校庭(旧 沢石中校庭)には結構多くの石があります。これは,平成23年の東日本大震災に伴う原発事故で校庭表土の入れ替えをした際に,緊急措置のため,あまり上質でない山砂が入れられたことが原因かと思います。砕石やコンクリート片が多いので,子どもたちのケガが心配です。そこで,少しずつ石を拾うことにしました。
 拾い始めて数日後のことです。私の姿に気付いた子どもたちが遠くから「ありがとうございま~す」と声を掛けてくれるようになりました。お礼を言われると,やっぱりうれしいものです。自分が褒(ほ)められて伸びるタイプだと確信しました。
 その数日後は,ある5年生の男の子が黙々と大きな石を掘り出して手伝ってくれました。そしてまた,その数日後になると下学年の子どもたちが,遊びを中断して「校長先生を手伝うよ~」と大勢駆(か)け付けてくれるようになりました。子どもたちの優しさに触れられることも,石拾いの成果です。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№3 令和5年4月25日発行

◆ 大谷翔平選手の人気の秘密
 ベースボール・メジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手がアメリカ合衆国と日本の両国で絶賛されています。それは,投打二刀流としての活躍ばかりでなく,ファンへの誠実な接し方,チームメートやスタッフへの温かい心遣い,グラウンドのゴミをさり気なく拾う行為などから優(すぐ)れた人間性に多くの人が魅了されるからでしょう。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝戦直前にチームメイトを鼓舞した名言も記憶に新しいところです。私の妻は「どうしたら,あんな子が育つのだろう?」などと母親目線で応援しているほどです。子どもたちが,そんな大谷選手の人間性に近づけたら良いなと思って,全校集会で次のような話をしました。

           夢や目標を実現するためには ・・・ 

                      三春町立沢石小学校長 安生 昌弘

 アメリカのメジャーリーグで,多くの人に無理だよと言われた,ピッチャーとバッターでの「二刀流」で大活躍中の大谷翔平選手は,『メジャーリーグで優勝して世界一になる』という自分の大きな夢を叶えるために早くからいくつかの目標を決めて実際に頑張ってきたそうです。まずは,高校1年生の時,「日本の立派なプロ野球のピッチャーになる」という大きな目標を立て,そのために必要な小さな目標を8つ立てました。その8目標毎に8つの計画を立てました。そして,合計64個の計画を考えて3年間取り組みました。もちろん,ピッチャーとしての実力を付けるための計画がほとんどですが,中には「それってプロ野球選手になることに関係あるの?」という計画があります。例えば,「あいさつをする」,「本を読む」,そして「ゴミ拾いをする」なんていう計画もあります。「ゴミ拾いをする」であることに気が付きました。大谷翔平選手が,メジャーリーグの試合中にグラウンドのゴミを拾ってユニフォームのポケットに入れているところをテレビで見ました。つまり,10年以上ゴミ拾いをし続けているのかも知れません。

 夢を叶えたり,目標を達成したりするためには,「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てることが大事なんです。計画を立てなければ,どんな人でも,何もしないまま,ボーっとして過ごしてしまいがちです。同じく有名な元野球選手のイチロー選手も『小さいことを積み重ねるのが,とんでもないところへ行く,ただひとつの道だ』と言っています。小さな計画をたくさんやり遂げると大きな夢をかなえることや高い目標を達成することになるのです。

 学校の目標も実は同じようにつくられています。沢石小学校では,みんなが卒業までに「何でもよく分かり,どんなことでも独りで出来る子ども」になること,『自立』を最高の目標として,3つの目標を決めています。「自ら学び続ける子ども」(知育)「自らつながり合う子ども」(徳育)「自ら身体をつくる子ども」(体育)です。学習だけでなく,学校や家庭でのいろいろなことが『自立』できることにつながっていきます。

 これから「やってみよう」とか「続けてみよう」ということを多く決めて実行しましょう。学校での計画に加えて,家庭での計画,例えば土曜日や日曜日に掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。そうすれば,自分の夢や目標にちょっと関係ないことかなと思っても,大谷選手のように,ちゃんと関係してくるかも知れません。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った多くの計画を立て,続けることを期待しています。続けることは難しいことですが,最も大切なことなんです。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№2 令和5年4月18日発行

◆ 1年生を迎えるフレンド歓迎会
 入学式から丁度1週間後の先週の木曜日に児童会行事としてフレンド歓迎会(1年生を迎える会)が行なわれました。
 明るい音楽が体育館に流れる中,2年生9人にエスコートされて1年生の入場です。1年生は3人なので,それぞれ両手をつながれた上に,一人が付き添うようになりましたので,1年生がすっかり囲まれて,守られている感じです。
 会のはじまりは,1年生へのインタビューからです。6年生に質問される「好きな色は?」等の質問にきちんと答えていく姿に,1週間ですっかり学校に慣れることが出来たんだなあと安心しました。続いて,2~6年生の自己紹介です。いすに座る1年生の前に車座になって縦割り班のメンバーが一人ずつ自己紹介していきました。だんだんと覚えてくれることでしょう。この頃には,ちょっぴり緊張気味だった1年生の表情が明るくなっていました。
 次は,いよいよ楽しそうなゲームの時間です。最初は「YES・NOクイズ」。引いたカードに書いてある言葉を質問によって,みんなが当てるゲームです。全校生が3つのグループに分かれて,実に和やかな雰囲気で進められていました。そして,「ハンカチ落とし」です。自分の背後に落とされたハンカチを持って鬼を追いかける,足の速い子に有利なご存じのゲームですが,高学年の子が下級生に追いつかないように思いやっている姿がありました。「優しい子達だな」と,うれしくなりました。
 最後に,1年生へのプレゼント贈呈です。かぶると6年生の背丈に追いつく程の長いピカピカの王冠,そして顔より大きな1年生の似顔絵の描かれたペンダントを身に着けた3人は,上級生に「かわいい!」を連発されて,3人の女王様が誕生した光景のようです。2~6年生の心を込めて準備した歓迎会に胸が熱くなったひとときでした。

◆ 全校生での滝桜ツアー
 昨年は滝桜が国天然記念物に指定されて百周年でした。それを契機に始まった滝桜ツアーですが,今年は14日(金)に全校生で行って参りました。花はすっかり散っていましたが,巨木の持つ荘厳さを十分に満喫できました。さらには,昭進堂の花見団子の登場です。学校が工夫して費用を捻出しました。
 葉桜となっても観桜客が結構いました。沢石小学生の姿や声に,うれしそうに微笑む方が多く,私までうれしくなりました。バスから観桜客に手を振って三春町観光に一役(ひとやく)買った子ども達を誇らしく思いました。
 午後には,三春の里の広場でお弁当を仲良く食べ,遊具で思い切り遊んで,良い思い出がさらに一つ増えました。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」創刊します。よろしくお願いします。

校長室だより「自立の丘」№1(創刊号) 令和5年4月10日発行◆ 希望あふれる春
 新しい年度がスタートしました。先週には可愛らしい女の子が3名入学しましたが,それだけで学校の中がうれしさで溢(あふれ)れているように感じます。私 校長は,3月末に田村市立船引小学校を定年退職しましたが,縁あって再任用校長として沢石小学校に赴任して参りました。三春町には三春小の教諭や教育委員会の指導主事として10年間お世話になって以来,17年ぶりに勤務することとなりました。よろしくお願いします。
 さて,沢石小学校の教育目標は「豊かな心や人間性・社会性を培い,協働しながら主体的に学びに向かい,心身ともにたくましい実践力のある子どもを育成する」と設定し,次の3つを目指す “子ども像” としています。
        ◎ 自ら学び続ける子ども
        ◎ 自らつながり合う子ども
        ◎ 自ら身体をつくる子ども
 もうお気づきのことと思いますが,3つとも「自ら」が入っています。これが沢石小教育のキーワードです。「自ら」とは「自分から進んで」や「主体的に」と同義の言葉ですから,何でも「自分でする,できる」子どもを目指すということになります。ご家庭でも,子どもたちが自分でできることを増やすようにしていただければと思います。「自分でする,できる」子どもは「自立」できるということになります。「自立」は小学校教育の最上位の目標です。中学校の最上位目標である「自律」(規範意識を持って生きること)に小学校卒業までの間に手が届きつつある姿を目指して,日々の教育を進めたいと考えています。

◆ 登校時刻を10分程度遅らせます
 沢石小学校では,8時10分から朝の活動などが始まります。教職員の出勤時刻も8時10分であるため,早い時間には教職員の数が少ないという状況になります。そこで,不審者侵入や子どもたちのケガなどにしっかり対応するため,本日2校時の校外子ども会で,学校に7時50分から8時00分の間に着くように登校班の集合時刻を決めさせました。今までと多少変わる班があると思いますので,よろしくお願いします。(文責:安生昌弘)

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晴れ 令和5年度前期始業式の話です。

“ 学び つながり つくる 子ども ”  ~ 小さな学校の大きな自信 ~

令和5年度 前期始業式の話          沢石小学校長 安生昌弘

 2年生から6年生の皆さん,今日から令和5年度の前期,最初の1年間の半分が始まります。仲の良い友達が増えそうな人や新しい先生と出会った人もいますよね。楽しみですね。何かが新しく始まるということはとてもワクワクするものです。昨日,学校の周りの木々を見たら野鳥が来ていたり,ウグイスが,にぎやかに鳴いていました。春は,冬の間にじっと耐えていた,いろいろな命が動き出し輝き出す季節です。だから,一層わたしたちは,ワクワクするのですね。がんばるぞという気持ちになりやすいのです。その気持ちが萎(しぼ)んでしまわないうちに,前期の目標を立てましょう。沢石小学校では「自ら学び続ける子ども」「自らつながり合う子ども」「自ら身体をつくる子ども」という3つの目標で,がんばっていますので,この3つの目標を心に置いて自分の目標を立てることが大切です。             

 みんなが自分の目標を立てるときには,担任の先生と相談しながら立ててください。それは,自分に合った目標を持てた人が,すばらしい自分に近づくことができるからです。辛いことがあっても頑張ることができます。自分に合った目標を立てるコツは,難し過ぎないけれど,簡単過ぎない目標を考えることです。少し頑張れば,できそうな目標。長く続けられそうな目標。そんな目標を見つけられるといいですね。「目標」という名前のエネルギーを,自分の心に入れられる,やる気の溢(あふ)れる春にしてほしいと思います。

 先生方はみんなで話し合って,「学習や学校行事を通して“ぼく,私はできるんだぞという自信のある子どもたちを育てよう。」と先生方の目標を立てました。みんなもなるべく早く目標を立ててください。

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