校長室からお届けします

校長室だより「自立の丘」

にっこり 校長室だより「自立の丘」№33 令和6年4月25日発行

◆ 夢や目標を実現するためには・・・
 夢や目標を持つことができても,考えてばかりいては虚(むな)しい空想に終わってしまいます。まずは,行動することが大事だと思い,全校集会で次のような話をしました。

 アメリカのメジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手は,『メジャーリーグで優勝して世界一になる』という自分の大きな夢を叶えるために早くからいくつかの目標を決めて実際に頑張ってきたそうです。

 まずは,高校1年生の時,「日本の立派なプロ野球のピッチャーになる」という大きな目標を立て,そのために必要な小さな目標を8つ立てました。その8目標毎に8つの計画を立てました。そして,合計64個の計画を考えて3年間取り組みました。もちろん,ピッチャーとしての実力を付けるための計画がほとんどですが,中には「それってプロ野球選手になることに関係あるの?」という計画があります。例えば,「あいさつをする」,「本を読む」,「モノを大切にする」なんてものまであります。そして,最近はたくさんのお金を信頼していた人に盗まれるということがありました。それでも,何事もなかったように活躍していることがすごいと思いませんか。調べて見ると,64個の計画の中に「ピンチに強い人になる」というものがありました。思うとそんな風になれるのだなと感心しますし,勇気を貰ったように感じました。

 夢を叶えたり,目標を達成したりするためには,「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てることが大事なんです。計画を立てなければ,どんな人でも,何もしないまま,ボーっとして過ごしてしまいがちです。学校にも目標があります。沢石小学校では,みんなが卒業までに「何でもよく分かり,どんなことでも独りで出来る子ども」になること,『自立』を最高の目標として,3つの目標を決めています。「自ら学び続ける子ども」(知育)「自らつながり合う子ども」(徳育)「自ら身体をつくる子ども」(体育)です。学習だけでなく,学校や家庭でのいろいろなことが『自立』できることにつながっていきます。

 「これからやってみよう」とか「続けてみよう」ということを多く決めて実行しましょう。学校での計画に加えて,家庭での計画,例えば土曜日や日曜日に食事の後片付けを手伝おうでも良いし,トイレを掃除しても良いし,1日30分間,本を読むでも良いです。そうすれば,自分の夢や目標にちょっと関係ないことかなと思っても,大谷選手のように,ちゃんと関係してくるかも知れません。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った多くの計画を立て,続けることを期待しています。続けることは大切で,しかも難しいことなのです。でも,まずは一歩目を踏み出しましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№32 令和6年4月15日発行

◆ 満開の滝桜に会える幸せ
 滝桜見学は2年目にして,絶好のタイミングとなりました。先週の金曜日,全校生36名は,満開の見頃を迎えた滝桜に会うことができました。花曇りの天気とはいえ,風がなかったので,充分に滝桜の慈愛に満ちた圧倒的な存在感を満喫することが出来たようです。
 開花期間だけで十数万人の見物客を集める一本桜は他には無いでしょう。そのため,車の渋滞が発生するので,かえって町民の方は,見頃の観桜ができないと耳にします。校歌の1番に「仲良く開く桜(の花)のように 心がそろう」とあります。今回,満開の滝桜を間近に見ることができた36名の全校生には,樹齢1000年を超える滝桜の花が咲きそろう姿を永く覚えていてほしいと思います。
◆ 登校することは当たり前?
 今年度は,学校が月曜日に始まったので,学校の第1週めは5日間でした。滝桜見学があったからかも知れませんが,その5日間は全校生全員が休まずに登校できました。これは当たり前ではなく,素晴らしいことです。実は,令和5年度に全員が休まず登校できたのは,授業日205日のうち38日,連続全員出席の最長は3日間で1回だけでした。インフルエンザが流行した昨年12月は1日も無かったほどです。ですから,全ての教室に全員が揃った1週間は,うれしい限りなのです。週明けの今日は月曜日です。大人でも仕事に出かけるのが辛い時もあるように,「登校」というハードルは高いものです。子どもたちも疲れが出たのか,5人が欠席でした。
 子どもの誰もが当たり前に登校するわけではないと思います。かぜ等を引いていなくても,気持ちを奮い立たせて,登校している子もいるでしょう。身体が元気なだけでなく,心も元気でないと登校できないものです。そこで,沢石小では「子どもたち同士が協力して問題を解決する授業」を『楽しい授業』と捉え,それによって,自分も友達も学校も大好きになるようにしたいと考えています。子どもの心が元気になるような『楽しい授業』を目指して,先生達は工夫を重ねています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№31 令和6年4月10日発行

◆ 滝桜の開花と共にスタートしました
 沢石小学校の新しい年度が,ちょうど三春滝桜の開花と共に始まりました。どの学年の子ども達も,進級したことによる「やる気」に満ちている様子が校長室にまで伝わってきて嬉(うれ)しい限りです。一方,最近では自己肯定感と言って,「自分自身を好きだ」という感情が少ない子どもがいると問題になっています。一昨日の始業式で,次のような話をしました。

1学期始業式の話

 先生達は,みんなに次の三つを大好きになってほしいと思っています。

 一つ目は,「自分 大好き」です。皆さんは自分のことが好きですか。「もっと速く走れたらいいのに…」とか「もっと勉強ができたらいいのに…」といったように,苦手なことや失敗をすると,自分のことが嫌になってしまうかも知れません。苦手なこと,出来ないことがあることも含めて自分を好きになってください。自分のことが大好きになると,色々な事に挑戦してみようと気持ちが前向きになってきます。そして,自分自身を大切にしようと思うようになります。

 二つ目は,「友達 大好き」です。自分を大切にできる人は,友達のことも大切にするようになります。時にはケンカをすることもあるでしょうが,友達を大切にすることで,自分が困ったときに助けてもらったり,反対に自分が友達のことを助けてあげたり出来ます。得意,不得意は人によって様々ですが,そうやってお互いがお互いを認め,支え合うことで,独りでは難しいことにも沢山挑戦できるようになります。

 最後の三つ目は,「学校,沢石地区 大好き」です。学校やこの沢石地区のことを大好きになってください。学校のことが好きになると,心も身体も伸び伸びと元気になります。みんなが,いつも元気に楽しく,安心して学校に来られるように,先生達だけでなく地域の方々も見守ってくれています。皆さんは地域の方々に守られ,育てられています。そんな学校や沢石地区のことをどんどん好きになってほしいと思います。

 たくさんの「大好き」で,一人一人が新しい一年を楽しく元気に過ごし,素敵な大人に向かって成長していってほしいと思います。一緒に頑張りましょう。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№30 令和6年3月14日発行

◆ 3.11を契機にして“命”について考える
 今週月曜日は,東日本大震災から13回目の3月11日でした。小学生全員が震災後生まれとなった今,能登半島地震に思いを致しながら,命の大切さについて考えてほしいと思い全校集会で話をしました。

奇跡の命 ~ 命のバトン ~

  一昨日の3月11日で東日本大震災から13年経ちました。とても大きな地震があって,岩手県,宮城県,そして福島県で2万人以上といいますから,三春町の人ぜんぶより多い人が,海の水が押し寄せる津波で溺れて亡くなりました。今年の1月1日には能登半島で大きな地震があり,240人以上の人が崩れた建物の下敷きになって押しつぶされて亡くなりました。その中には,小学生や中学生の子どももいました。今日は,命についての話をしたいと思います。

 みんなは,誰でもお父さんとお母さんとの間に生まれました。そして,お父さんは,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれ,お母さんも,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれました。だから,一人の子どもである,みんなは,4人のおじいちゃんやおばあちゃんが居てくれたので,今,ここに居ることになりますよね。

 もう少し,昔まで考えてみます。曾おじいちゃんや曾おばあちゃんまで考えると,みんなには,それぞれ4人のおじいちゃん,おばあちゃんの2倍の8人の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんがいるわけです。1代前のお父さんとお母さんが2人,2代前のおじいちゃんとおばあちゃんが4人,3代前の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんが8人なんだね。その上,4代前になると,もうそれはご先祖様と言えますね。もう分かってますね。そう16人です。みんな一人一人は,4代前のご先祖様16人全員が自分たちの子どもが生まれるまで元気で生きていないと,みんなは今,沢石小に居ないんです。実は,4代前のご先祖様16人の頃は,日本に大きな戦争があった昭和の時代で,300万人と言いますから,当時の日本国民の30人に1人以上の兵隊さんや普通の人々が死んでしまったのです。そんな厳しい時代を生き抜いたご先祖様の命を引き継いでいるのが,みんなです。命のバトンを奇跡的に引き継いでいるリレーみたいです。

 その厳しい戦争の前の大正時代と言われる5代前になると32人のご先祖様になりますが,まだずっと続いています。ずっとずっと昔になって,20代前になると,一人のあなたのご先祖様は何人になると思いますか。何と1,048,756人(百四万八千七百五十六人)になるんです。すごい人数ですよね。その中のたった一人でも居なかったら,あなたは,ここに居ないんです。20代前というのは戦国時代と言って,日本中のお侍が刀や槍,火縄銃などで戦争をしていた時代です。その時代を生き抜いた,ご先祖様の命をみんなは受け継いでいるんです。奇跡的なことですよね。

 そんな“奇跡の命”を持っている,みんなは,どうしなくちゃいけないと思いますか。大切に大切にしなくちゃならないのです。自分の命も他の人の命もです。自分の命を大切にするっていうのは,事故に遭わないように生活すること,他の人の命を大切にするっていうのは,いじめをしたりせずに思いやりを持って優しくすることだと思います。お互いの命を大切にして,みんなも大人になったら,奇跡の命をバトンのように未来に渡していってほしいと願っています。

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にっこり 校長室だより「自立の丘」№29 令和6年3月7日発行

◆ 素敵なフレンドお別れ会
 沢石小は全校生で6つのたてわり班「フレンドグループ」(1班7~8名)を編制して様々な活動を行なっています。活動の中で,上級生が下級生の面倒を見たり,下級生が上級生を見習ったりする姿が見られるので,“フレンド(友達)”というより,私には“きょうだい”のように感じられる程です。
 昨日の3校時は「フレンドお別れ会」でした。以前の「6年生を送る会」にあたります。フレンド班対抗のゲームや全校生でのクイズを楽しんだ後,フレンド班の下級生から6年生へのプレゼントがありました。心のこもったブック型のメッセージ集です。ちょっと見せてもらうと,実に丁寧な文字で書かれたメッセージが写真などと共に貼り付けてありました。6年生は,お返しに一人一人に手紙のプレゼントを渡していました。全校生が大事そうに互いのプレゼントを持つ姿に,今年1年間のフレンド活動の成果を見る思いでした。
 最後には,現代っ子らしく,下級生がYOASOBI(よあそび)の『ハルカ』,6年生が卒業式に歌う『僕ら また』(ソギョン)を贈り合って,楽しいひとときを閉じました。


◆ アート&クラシック
 先週末に三春交流館「まほらホール」で行なわれた,石田智子さん(福聚寺)のファイバーアートとコラボレーションした“プリマベーラ コンサート”(プリマベーラとはイタリア語で「春」の意味)に行ってきました。日本フィルハーモニー交響楽団に所属する3人によるフルート,ヴァイオリン,チェロでの演奏でしたが,名曲から馴染みの楽曲までの20曲余りで2時間を超える素晴らしいコンサートでした。ステージの背景にはファイバーアート(紙縒り等を素材とした芸術)があり,そのシルエットが独特の雰囲気を醸し出していました。
 演奏家の一人,チェロの山田智樹さんは三春中出身とのことで,それも嬉しいことでしたが,私は入場整理券を手に入れる際に感心したことがありました。コンサートを知ったのが直前だったので,12月配付の整理券は無くなっているだろうと思っていました。しかし,都合が付かなくなった方々が返却されたので,私は入場することが出来ました。無料である整理券を聴きたい方のために返却する町民の方の思いやりに感動すら覚えました。子ども達を素敵な三春町民に成長させたいと決意を新たに出来たコンサートでもありました。

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