◆ 夢は頑張ることの原動力
夢を持つことは、子ども達が頑張ることの原動力になります。イチロー選手の野球殿堂入りに触発されて、全校集会で話しました。
夢に向かって新しい一歩を踏み出そう
よく「あなたの夢は何?」とか「将来の夢は何?」とか訊かれますよね。これは、「大人になったらどんな仕事をするのか」とか「どんな大人になるのか」とか、そういうものです。つまり、「人がなぜ生きていくのか」とか「なぜ頑張っているのか」ということの答えみたいなものが夢なのです。人が何十年もの長い時間をかけて頑張って辿り着くものが「夢」なんです。とても遠くにある「最後の目標」とも言えます。
有名だけど、叶えるのが、とても難しい夢があります。それは、「宇宙飛行士」です。日本人で宇宙飛行士になって宇宙に行った人は、人間が宇宙に行くようになった63年間で、たった14人しかいません。(東京大学は毎年3、000人以上です)その中でも一番多く5回も宇宙に行って合わせて504日間滞在し、宇宙ステーションの船長を務めた若田光一さんの言葉を紹介します。『人生は究極的には、自分への挑戦。ハードルが高ければ高いほど、やり甲斐があると信じ、どんなときも前を向くことが大事。』です。人が生きていく意味が、夢にどれだけ近づけるかですから、それは人との競争ではなくて自分自身がどれだけ頑張れるのかという事なんですね。自分の「怠けたい」とか「楽をしたい」とか、そんな怠け心に自分の良い心が勝つという事なのです。ハードルとは頑張るのが難しい幾つもの目標のことを言っています。難しければ難しいほどできた時うれしいぞと諦めないことが大事だと若田光一さんは言っているんですね。そのハードルが実はみんなの立てているめあてなのです。そして、いくつものハードルを越えた先にあるゴールがみんなの「夢」なのです。アメリカ・メジャーリーグの野球殿堂入りを日本人で初めて果たした、イチロー選手(日本1287安打、米3089安打、計4367安打~ギネス)もこう言っています。『小さなことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだなと思う。』
今、みんなが学校で学習や活動のめあてを立てて頑張ること、つまりハードルを一つ一つ越えて前に進んでいくことは、必ず大人になって夢を叶えることや仕事を頑張ること、幸せな生活をすることになるのですよ。もう夢がある人は、素晴らしいと思います。でも、夢はその時その時で変えても良いものです。これから、色々な人や経験と出会うこと考え直して変えていくことも良いのですよ。まだ夢のない人も、焦らなくていいです。夢を探していると、これから、色々な人や経験と出会う中で、必ず見つかります。それまでは、目の前に小さな目標を決めて、計画を立てればいいのです。そして、“はじめの一歩”を踏み出すことが大事なんです。
◆ 良い年になることを願います
令和7年は穏やかな三が日からスタートして,良い年の予感が高まりました。子ども達にとっても,それぞれの良い年になることを願いながら,昨日,話をしました。
何かを始める新しい一歩を踏み出そう
今日は令和7年,最初の学校の日です。みんなは学年が1つ上に上がる年のスタートの日です。特に6年生は卒業をして中学校へと進学する年になりました。いよいよという感じですね。今日は1月8日ですが,昨日までに家族から「あなたの今年の計画や目標は何かな。」と訊ねられた人はいますか。実は日本には古くから『一年の計は元旦にあり』といって「その年1年間の計画は元日の朝に決めると良い」ということわざがあります。これは本当は「計画は早いうちに立てて,すぐ取り組むことが大切なんだよ」という私たちの生き方へのアドバイスなのです。
「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てなければ,誰でも何もしないままに,過ごしてしまいがちです。そうなってしまわないように,日本人は『一年の計は元旦にあり』ということわざで注意をするように言い伝えてきました。
小さな計画をたくさんやり遂げると,関係ないようでも,いつか大きな夢をかなえることに必ずつながります。日本野球界で9年,USAメジャーリーグで19年,合計28年間も活躍し続けたイチロー選手も「まずは自分の目標を決めて,計画を立てることが自分を高める第一歩だよ」と言っています。つまり「はじめの一歩」を踏み出すことが大事です。
学校での2学期のめあてとは別に何か目標を決めて,「これからやってみよう」とか「続けてみよう」という計画を立てて家族に話しましょう。土曜日や日曜日に家で掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。家族に話すと,きっとみんなを応援してくれるし,何よりも怠けそうになる自分を自分の心が励ましてくれるようになります。
まだ1月8日ですから間に合います。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った計画を立てましょう。新しい年のスタートに,みんなが「はじめの一歩」を踏み出すことを期待しています。
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◆ 良いお年をお迎えください
令和6年は,年明けから能登半島地震があったり,三春町立小学校の再編についての話題があったりと何かと心を揺るがすことがあったように感じます。年末年始は,子ども達が家族とゆっくり過ごして,良い新年のスタートを切ってくれると良いなと願っております。どうぞよいお年をお迎えください。
冬休みは“進んで勉強”と“礼儀正しさ”のチャンス! (振り返りの会の話)
今日は冬休み前の授業が終わる,締めくくりの日ですね。冬休みは夏休みと違って,「1年間で勉強することの大部分が終わっている」とか「年末やお正月がある」とかいうことから皆にとって2つの『チャンス』があるのです。
まずは、一つ目のチャンスです。4月から始まった各学年の学習は,3ヶ月分くらいを残して今日までに終わりました。4月から今まで学習したことを振り返ってみて全部を身に付けている人は,そうはいないでしょう。ですから,「復習」と言って,もう一度学習し直す内容がたくさんあります。そして,分かる・出来る学習と分からない・出来ない学習は人によって違いますから,自分で学習する中身を考えて勉強しなければなりません。宿題があると勉強するけど,ないと勉強しない人がいるでしょう。だから,やる気にならないと「復習」は,することができないのです。今年も1月30日にちょっと難しい問題の「沢石小 算数コンクール」を行います。自分のよく身に付いていない算数の内容について力を入れて復習をしないと問題を解くことができないかも知れません。冬休み中に“自分から進んでの勉強”に挑戦しましょう。
次は二つ目のチャンスです。普段会えない親戚や知り合いの年上の人に会ったら,礼儀正しくあいさつをするチャンスがあるし,何かしてもらったら,「ありがとう」と言うチャンスがあります。また,大晦日12月31日に家族に「1年間,色々ありがとうございました。」なんて言うと,びっくりされるかも知れませんよ。家族に対しても「親しき仲にも礼儀あり」という言葉のように礼儀正しさが時には必要なんです。冬休み中にたくさん“礼儀正しい”言葉づかいやあいさつ,そして行動を心掛けましょう。
今年の冬休みは,15日間ありますが,ボーっとしていると,あっという間に終わってしまいます。ボーっとしていて誰かに叱られないように,自分から進んで取り組む勉強,そして意識して礼儀正しく話したり行動したりすることに頑張ってほしいと思います。事故や怪我,健康に気を付けた生活を送って,来年の1月8日(水曜日)に元気に登校し,登校途中に会う大人の方や先生方に「おはよう」の代わりに「新年おめでとうございます」と,あいさつができると素晴らしいと思います。
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◆ 昔話から生き方を考える
最近の“闇バイト”問題を見ていると,「楽をして金銭を得よう」「苦労しないで生きて
いこう」というような風潮を感じてしまいます。「幸せに暮らしたい」とは,誰しも思うところかも知れませんが,それが「遊んで暮らす」「楽して生きる」ことでは無いことを考えてほしいと願い,昔話から考えることを昨日の全校集会でやってみました。
みんなは『浦島太郎』のお話を知っていますか。 むかしむかし,ある村に,心のやさしい浦島太郎という若者がいました。浦島太郎が海辺を通りかかると,子どもたちが大きなカメを捕まえていました。そばによって見てみると,子どもたちがみんなでカメをいじめています。「おやおや,かわいそうに,逃がしておやりよ」「いやだよ。おらたちが,やっと捕まえたんだもの。どうしようと,おらたちの勝手だろ」見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら,浦島太郎を見つめています。浦島太郎はお金を取り出すと,子どもたちに差し出して言いました。「それでは,このお金をあげるから,おじさんにカメを売っておくれ」浦島太郎は,子どもたちからカメを受け取ると,カメをそっと,海の中へ逃がしてやりました。 さて,それから二,三日たったある日の事,浦島太郎が海に出かけて魚を釣っていると, 「・・・浦島さん,・・・浦島さん」と,誰かが呼ぶ声がします。「わたしですよ」すると海の上に,ひょっこりとカメが頭を出して言いました。「このあいだは助けていただいて,ありがとうございました。おかげで命が助かりました。ところで浦島さんは,竜宮へ行った事がありますか?」「竜宮? さあ? 竜宮って,どこにあるんだい?」「海の底です。わたしがお連れしましょう。さあ,背中へ乗ってください」 カメは浦島太郎を背中に乗せて,海の中をずんずんともぐっていきました。海の中にはまっ青な光が差し込み,コンブがユラユラとゆれ,赤やピンクのサンゴの林がどこまでも続いています。浦島太郎がウットリしていると,やがて立派なご殿へ着きました。カメに案内されるまま進んでいくと,この竜宮の主人の美しい乙姫さまが,色とりどりの魚たちと一緒に浦島さんを出迎えてくれました。 「ようこそ,浦島さん。わたしは,この竜宮の主人の乙姫です。このあいだはカメを助けてくださって,ありがとうございます。お礼に,竜宮をご案内します。どうぞ,ゆっくりしていってくださいね」浦島太郎は,竜宮の広間ヘ案内されました。浦島太郎が用意された席に座ると,魚たちが次から次へと素晴らしいごちそうを運んできます。ふんわりと気持ちのよい音楽が流れて,タイやヒラメやクラゲたちの,それは見事な踊りが続きます。ここはまるで,天国のようです。 そして,「もう一日,いてください。もう一日,いてください」と,乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに,三年の月日が経ってしまいました。 三年経ったある日,浦島さんは竜宮から帰ろうと思いました。 今日の『浦島太郎』のお話は,ここまでです。浦島太郎は,3年もの間,仕事もせずに毎日遊んで暮らし,おいしいごちそうを音楽や踊りを見ながら食べる,天国のような生活をしていました。一生そうやって暮らすことも出来たのに,なぜ帰ろうと思ったのでしょうね。遊んでいた方が楽なのに,仕事をしたり食事を作ったりする,暮らすのが楽ではない世界に戻ろうと思ったのでしょうね。みんなは,どう思いますか。友達と話し合ってみましょう。
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大人の皆さんは,どうお考えになりますか。
◆ 走ることって素晴らしい
持久走やマラソンは辛いものですが,実は素晴らしい効果がたくさんあります。子どもたちが少しでも前向きになるように全校集会で話をしました。
今,どの学年も持久走の練習に取り組んでいますね。素晴らしいことです。でも,中には「長い距離を走ったり,長い時間走るのは,辛いなあ」とか「いやだなあ」とか思っている人がいるんじゃないかな。でも,走ることは,良いことにもつながるので頑張ってほしいと思っています。どんな良いことがあるのでしょうか。 実は,みんなのおじいちゃんやおばあちゃんの世代の人は,足の速い人を「まるで韋駄天のような人だね」とか「韋駄天のように走るね」とか言ったりします。実は,韋駄天とは,お寺を守る神様の一人なんです。大昔,仏様の大切なものを足の速い鬼が盗んで逃げようとしたところを,鬼よりも速く走って捕まえて,大切なものを取り戻したと言われています。そこで,韋駄天は泥棒が来ないようにしてくれる神様になり,足が速い人のお手本になったというわけです。そして,もう一つ素晴らしいことがあって,子どもが病気にならないようにしてくれる神様でもあると言うんです。これには思い当たることがあります。走ることは,みんなの肺や心臓を強くしてくれます。走ると息が苦しくなったり,胸のドキドキが速くなったりするでしょう。これは,息をするための肺や足に力を送るための心臓が強くなっていくために必要なことです。だから,健康な体になるので,病気になりにくい体になるんです。足が速いことと関係があるんですね。 韋駄天という神様と関係がないことでも走ることの良さがあります。子どもが走ると背が伸びるんです。子どもの体中の骨は,走ったときのジャンプの揺れがスイッチとなって骨が伸びるんだそうです。だから,3歳から5歳くらいの小さい子は,自分で走ろうと思わないでも,脳が早く育ちたいと思っていて,体が勝手に動いて走ってしまうそうです。子どものうちがチャンスですよ。走ると健康になるし,背も伸びるかもしれない。だから神様に関係があるというように感じて,昔の人は韋駄天を大切に考えたのかもしれませんね。 持久走は走らなければ絶対に速くなりません。走れば必ず速くなります。そして練習をやり遂げたり,走りきった時の何とも言えない,良い気持ち「達成感」を感じることが出来ません。弱い自分に打ち勝つことが出来るのも持久走の良いところです。残りの練習を本気でやって少しでも自分の記録を縮めましょう。そして同時に,「自ら身体をつくる子ども」,つまり自分から身体を鍛えてつくる沢石の子どもになりましょう。 |
◆ もうすぐスポーツ・フェスタ
健康な身体をつくると共に運動に親しもうとする気持ちを高めるために行うスポーツ・フェスタですが,友達との絆を深めて欲しいと願い,子ども達に次のような話をしました。
今から5年前に私の従兄の息子さんS君が結婚式を挙げました。とても心温まる結婚披露宴が行われ,私も参加していました。披露宴の最後にお婿さんS君のお父さんである,私の従兄がお礼の言葉を話し始めました。その中に,こんな話がありました。 息子のSは小学校の時から,ずっと大きくなるまで賞状をもらうような「賞」という物を何ももらったことがない子どもでした。小学校の運動会でもそうで,足が遅くて3等賞までに一度も入ったことがありませんでした。でも一度だけ大チャンスがあったんです。 小学校最後の6年生の運動会のことでした。その時は個人競走が障害物競走で,跳び箱を越えたり,大きなネットをくぐったり,平均台を渡ったりする種目でした。息子のSの順番がやってきました。スタートすると,やっぱり一番最後を走って行きます。ところが,前を走っていた多くの子ども達がネットをくぐる時に引っかかってしまい,引っかかった子によって出来たネットの隙間をSがスッと抜けて,あっという間に2位になりました。後は前を行く1位の子だけです。生まれて初めての賞かも知れない。私たち家族は大声で応援しました。1位の子が最後の平均台を渡り始めました。ところが渡り終えるところで何と転んでしまったのです。すぐには起きられないようでした。もう一本の平均台を渡り終えたSが1位になりました。もうあと少し走ればゴールです。家族が『やったぞ。生まれて初めての1等賞だ』と思った瞬間,Sは何を思ったか,くるっと後ろを向くと転んだ子の所へ戻り,起こしてあげているではありませんか。その間にみんなゴールしたので,結局転んだ子と二人で一番最後に仲良くゴールしました。 息子のSは賞を獲れませんでしたが,私たち家族は1等賞目前で友達の所へ戻った息子から1等賞をもらったような気持ちになりました。優しい息子を誇りに思えたからです。今日の素敵なお嫁さんとの結婚式は,それ以来2回目の1等賞をもらったような気持ちです。 この話を初めて聞いた隣のお嫁さんは感激して,涙を流しながら聞いていました。優しい人は優しい人と惹かれ合って結婚するんだなあと思いました。 スポーツ・フェスタは,その練習の中や当日のスポーツ・フェスタで,体を鍛えて健康になるばかりでなく,友達と協力しながら,いろいろやり遂げていく途中で友達と絆を結び「つながり合う」ことに,ぴったりの行事です。6年生は最後の,1年生は初めてのスポーツ・フェスタで健康な「身体をつくり」,そして友達と固く「つながり合う」ことを目指して頑張りましょう。そして,勝ち負けだけでなく,友達の素敵だなとか頑張ってるなとか,そんな姿が見えたときには,大きな声で応援をして下さい。 |
◆ 男女混合4×100mリレー初制覇
以前は市町村ごとに行われていた「陸上競技大会」が,田村地区3市町の6年生が一堂に会して実施されるようになって5回目を迎えました。今年は,田村地区内に川内小中学園を含めて15校から462名が田村市陸上競技場に集い,9月20日に開催されました。
陸上競技は基本的に個人競技です。7名の6年生はとても頑張り,大人数の他校に臆することなく,銀メダルや入賞を獲得するなど,大活躍でした。特に唯一の団体種目である男女混合4×100mリレーは初めての優勝を獲得しました。リレーはチームワークが大切で,オリンピックチームでもバトンパスの失敗をしてしまう位の難しさです。沢石小チームはレースを常に支配して貫禄の1位という様子でした。小さな学校の大きな力を田村地区内に示してくれました。
でも,最もうれしかったことは,7名全員の「一生懸命さ」が常に見られたことです。今話題の大谷翔平選手が少年野球の監督である父親から励まされたことの一つが「一生懸命走る」とのことです。この「一生懸命さ」が子どもたちの未来を開くことにつながるだろうと幸せな気持ちになった陸上競技大会でした。
◆ 最後の鼓笛隊にぜひ地域の方も…
昭和41年(1966年)に鼓笛隊の楽器を購入して始まったと思われる沢石小鼓笛隊の最後の演奏が,10月26日(土)のスポーツ・フェスタ(運動会)で行われます。例年は開会式前に演奏していましたが,今年は最後なので多くの地域の方にも聴いていただきたく,来場しやすい10時頃に特別種目として全校生36名で演奏します。ご来場の上,大きな拍手を賜れば幸甚に存じます。 |