校長室からお届けします

校長室だより「自立の丘」№50 令和7年1月30日発行

2025年1月30日 12時50分

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◆ 夢は頑張ることの原動力

 夢を持つことは、子ども達が頑張ることの原動力になります。イチロー選手の野球殿堂入りに触発されて、全校集会で話しました。

      夢に向かって新しい一歩を踏み出そう

 よく「あなたの夢は何?」とか「将来の夢は何?」とか訊かれますよね。これは、「大人になったらどんな仕事をするのか」とか「どんな大人になるのか」とか、そういうものです。つまり、「人がなぜ生きていくのか」とか「なぜ頑張っているのか」ということの答えみたいなものが夢なのです。人が何十年もの長い時間をかけて頑張って辿り着くものが「夢」なんです。とても遠くにある「最後の目標」とも言えます。

 有名だけど、叶えるのが、とても難しい夢があります。それは、「宇宙飛行士」です。日本人で宇宙飛行士になって宇宙に行った人は、人間が宇宙に行くようになった63年間で、たった14人しかいません。(東京大学は毎年3、000人以上です)その中でも一番多く5回も宇宙に行って合わせて504日間滞在し、宇宙ステーションの船長を務めた若田光一さんの言葉を紹介します。『人生は究極的には、自分への挑戦。ハードルが高ければ高いほど、やり甲斐があると信じ、どんなときも前を向くことが大事。』です。人が生きていく意味が、夢にどれだけ近づけるかですから、それは人との競争ではなくて自分自身がどれだけ頑張れるのかという事なんですね。自分の「怠けたい」とか「楽をしたい」とか、そんな怠け心に自分の良い心が勝つという事なのです。ハードルとは頑張るのが難しい幾つもの目標のことを言っています。難しければ難しいほどできた時うれしいぞと諦めないことが大事だと若田光一さんは言っているんですね。そのハードルが実はみんなの立てているめあてなのです。そして、いくつものハードルを越えた先にあるゴールがみんなの「夢」なのです。アメリカ・メジャーリーグの野球殿堂入りを日本人で初めて果たした、イチロー選手(日本1287安打、米3089安打、計4367安打~ギネス)もこう言っています。『小さなことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだなと思う。』

 今、みんなが学校で学習や活動のめあてを立てて頑張ること、つまりハードルを一つ一つ越えて前に進んでいくことは、必ず大人になって夢を叶えることや仕事を頑張ること、幸せな生活をすることになるのですよ。もう夢がある人は、素晴らしいと思います。でも、夢はその時その時で変えても良いものです。これから、色々な人や経験と出会うこと考え直して変えていくことも良いのですよ。まだ夢のない人も、焦らなくていいです。夢を探していると、これから、色々な人や経験と出会う中で、必ず見つかります。それまでは、目の前に小さな目標を決めて、計画を立てればいいのです。そして、“はじめの一歩”を踏み出すことが大事なんです。

校長室だより「自立の丘」№49 令和7年1月9日発行

2025年1月20日 08時20分

◆ 良い年になることを願います
 令和7年は穏やかな三が日からスタートして,良い年の予感が高まりました。子ども達にとっても,それぞれの良い年になることを願いながら,昨日,話をしました。

      何かを始める新しい一歩を踏み出そう

 今日は令和7年,最初の学校の日です。みんなは学年が1つ上に上がる年のスタートの日です。特に6年生は卒業をして中学校へと進学する年になりました。いよいよという感じですね。今日は1月8日ですが,昨日までに家族から「あなたの今年の計画や目標は何かな。」と訊ねられた人はいますか。実は日本には古くから『一年の計は元旦にあり』といって「その年1年間の計画は元日の朝に決めると良い」ということわざがあります。これは本当は「計画は早いうちに立てて,すぐ取り組むことが大切なんだよ」という私たちの生き方へのアドバイスなのです。

 「何かをやってみよう」とか「何かを続けてみよう」と計画を立てなければ,誰でも何もしないままに,過ごしてしまいがちです。そうなってしまわないように,日本人は『一年の計は元旦にあり』ということわざで注意をするように言い伝えてきました

 小さな計画をたくさんやり遂げると,関係ないようでも,いつか大きな夢をかなえることに必ずつながります。日本野球界で9年,USAメジャーリーグで19年,合計28年間も活躍し続けたイチロー選手も「まずは自分の目標を決めて,計画を立てることが自分を高める第一歩だよ」と言っています。つまり「はじめの一歩」を踏み出すことが大事です。

 学校での2学期のめあてとは別に何か目標を決めて,「これからやってみよう」とか「続けてみよう」という計画を立てて家族に話しましょう。土曜日や日曜日に家で掃除機をかけようでも良いし,1日10分間,本を読むでも良いです。家族に話すと,きっとみんなを応援してくれるし,何よりも怠けそうになる自分を自分の心が励ましてくれるようになります。

 まだ1月8日ですから間に合います。どんな小さなことでも良いですから,一人一人に合った,一人一人違った計画を立てましょう。新しい年のスタートに,みんなが「はじめの一歩」を踏み出すことを期待しています。

校長室だより「自立の丘」№48 令和6年12月23日発行

2025年1月20日 08時18分

◆ 良いお年をお迎えください
 令和6年は,年明けから能登半島地震があったり,三春町立小学校の再編についての話題があったりと何かと心を揺るがすことがあったように感じます。年末年始は,子ども達が家族とゆっくり過ごして,良い新年のスタートを切ってくれると良いなと願っております。どうぞよいお年をお迎えください。

   冬休みは“進んで勉強”と“礼儀正しさ”のチャンス! (振り返りの会の話)

 今日は冬休み前の授業が終わる,締めくくりの日ですね。冬休みは夏休みと違って,「1年間で勉強することの大部分が終わっている」とか「年末やお正月がある」とかいうことから皆にとって2つの『チャンス』があるのです。

 まずは、一つ目のチャンスです。4月から始まった各学年の学習は,3ヶ月分くらいを残して今日までに終わりました。4月から今まで学習したことを振り返ってみて全部を身に付けている人は,そうはいないでしょう。ですから,「復習」と言って,もう一度学習し直す内容がたくさんあります。そして,分かる・出来る学習と分からない・出来ない学習は人によって違いますから,自分で学習する中身を考えて勉強しなければなりません。宿題があると勉強するけど,ないと勉強しない人がいるでしょう。だから,やる気にならないと「復習」は,することができないのです。今年も1月30日にちょっと難しい問題の「沢石小 算数コンクール」を行います。自分のよく身に付いていない算数の内容について力を入れて復習をしないと問題を解くことができないかも知れません。冬休み中に“自分から進んでの勉強”に挑戦しましょう。

 次は二つ目のチャンスです。普段会えない親戚や知り合いの年上の人に会ったら,礼儀正しくあいさつをするチャンスがあるし,何かしてもらったら,「ありがとう」と言うチャンスがあります。また,大晦日12月31日に家族に「1年間,色々ありがとうございました。」なんて言うと,びっくりされるかも知れませんよ。家族に対しても「親しき仲にも礼儀あり」という言葉のように礼儀正しさが時には必要なんです。冬休み中にたくさん“礼儀正しい”言葉づかいやあいさつ,そして行動を心掛けましょう。

 今年の冬休みは,15日間ありますが,ボーっとしていると,あっという間に終わってしまいます。ボーっとしていて誰かに叱られないように,自分から進んで取り組む勉強,そして意識して礼儀正しく話したり行動したりすることに頑張ってほしいと思います。事故や怪我,健康に気を付けた生活を送って,来年の1月8日(水曜日)に元気に登校し,登校途中に会う大人の方や先生方に「おはよう」の代わりに「新年おめでとうございます」と,あいさつができると素晴らしいと思います。

校長室だより「自立の丘」№47 令和6年12月5日発行

2024年12月6日 08時41分

◆ 昔話から生き方を考える
  最近の“闇バイト”問題を見ていると,「楽をして金銭を得よう」「苦労しないで生きて
 いこう」というような風潮を感じてしまいます。「幸せに暮らしたい」とは,誰しも思うところかも知れませんが,それが「遊んで暮らす」「楽して生きる」ことでは無いことを考えてほしいと願い,昔話から考えることを昨日の全校集会でやってみました。

みんなは『浦島太郎』のお話を知っていますか。
 むかしむかし,ある村に,心のやさしい浦島太郎という若者がいました。浦島太郎が海辺を通りかかると,子どもたちが大きなカメを捕まえていました。そばによって見てみると,子どもたちがみんなでカメをいじめています。「おやおや,かわいそうに,逃がしておやりよ」「いやだよ。おらたちが,やっと捕まえたんだもの。どうしようと,おらたちの勝手だろ」見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら,浦島太郎を見つめています。浦島太郎はお金を取り出すと,子どもたちに差し出して言いました。「それでは,このお金をあげるから,おじさんにカメを売っておくれ」浦島太郎は,子どもたちからカメを受け取ると,カメをそっと,海の中へ逃がしてやりました。
 さて,それから二,三日たったある日の事,浦島太郎が海に出かけて魚を釣っていると,
「・・・浦島さん,・・・浦島さん」と,誰かが呼ぶ声がします。「わたしですよ」すると海の上に,ひょっこりとカメが頭を出して言いました。「このあいだは助けていただいて,ありがとうございました。おかげで命が助かりました。ところで浦島さんは,竜宮へ行った事がありますか?」「竜宮? さあ? 竜宮って,どこにあるんだい?」「海の底です。わたしがお連れしましょう。さあ,背中へ乗ってください」
 カメは浦島太郎を背中に乗せて,海の中をずんずんともぐっていきました。海の中にはまっ青な光が差し込み,コンブがユラユラとゆれ,赤やピンクのサンゴの林がどこまでも続いています。浦島太郎がウットリしていると,やがて立派なご殿へ着きました。カメに案内されるまま進んでいくと,この竜宮の主人の美しい乙姫さまが,色とりどりの魚たちと一緒に浦島さんを出迎えてくれました。
「ようこそ,浦島さん。わたしは,この竜宮の主人の乙姫です。このあいだはカメを助けてくださって,ありがとうございます。お礼に,竜宮をご案内します。どうぞ,ゆっくりしていってくださいね」浦島太郎は,竜宮の広間ヘ案内されました。浦島太郎が用意された席に座ると,魚たちが次から次へと素晴らしいごちそうを運んできます。ふんわりと気持ちのよい音楽が流れて,タイやヒラメやクラゲたちの,それは見事な踊りが続きます。ここはまるで,天国のようです。
 そして,「もう一日,いてください。もう一日,いてください」と,乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに,三年の月日が経ってしまいました。
 三年経ったある日,浦島さんは竜宮から帰ろうと思いました。


 今日の『浦島太郎』のお話は,ここまでです。浦島太郎は,3年もの間,仕事もせずに毎日遊んで暮らし,おいしいごちそうを音楽や踊りを見ながら食べる,天国のような生活をしていました。一生そうやって暮らすことも出来たのに,なぜ帰ろうと思ったのでしょうね。遊んでいた方が楽なのに,仕事をしたり食事を作ったりする,暮らすのが楽ではない世界に戻ろうと思ったのでしょうね。みんなは,どう思いますか。友達と話し合ってみましょう。

大人の皆さんは,どうお考えになりますか。

校長室だより「自立の丘」№46 令和6年11月22日発行

2024年11月22日 10時57分

◆ 体育館がオペラ座になりました
 芸術の秋,第2弾の「二期会合唱団合唱公演~コーラスで楽しむオペラの世界~」が一昨日,本校体育館で開催されました。9月4日の第1弾狂言公演に続くものですが,今回は保護者の皆さんを始め,地域の方々にも多く来ていただき,子どもたちといっしょに鑑賞できたことに感謝申し上げます。来年は文化庁に他の舞台芸術を申請をしたいと思いますので,実現した際には,よろしくお願いします。
 東京二期会は,前日の夕方にスタッフが来校して舞台設置を行いました。体育館のステージとステージ前を使って,まるでシアターの雰囲気でした。客席は本校職員が準備をしてくれました。
 公演当日は,スタッフを含めて30名以上のプロフェッショナルのオペラ歌手が来校して第1部「合唱曲コンサート~世界の名曲~」からスタートです。最後には,先週お二人の歌手が来校しての事前練習をしていた「♪希望の歌」を全校生と二期会合唱団とで楽しく合唱しました。第2部は世界で最も上演されているオペラ『魔笛』(モーツァルト作曲)のダイジェスト公演です。華やかな衣装と工夫された舞台装置によって,“オペラ座”の雰囲気を味わいながら,オペラの名曲をたくさん堪能できました。

◆ 焼きいもで秋を満喫
 オペラ公演の翌日は,全校生で焼きいもを校庭で焼き,美味しくいただきました。サツマイモは,子どもたちが学校で栽培したもののほか,富沢のT・Tさんに全校生が収穫させていただいたものです。「飽(あき)きるほどの収穫が得られるから秋(あき)と言う」(諸説あります)そうですが,全校生が充分に収穫の秋を満喫できました。
 余談となりますが,焼いてもらうイモを抱えて嬉しそうに焚き火のところへ走って行く子どもたちが,前日に聞いたオペラの名曲“夜の女王のアリア”(テレビ等でよく耳にする,あの超ソプラノの曲)を歌っていました。とても微笑ましく,また嬉しくもなりました。

校長室だより「自立の丘」№45 令和6年11月7日発行

2024年11月8日 08時30分

◆ 走ることって素晴らしい
 持久走やマラソンは辛いものですが,実は素晴らしい効果がたくさんあります。子どもたちが少しでも前向きになるように全校集会で話をしました。

 今,どの学年も持久走の練習に取り組んでいますね。素晴らしいことです。でも,中には「長い距離を走ったり,長い時間走るのは,辛いなあ」とか「いやだなあ」とか思っている人がいるんじゃないかな。でも,走ることは,良いことにもつながるので頑張ってほしいと思っています。どんな良いことがあるのでしょうか。

 実は,みんなのおじいちゃんやおばあちゃんの世代の人は,足の速い人を「まるで韋駄天のような人だね」とか「韋駄天のように走るね」とか言ったりします。実は,韋駄天とは,お寺を守る神様の一人なんです。大昔,仏様の大切なものを足の速い鬼が盗んで逃げようとしたところを,鬼よりも速く走って捕まえて,大切なものを取り戻したと言われています。そこで,韋駄天は泥棒が来ないようにしてくれる神様になり,足が速い人のお手本になったというわけです。そして,もう一つ素晴らしいことがあって,子どもが病気にならないようにしてくれる神様でもあると言うんです。これには思い当たることがあります。走ることは,みんなの肺や心臓を強くしてくれます。走ると息が苦しくなったり,胸のドキドキが速くなったりするでしょう。これは,息をするための肺や足に力を送るための心臓が強くなっていくために必要なことです。だから,健康な体になるので,病気になりにくい体になるんです。足が速いことと関係があるんですね。

 韋駄天という神様と関係がないことでも走ることの良さがあります。子どもが走ると背が伸びるんです。子どもの体中の骨は,走ったときのジャンプの揺れがスイッチとなって骨が伸びるんだそうです。だから,3歳から5歳くらいの小さい子は,自分で走ろうと思わないでも,脳が早く育ちたいと思っていて,体が勝手に動いて走ってしまうそうです。子どものうちがチャンスですよ。走ると健康になるし,背も伸びるかもしれない。だから神様に関係があるというように感じて,昔の人は韋駄天を大切に考えたのかもしれませんね。

 持久走は走らなければ絶対に速くなりません。走れば必ず速くなります。そして練習をやり遂げたり,走りきった時の何とも言えない,良い気持ち「達成感」を感じることが出来ません。弱い自分に打ち勝つことが出来るのも持久走の良いところです。残りの練習を本気でやって少しでも自分の記録を縮めましょう。そして同時に,「自ら身体をつくる子ども」,つまり自分から身体を鍛えてつくる沢石の子どもになりましょう。

校長室だより「自立の丘」№44 令和6年10月18日発行

2024年10月21日 13時14分

◆ 再スタートは大チャンス  ~ 期分けの式の話 ~
 人は誰でも物事に慣れてくるとスムーズにできるようになる反面,やる気が少なくなるものです。2学期の始まりをきっかけに,もう一度,学年スタートの頃の気持ちを思い出させたいです。

 みんなは,4月に入学したり新しい学年になったりして,やる気満々でスタートしましたよね。でも,だんだん疲れてきたり,同じことを繰り返したりして,やる気や元気が足りなくなっている人はいませんか。こういうことは,スポーツの世界でもよくあって,シ-ズンの後ろ半分の時期になると,活躍が少なくなる選手が多いんです。でも,最近,最後まで大活躍をして,すごい記録を残している野球選手がいますね。そう,アメリカ合衆国メジャー・リーグの大谷翔平選手です。
 大谷選手が他の選手と違うところの一つに,睡眠時間の多さがあるそうです。何と,毎日10時間くらい眠っているのだそうです。だから,毎日の試合の疲れを次の日に残さずに最後まで活躍できるのだなあと分かりました。
 睡眠は,身体の疲れを取って,病気にならないようにする,たった一つの方法です。私も「ちょっと疲れたなあ」と思ったときがあっても睡眠時間7時間のそれまでの生活を続けていて病気になっちゃたことがありました。でも,治った後に,ちょっと疲れたなとか,調子悪いなとか感じたときに午後9時に寝て10時間くらい眠るようにしたら,次の日には元気になっていて,病気になることも殆どなくなりました。また,病気の時に薬を飲むと思いますが,たくさん眠らないと薬がなかなか効かないんです。
 さらに,睡眠は私たちの脳にとっても大切な役目を果たしています。私たちの脳は,心臓と同じで毎日24時間働き続けています。心臓は一生動き続けることができるのですが,脳は,その人が10日間くらい眠らないと限界を迎えて働くことができなくなり,意識を失ってしまうそうです。ですから,脳を休憩させるためにも充分に眠ることが大切なんです。10時間くらい眠っている大谷選手の脳はしっかり休憩しているので,次の日の試合の時に,考える力も集中力もフルパワーなのかも知れませんね。
 来週からの残り半分の学校生活を何となく過ごさないで,身体も心も元気で頑張るために,自分の眠る時間を見直しましょう。早めに眠るように変えると,きっと良いことがあると思いますよ。また,やる気や元気が出てくると,なりたい自分に少しでも近づくために自分の何かを変えようとして,新しい一歩を踏み出そうとする気持ちが生まれるものです。沢石小36名全員の素敵な残り半分の学校生活になることを期待してます。

校長室だより「自立の丘」№43 令和6年10月10日発行

2024年10月18日 12時26分

◆ もうすぐスポーツ・フェスタ
 健康な身体をつくると共に運動に親しもうとする気持ちを高めるために行うスポーツ・フェスタですが,友達との絆を深めて欲しいと願い,子ども達に次のような話をしました。

 今から5年前に私の従兄の息子さんS君が結婚式を挙げました。とても心温まる結婚披露宴が行われ,私も参加していました。披露宴の最後にお婿さんS君のお父さんである,私の従兄がお礼の言葉を話し始めました。その中に,こんな話がありました。

 息子のSは小学校の時から,ずっと大きくなるまで賞状をもらうような「賞」という物を何ももらったことがない子どもでした。小学校の運動会でもそうで,足が遅くて3等賞までに一度も入ったことがありませんでした。でも一度だけ大チャンスがあったんです。  

 小学校最後の6年生の運動会のことでした。その時は個人競走が障害物競走で,跳び箱を越えたり,大きなネットをくぐったり,平均台を渡ったりする種目でした。息子のSの順番がやってきました。スタートすると,やっぱり一番最後を走って行きます。ところが,前を走っていた多くの子ども達がネットをくぐる時に引っかかってしまい,引っかかった子によって出来たネットの隙間をSがスッと抜けて,あっという間に2位になりました。後は前を行く1位の子だけです。生まれて初めての賞かも知れない。私たち家族は大声で応援しました。1位の子が最後の平均台を渡り始めました。ところが渡り終えるところで何と転んでしまったのです。すぐには起きられないようでした。もう一本の平均台を渡り終えたSが1位になりました。もうあと少し走ればゴールです。家族が『やったぞ。生まれて初めての1等賞だ』と思った瞬間,Sは何を思ったか,くるっと後ろを向くと転んだ子の所へ戻り,起こしてあげているではありませんか。その間にみんなゴールしたので,結局転んだ子と二人で一番最後に仲良くゴールしました。

 息子のSは賞を獲れませんでしたが,私たち家族は1等賞目前で友達の所へ戻った息子から1等賞をもらったような気持ちになりました。優しい息子を誇りに思えたからです。今日の素敵なお嫁さんとの結婚式は,それ以来2回目の1等賞をもらったような気持ちです。

 この話を初めて聞いた隣のお嫁さんは感激して,涙を流しながら聞いていました。優しい人は優しい人と惹かれ合って結婚するんだなあと思いました。

 スポーツ・フェスタは,その練習の中や当日のスポーツ・フェスタで,体を鍛えて健康になるばかりでなく,友達と協力しながら,いろいろやり遂げていく途中で友達と絆を結び「つながり合う」ことに,ぴったりの行事です。6年生は最後の,1年生は初めてのスポーツ・フェスタで健康な「身体をつくり」,そして友達と固く「つながり合う」ことを目指して頑張りましょう。そして,勝ち負けだけでなく,友達の素敵だなとか頑張ってるなとか,そんな姿が見えたときには,大きな声で応援をして下さい。

校長室だより「自立の丘」№42 令和6年9月24日発行

2024年9月25日 12時47分

◆ 男女混合4×100mリレー初制覇
 以前は市町村ごとに行われていた「陸上競技大会」が,田村地区3市町の6年生が一堂に会して実施されるようになって5回目を迎えました。今年は,田村地区内に川内小中学園を含めて15校から462名が田村市陸上競技場に集い,9月20日に開催されました。
 陸上競技は基本的に個人競技です。7名の6年生はとても頑張り,大人数の他校に臆することなく,銀メダルや入賞を獲得するなど,大活躍でした。特に唯一の団体種目である男女混合4×100mリレーは初めての優勝を獲得しました。リレーはチームワークが大切で,オリンピックチームでもバトンパスの失敗をしてしまう位の難しさです。沢石小チームはレースを常に支配して貫禄の1位という様子でした。小さな学校の大きな力を田村地区内に示してくれました。
 でも,最もうれしかったことは,7名全員の「一生懸命さ」が常に見られたことです。今話題の大谷翔平選手が少年野球の監督である父親から励まされたことの一つが「一生懸命走る」とのことです。この「一生懸命さ」が子どもたちの未来を開くことにつながるだろうと幸せな気持ちになった陸上競技大会でした。

◆ 最後の鼓笛隊にぜひ地域の方も…

 昭和41年(1966年)に鼓笛隊の楽器を購入して始まったと思われる沢石小鼓笛隊の最後の演奏が,10月26日(土)のスポーツ・フェスタ(運動会)で行われます。例年は開会式前に演奏していましたが,今年は最後なので多くの地域の方にも聴いていただきたく,来場しやすい10時頃に特別種目として全校生36名で演奏します。ご来場の上,大きな拍手を賜れば幸甚に存じます。

校長室だより「自立の丘」№41 令和6年9月12日発行

2024年9月13日 10時09分

◆ 読書のススメ ~読書は頭と心の栄養~
 本を読むと,とても素敵な効果がもたらされます。読書に適した秋を迎えるので,全校集会で次のように話をしました。

 私の友達のY君の話をします。Y君は山あいの小さな町に生まれました。小学校も1学年1クラスの小さな学校でした。その学校の図書室も沢石小学校と同じ位の広さです。沢石小の図書室には,物語が約2,000冊位ありますが,当時の図書室には物語が多かったので,Y君の学校の図書室には3,000冊位は有ったことでしょう。

 Y君が3年生になった4月,お母さんから「たくさん本を読むと立派な大人になれるよ」と言われていたことを思い出し,自分だけのこんなめあてを立てたそうです。「卒業までに図書室の物語を全部読もう」と。そして,図書室で放課後に本を読んだり,借りていって家で読んだりしてとうとう卒業までの4年間に全部読んでしまったそうです。4年間で3,000冊,1年間では750冊読んだことになりますから,毎日2冊位ずつ読み続けたことになりますね。私は驚きました。すごいなあと感心しました。

 Y君は,その後,郡山市の一番有名で成績が良くないと入れない高等学校に進み,大学を卒業して先生になりました。今は,ある学校の校長先生になっています。そのY校長先生は言っていました。「本をたくさん読むようになってから勉強も分かるようになったんだよ」と。確かにY先生はとても物知りで話をしていると,とてもためになる話が多いです。でもそれよりも私が感じるのは,Y先生の優しさや思いやりのある人柄です。それに惹かれて多くの友達や仲間がいます。私もY先生が大好きで,いつも会って話したくなります。本には登場人物の心の中の事も出てきますから,きっと本を読むことで,知らず知らずに優しさや思いやりも学んだんじゃないのかなと思います。つまり,本を読むことは勉強が分かることにも,思いやりのある人になることにも,つながっていくんだと思います。

 読書は「勉強が分かりやすく」もなる,「人にやさしくできるようになって友達が増える」という,頭と心の栄養みたいなものなのです。みんなも学校での読みかけの本「マイブック」を常に近くに置き,月曜日と金曜日には,学校で朝読み,家では本をたくさん借りて夕読みをしましょう。1・2年生が音読をすることも夕読みの1つです。教科書以外を音読しても良いのですよ。学校が休みの日は昼間に本を読む昼読みをしましょう。ゲームをするのは時間がもったいないです。大学の研究によると,テレビやゲームは,みんなの頭や心の栄養を吸い取ってしまうそうです。だから,せっかく本を読んでも,テレビやゲームをすると頭や心が空っぽになってしまいます。テレビやゲームをすることをやめて,本を読むことで頭と心を成長させ,みんなが立派で魅力的な大人に成長して欲しいと願っています。