2024年3月の記事一覧
校長室だより「自立の丘」№30 令和6年3月14日発行
◆ 3.11を契機にして“命”について考える
今週月曜日は,東日本大震災から13回目の3月11日でした。小学生全員が震災後生まれとなった今,能登半島地震に思いを致しながら,命の大切さについて考えてほしいと思い全校集会で話をしました。
奇跡の命 ~ 命のバトン ~ 一昨日の3月11日で東日本大震災から13年経ちました。とても大きな地震があって,岩手県,宮城県,そして福島県で2万人以上といいますから,三春町の人ぜんぶより多い人が,海の水が押し寄せる津波で溺れて亡くなりました。今年の1月1日には能登半島で大きな地震があり,240人以上の人が崩れた建物の下敷きになって押しつぶされて亡くなりました。その中には,小学生や中学生の子どももいました。今日は,命についての話をしたいと思います。 みんなは,誰でもお父さんとお母さんとの間に生まれました。そして,お父さんは,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれ,お母さんも,そのお父さんとお母さん,みんなから見ると,おじいちゃんとおばあちゃんとの間に生まれました。だから,一人の子どもである,みんなは,4人のおじいちゃんやおばあちゃんが居てくれたので,今,ここに居ることになりますよね。 もう少し,昔まで考えてみます。曾おじいちゃんや曾おばあちゃんまで考えると,みんなには,それぞれ4人のおじいちゃん,おばあちゃんの2倍の8人の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんがいるわけです。1代前のお父さんとお母さんが2人,2代前のおじいちゃんとおばあちゃんが4人,3代前の曾おじいちゃんと曾おばあちゃんが8人なんだね。その上,4代前になると,もうそれはご先祖様と言えますね。もう分かってますね。そう16人です。みんな一人一人は,4代前のご先祖様16人全員が自分たちの子どもが生まれるまで元気で生きていないと,みんなは今,沢石小に居ないんです。実は,4代前のご先祖様16人の頃は,日本に大きな戦争があった昭和の時代で,300万人と言いますから,当時の日本国民の30人に1人以上の兵隊さんや普通の人々が死んでしまったのです。そんな厳しい時代を生き抜いたご先祖様の命を引き継いでいるのが,みんなです。命のバトンを奇跡的に引き継いでいるリレーみたいです。 その厳しい戦争の前の大正時代と言われる5代前になると32人のご先祖様になりますが,まだずっと続いています。ずっとずっと昔になって,20代前になると,一人のあなたのご先祖様は何人になると思いますか。何と1,048,756人(百四万八千七百五十六人)になるんです。すごい人数ですよね。その中のたった一人でも居なかったら,あなたは,ここに居ないんです。20代前というのは戦国時代と言って,日本中のお侍が刀や槍,火縄銃などで戦争をしていた時代です。その時代を生き抜いた,ご先祖様の命をみんなは受け継いでいるんです。奇跡的なことですよね。 そんな“奇跡の命”を持っている,みんなは,どうしなくちゃいけないと思いますか。大切に大切にしなくちゃならないのです。自分の命も他の人の命もです。自分の命を大切にするっていうのは,事故に遭わないように生活すること,他の人の命を大切にするっていうのは,いじめをしたりせずに思いやりを持って優しくすることだと思います。お互いの命を大切にして,みんなも大人になったら,奇跡の命をバトンのように未来に渡していってほしいと願っています。 |
校長室だより「自立の丘」№29 令和6年3月7日発行
◆ 素敵なフレンドお別れ会
沢石小は全校生で6つのたてわり班「フレンドグループ」(1班7~8名)を編制して様々な活動を行なっています。活動の中で,上級生が下級生の面倒を見たり,下級生が上級生を見習ったりする姿が見られるので,“フレンド(友達)”というより,私には“きょうだい”のように感じられる程です。
昨日の3校時は「フレンドお別れ会」でした。以前の「6年生を送る会」にあたります。フレンド班対抗のゲームや全校生でのクイズを楽しんだ後,フレンド班の下級生から6年生へのプレゼントがありました。心のこもったブック型のメッセージ集です。ちょっと見せてもらうと,実に丁寧な文字で書かれたメッセージが写真などと共に貼り付けてありました。6年生は,お返しに一人一人に手紙のプレゼントを渡していました。全校生が大事そうに互いのプレゼントを持つ姿に,今年1年間のフレンド活動の成果を見る思いでした。
最後には,現代っ子らしく,下級生がYOASOBI(よあそび)の『ハルカ』,6年生が卒業式に歌う『僕ら また』(ソギョン)を贈り合って,楽しいひとときを閉じました。
◆ アート&クラシック
先週末に三春交流館「まほらホール」で行なわれた,石田智子さん(福聚寺)のファイバーアートとコラボレーションした“プリマベーラ コンサート”(プリマベーラとはイタリア語で「春」の意味)に行ってきました。日本フィルハーモニー交響楽団に所属する3人によるフルート,ヴァイオリン,チェロでの演奏でしたが,名曲から馴染みの楽曲までの20曲余りで2時間を超える素晴らしいコンサートでした。ステージの背景にはファイバーアート(紙縒り等を素材とした芸術)があり,そのシルエットが独特の雰囲気を醸し出していました。
演奏家の一人,チェロの山田智樹さんは三春中出身とのことで,それも嬉しいことでしたが,私は入場整理券を手に入れる際に感心したことがありました。コンサートを知ったのが直前だったので,12月配付の整理券は無くなっているだろうと思っていました。しかし,都合が付かなくなった方々が返却されたので,私は入場することが出来ました。無料である整理券を聴きたい方のために返却する町民の方の思いやりに感動すら覚えました。子ども達を素敵な三春町民に成長させたいと決意を新たに出来たコンサートでもありました。
校長室だより「自立の丘」№28 令和6年2月29日発行
◆ 鼓笛隊移杖式
昨日の5校時開始前の昼休み後半に卒業してゆく6年生から5年生に鼓笛隊の指揮杖(じよう)(指揮者の棒)をバトンタッチする儀式を行ないました。11月末に新しいパートの希望調査,12月にオーディション,12月11日から10時の遊び時間や昼休みを削って2ヶ月以上練習を積み重ねてきました。
最初に6年生と演奏に必須の楽器を加えた鼓笛演奏が行なわれました。スポーツフェスタから4ヶ月以上のブランクがありながらも,さすが素晴らしい演奏でした。その後は,いよいよ新鼓笛隊です。6年生には及ばないものの,真剣に演奏する姿は感動的な光景でした。遊ぶ時間を削って練習してきた成果は,どの曲にも表れていました。来年度の鼓笛隊活動が楽しみになるほど頼もしい姿でした。
◆ 鼓笛隊活動は令和6年度で終了
10年前くらいから多くの学校では,鼓笛隊活動が行なわれなくなっています。それは,
以下のような問題点があったからです。
① 短い演奏発表のために膨大な練習時間(先生達にとっては指導時間)を要した。
② 正規の教育活動ではないのに,授業をつぶしたり,子どもたちの遊び時間を
削ったり,先生達の休憩時間を奪ったりしていた。(「遊び時間」は小学生の心の
発達に極めて重要な時間と言われています。)
③ 自分が本当にやりたい鼓笛パートを担うことができなかったり,オーディションの
結果を受け入れられない子どもや保護者の方がいた。
④ 学年に相応(ふさわ)しい楽曲よりも難しい楽曲練習のために音楽自体を嫌いになって
しまう子どもがいた。
本校でも,鼓笛隊活動について昨年5月から鼓笛隊活動の終了について話し合いを重ねてきました。その結果,先週に全教職員の合意が形成され,令和6年度のスポーツフェスタ(10月26日・土)での演奏を最後に鼓笛隊活動を終了することにしました。子どもたちには昨日の移杖式終了時に話をいたしました。10月26日は是非,大きな拍手をしてあげてほしいと思っています。