食育

八杯汁

 八杯汁はいわき市でも古くから精進料理の一品として出されていました。

地域によっては「のっぺい汁」とも呼ばれています。水溶きでんぷんでとろみをつける汁が

特徴で、特に 冬場は冷えた体を温めてもらうためにふるまわれました。

あまりにもおいしくて、たくさんお代わりしてしまうこと から「八杯汁」と名付けられたそうです。

 かつお節でだしを取り、冬野菜のにんじん、大根などの根菜類が多いのも特徴です。

冬野菜は寒くて厳しい環境の中で育つため甘みがあり、また冬の健康を守るのに欠かせない

ビタミン類も多く含んでいます。

クリームボックス

 今日の主食は、郡山市のご当地パン「クリームボックス」

のミルククリームをアレンジしたものです。牛乳や生クリーム、

砂糖で作ったトロンとした優しい甘さのクリームです。

今日は厚切りの食パンにたっぷりクリームをのせ、軽く焼いてあります。

  クリームボックスは1976年に郡山市のベーカリーが発売し、高校生を中心に人気となったそうです。

市内のパン屋さんには必ずと言っていいほど置いてありますが、ほかにもスーパーマーケットやコンビニエンス

ストアなどでも売っています。

 ミルククリームはお家でも簡単に作れます。手作りすることで、甘さの調整をすることもできます。

〈4人分の分量〉牛乳100cc 生クリーム100cc 砂糖30g コーンスターチ18g 無塩バター8g

〈作り方〉① 鍋に牛乳、生クリームを入れ、火にかけます。

     ② 砂糖とコーンスターチを混ぜたものを①に少しずつ振り入れます。

     ③ とろみついたら、バターをいれ、溶かします。

     ④ 厚切り食パンに③をぬり、オーブントースターで軽く焼きます。

 

 

三角油揚げのねぎ味噌焼き

 三春町は古くからお寺が多く、寺院料理である豆腐料理が発達しました。

三角油揚げは、鶴が舞鶴城(三春城)の上空を高く飛ぶ姿をかたどっています。

その厚い三角油揚げの切れ目にみそを詰め、ほうろくでこんがり焼いたものが、ほうろく焼きと呼ばれています。

三春で用いられていたほうろくとは、ブリキ製の豆やゴマをいるためのフライパンのようなものです。

 ほうろく焼きの歴史は古く、三春藩三代目藩主・秋田輝季が鷹狩りの際に食べたところとても気に入ったという

逸話もあります。

 給食室では、味噌とねぎをはさんで焼きました。三春町の郷土料理を味わって食べましょう。

水菜

「水菜」は、寒さに強く、冬が旬の野菜です。

鮮やかな緑色のギザギザとした葉っぱが特徴で、その色合いから淡色野菜と思われるかもしれませんが、

ビタミンAを多く含む緑黄色野菜になります。水菜には、骨を丈夫にするカルシウムや風邪予防に効果的な

ビタミンCもたくさん含まれています。

昔から京都で作られている伝統野菜で「京菜」と呼ばれます。京野菜の壬生菜も仲間の野菜です。

水菜はシャキシャキとした食感が楽しいですね。サラダや鍋物の食材としてもよく使われます。

今日は、春雨と一緒にスープにしました。おいしく食べて、元気に冬を過ごしましょう。 

ふくしま健康応援メニュー

今日の健康応援メニューは、冬野菜を使った豚汁です。

減塩のためにトマトケチャップを使っています。トマトには「昆布」と

同じ旨味成分グルタミン酸が含まれているため、みそを減らしてトマトケチャップを加えることで

塩分も抑えられ、うま味アップにつながります。

県産食材として、今日の豚汁にはねぎを使用しています。三春町でも栽培が盛んです。

原産地は中国で、紀元前から栽培され、体をあたため、疲労を回復する薬用植物として大切にされてきました。

特有のにおいの元は、硫化アリル。ビタミンB1の吸収を高める働きがあります。

ねぎは日本にも早くから伝わり、日本人の食生活になじみ深い古い野菜のひとつです。

 

キャベツのペペロンチーノ

 ペペロンチーノはイタリア語、peper 唐辛子からきている言葉です。

にんにくと唐辛子をオリーブ油で炒めて、ゆでたスパゲティを和えて

食べるスパゲティ・ペペロンチーノが一般的です。

今日はスパゲティではなく、ゆでたキャベツを和えて副菜とします。

 キャベツは、季節に合わせた品種が早くから作られ、一年中出荷されています。

ヨーロッパの地中海、大西洋の沿岸が原産地。栽培の歴史は古く、紀元前600年ごろに

ケルト人がヨーロッパ各地に伝えたといわれています。

日本では、江戸時代末期からつくられはじめ、戦後、食生活の洋風化とともに急速に消費が伸び、

今では食卓に欠かせない野菜になりました。

 

おからドーナツ

おからは、豆腐を製造する過程で豆乳を絞った際に出る絞りかすですが、

ビタミンB群や食物繊維が多く含まれています。

普段は「卯の花炒り」として給食に登場するおからですが、

今日は、小麦粉や卵、牛乳と一緒に混ぜて、油で揚げた「おからドーナツ」としました。

外側にまぶされている粉は大豆から作られるきなこです。豆腐も大豆から作られますね。

おからを料理やお菓子に取り入れると、低カロリーで高栄養の食事作りに役立ちます。

 

切り干し大根

 日本の切り干し大根の90%近くを、宮崎県が生産しています。

宮崎の特産品となっているのは、冬場に雨と雪が少なく、宮崎平野には、霧島おろしといわれる

乾燥した風が吹くなど、切り干し大根の加工には最適な自然条件がそろっているところからです。

薄く切った大根を広げて、日光で乾燥させて作る切り干し大根、食物繊維がたっぷりです。

風邪予防

かぜやインフルエンザの流行が心配な季節です。

原因となるウイルスは手などを介して、口や鼻の粘膜から人間の体内に入り込み、

人間の細胞を使って自分のコピーを作り出します。

一番の予防は石けんでよく手洗いをしてウイルスを体内に入れないことです。

抵抗力を高める秘訣は、早寝・早起きをして規則正しい生活を送る、気持ちを明るく持つ、

適度な運動をする、そして栄養バランスの整った食事を朝昼夕の3回、きちんととることです。

クロックムッシュ

「クロックムッシュ」とは、フランスで食べられていたトーストの一種です。

パンにハムとチーズを合わせ、軽く焼いて、温かいうちに食べます。

 ゆで卵や野菜をはさんで食べるなど、アレンジもいろいろあります。

クロックムッシュの上に目玉焼きをのせたものは、「クロックマダム」とも呼ばれているそうです。

 朝ごはんがパン派の人は、ぜひお家で、食パンにスライスのハムとチーズをのせて焼いて作ってみてください。

 

中華どんぶり

 昭和時代の初めごろ、東京のある中華料理店で、お客さんから、「八宝菜をご飯にかけて欲しい」

と頼まれて作ったのが 中華丼誕生のきっかけだそうです。

日本人は、「親子丼」や「牛丼」など 手早く食べられる丼物が好きですから、中華丼が誕生したのかもしれません。

季節の野菜と肉、魚介類など豊富な食材で、おいしく栄養を摂れる料理です。

 

 

寒さに負けない食事

 今年も残すところ1ヵ月切りました。寒さも本格的になり、空気が乾燥し、低温になるため

風邪のウィルスやインフルエンザウィルスが増えてきます。そんな寒い冬を健康的に乗り切るために

食事にも気をつけてみましょう。ポイントは体を温めることです。

 朝ご飯を食べると、噛むことや、食べたものを吸収するために、内臓が動き出し、身体を中から温めます。

気温も体温も下がっている朝は、しっかりと朝ご飯を食べましょう。肉・魚・卵等のたんぱく質は、身体を作る

大切な栄養素です。筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げ、身体をじっくりと温めることができます。うなぎや

緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAは、鼻やのどの粘膜を強くし、ウィルスが入るのを防ぎます。

野菜や果物に多く含まれるビタミンCはウィルスを外へ追い出す働きがあります。1日3食栄養バランスのよい

食事を食べて風邪を予防しましょう。

 

タラのグラタン

タラは漢字で魚へんに雪と書くように冬が旬の魚です。

日本でタラと呼ばれる種類には、マダラ、スケトウダラ、コマイなどがありますが、

北海道沿岸と北陸ではスケトウダラをその他の地域ではマダラを指すことが多いようです。

 白身の魚ですが、ビタミンA、D、Eを多く含んでいます。脂質が少ないところからクセの

ない淡泊な味で、鍋物やコクのあるグラタンやシチューに向いています。

今日の給食では、タラの切り身を焼いてから、野菜やきのこと一緒にホワイトルウで味付けしました。

コクが増し、よりおいしく食べられます。

ほうれん草のキッシュ

 ほうれん草の旬は冬です。

 寒いところで育てると、甘くておいしい栄養いっぱいのほうれん草ができるそうです。

ほうれん草には、風邪を予防してくれる「カロテン」や「ビタミンC」、貧血を予防して

くれる「鉄」がたくさん入っています。

これから旬を迎えるほうれん草をしっかり食べて、風邪を予防しましょう。

 給食では、ほうれん草をたっぷりと使った、キッシュにしました。

ほうれん草の濃い緑色と卵の黄色、焼き目のこげ茶色で見た目もきれいなキッシュとなりました。

もやし

  もやしは、豆などの種子を、紫外線を遮った施設で発芽させ、その時に出てきた柔らかい新芽です。

現在は、「ブラックマッペもやし」と「緑豆もやし」が最も多く市場に出回っています。

その他に大豆から作る大豆もやしなどもあります。

発芽によって豆のときにはなかったビタミンCなどが合成されるので、太陽の光を浴びたビタミンA

たっぷりの緑黄色野菜と組み合わせて、上手に活用したい野菜のひとつです。

 今日の給食では、ほうれん草とさつま揚げでナムルにしました。

ひじき

ひじきとは、波が荒い海岸近く、岩場などに多く繁殖します。

北海道の南部から広域で収穫することができ、中国や朝鮮半島などでも収穫されます。

ひじきは健康にとても良い食材です。ひじきは低カロリーかつ豊富な栄養素を含みます。

特徴的なのはカルシウムと食物繊維、そしてヨウ素が豊富であるということでしょう。

100gあたりで換算すれば牛乳の10倍以上もカルシウムを含んでいます。

カルシウムはよく知られているように骨の成形を助ける作用があります。

感謝して食べよう

  食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」は、食べ物や食事に関わる人たちへ

感謝の気持ちを表す大切な言葉です。

「いただきます」には、私たちが生きるために、動植物の大切な命をいただくことへの感謝と、

多くの人たちのおかげで食事ができることへの感謝の気持ちが込められています。

「ごちそうさま」は、昔は、人をもてなすために方々を駆け回って材料を集め、

食事を準備していたことから、その心遣いや労力への感謝を表す言葉として生まれました。

明日は「勤労感謝の日」です。この日は宮中行事として、その年にとれた収穫に感謝する

「新嘗祭」が古くから行われてきました。秋の実りが出そろう時季です。

自然の恵みへの感謝、また働くことの尊さについて思いをめぐらせ、感謝して食べましょう。

こづゆ

 こづゆは、会津の代表的な郷土料理。

お正月や節句、結婚式などお祝い事には欠かせない「もてなし」の料理です。

 ホタテの貝柱でだしを取り、豆麩、にんじん、しいたけ、里芋、キクラゲ、しらたきなどが入ります。

材料の数は割り切れないようにと縁起のよい奇数が習わしです。

こづゆの名の由来は、浅めに作られた小さい朱塗りの椀に盛られることから

「こじゅうのつゆ」となり、訛って「こづゆ」になったのではないかと言われています。

にら

日本でのにら栽培の歴史は古く、9~10世紀頃から栽培されていたといわれています。

にらは、もともと東アジアの各地に自生し、中国や東南アジアでは古くから栽培されてきました。

ですが、ヨーロッパでは現在でもほとんど栽培されていません。アジア限定の野菜となっています。

にらには、ビタミンA、ビタミンCさらにカルシウム、リン、鉄などのミネラルが多く、疲労回復に

欠かせないアリシンが多いのも特徴です。

 また、一年中出回っているにらですが、旬は冬から春にかけて。つまり、これからが旬で、葉が厚く

柔らかになります。

 給食ではもやしと一緒に炒めものにしました。